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Case Study 症状別事例

2026.07.17

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア持ちの人が向いている仕事は?症状悪化を防ぐ方法も解説!

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジムLifelongを設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

腰椎椎間板ヘルニアは多くの人を悩ませている腰痛の原因ですが、ヘルニアの人に向いている仕事と向いていない仕事があります。

職種によっては椎間板ヘルニアを悪化させてしまう危険があるので注意が必要です。

また、職種だけでなく、働くときの姿勢によってもヘルニアを悪化させる可能性があります。

特に、前屈動作のように前屈みになる動作は腰に大きな負担となります。

椎間板ヘルニアの人は自分の身体に合った職業を選ぶことも大切ですが、腹筋などの体幹部分の筋肉を鍛えることでヘルニアの予防や悪化を防ぐこともできます。

仕事中に腰への負担がかからないような身体作りが大切です。

それでは腰椎椎間板ヘルニアと仕事の関係について紹介していきます。

1. 腰椎椎間板ヘルニアとは

背骨の間には椎間板と呼ばれる衝撃を吸収するためのクッションのような役割を持つ組織があります。

腰椎椎間板ヘルニアはその椎間板の一部(髄核)が背骨から飛び出し、背骨の後ろを通る太い神経を圧迫してしまう障害です。

症状として椎間板が飛び出した部位に鋭い痛みを感じることが多いです。

また、神経症状として腰だけではなくお尻からつま先にかけて痺れやピリピリとした痛みも出現します。

2. 椎間板ヘルニアの人が痛みを感じる動き

椎間板ヘルニアは痛みを感じやすい動作があります。

大抵の人は前屈動作や、長時間の座り姿勢で強い痺れ感や痛みが出現しやすいです。

座っている姿勢は背骨に圧がかかりやすいため、立った姿勢の方が楽に感じる方も多くいます。

「前屈動作」とは、身体を前に曲げる動作のことで、日常生活の中でもこの動作はよく使われています。

例えば、低い位置にある物を取る時、下にある荷物を持ち上げる時、洗面台で顔を洗う時や皿洗いをする時、などです。

前屈動作では体幹を屈曲することで髄核がさらに後ろに押し出され、神経への圧迫を強めてしまいます。

重いものを持ち上げる時など、腰を屈めた状態に、より負荷がかかる動作には注意が必要です。

3. 椎間板ヘルニアの人に向いている職業の特徴

ヘルニアの症状が増悪しやすい動きを日常生活の動作と関連づけてお伝えしました。

今度はそれを踏まえてヘルニアの方に向いている職業についてお話していきます。

例として挙げられる職業は、在宅ワーク・デスクワーク(適度に姿勢が変えられる場合)・軽作業・受付業務などです。

これらのヘルニアを持っている人に向いている職業には共通する特徴があります。

①  適度に立ち、座りできる環境にある

長時間同じ姿勢でいることは椎間板への圧力を高めてしまいます。

特に座り姿勢は立ち姿勢よりも椎間板への圧が大きいため、長時間の座り姿勢は神経症状を増悪してしまう場合があります。

姿勢を適度に変えることで椎間板にかかる負荷を軽減できます。

②  力仕事を必要としない

重量のある物を持ち上げる事は椎間板への圧を高め、大きなストレスがかかります。

力仕事は荷重に加えて前屈動作や腰を捻る動作が入る場合があり、症状を悪化させてしまうリスクが高いです。

力仕事が少ない職業はこのようなリスクを回避することができます。

③  前屈動作や中腰姿勢になる場面が少ない

前屈動作や中腰姿勢になる場面が少ないことで神経の圧迫を強める姿勢を避けられます。

これらの背中が丸まる姿勢は神経を圧迫・牽引するストレスがかかり、症状が増悪してしまいやすいです。

中腰姿勢を必要としない仕事ではこのような神経へのストレスを軽減できます。

4. 椎間板ヘルニアの人に向かない職業

長時間同じ姿勢でいることを強制される、力仕事や中腰姿勢になる場面が多いなどの特徴を持つ仕事はヘルニアの症状を悪化させやすいです。

例えば、介護職・看護師・保育士では利用者や子供を抱きかかえたり、低い位置での作業が多く、前屈動作や中腰姿勢が繰り返される場面が非常に多いです。

その中でも介護職は、前屈動作や中腰姿勢に加えて人の身体を扱う力仕事も含まれるため、椎間板への負担が重なりやすい環境であると言えます。

また、土木業や建築業などでは力仕事が中心であり、重い資材の持ち上げ・運搬そして前屈動作が避けられません。

これらの動作は椎間板に大きな圧力をかけ、症状が悪化するリスクを高めてしまいます。

さらに、荷物を運ぶ宅配業者や配送業などでは運転により長時間座り姿勢を続けることが多いです。

それに加えて、重い荷物を運ぶ力仕事や下に置いてある荷物を持ち上げる際の中腰姿勢を避けられません。

宅配業者や配送業は腰に負担のかかる要素が重なるため、椎間板や神経根へのストレスが特に多い職種だと言えます。

このように、仕事内容に椎間板や神経への負担になる要素が多いと症状が悪化しやすい環境になります。

そのため、このような仕事内容が含まれる場合は、腰に負担のかかりにくい身体の使い方を習得することが重要です。

5. 仕事で椎間板ヘルニアを悪化させない方法

ヘルニアの症状が悪化しやすい環境でも姿勢の保ち方やちょっとした工夫で腰への負担を減らして仕事ができます。

長時間同じ姿勢を強いられる場合は、その姿勢をできるだけ整え、腰への負担を最小限にしましょう。

人の背骨は本来、ゆるやかなS字カーブを描いており、この構造が体にかかる衝撃や腰の負担を軽減しています。

背筋を伸ばしてS字カーブを維持することで仕事中の症状悪化を予防できます。

長時間座り姿勢や、立ち姿勢など同じ姿勢をとり続けた時、背中が丸まってきたり腰を反ったりしてしまっていませんか?

腰への負担が一番かからないポジションは背筋がまっすぐ伸びた姿勢です。

とはいえ、体幹筋が弱いとこの姿勢を保つことが難しいと感じる方も少なくありません。

そこでコルセットや座っている時は腰枕など、サポートアイテムを活用することで無理なく正しい姿勢を保ちやすくなります。

さらに、体幹筋を鍛えることで背筋をまっすぐに維持し続けるようになります。

腰の負担を減らすには正しい姿勢を保ち続ける体幹筋力がとても重要です。

力仕事の際は腰ではなく足で持ち上げる

力仕事が必要になる場合はできるだけ対象物に近づいて持ち上げるようにしましょう。

持ち上げる際に身体から離れるほど、腰を曲げるなどの代償動作が入りやすく、腰への負担が大きくなります。

例えば下に置いてある荷物を持ち上げる時、下半身は使わずに腰を曲げて上半身の力だけで持ち上げていませんか?

このような持ち上げ方は効率が良いように見えますが、前屈動作に荷重が加わり椎間板に大きなストレスがかかります。

床にある荷物はしゃがみ込んでから持ち上げる。

前にある荷物は上半身を伸ばして取るのではなく一歩身体ごと近づいてから持ち上げるなど。

このとき必要となるのが下半身の筋力です。

腰を使っていた動作を足で支えるようになるため、これまでよりも下半身の動作が増えます。

下半身の筋力を鍛えることで、腰を自然な位置に保ったまま仕事をできるようになり、腰への負担を大きく減らすことができます。

また、中腰姿勢になる場面が多い場合も同じことが言えます。

できるだけ腰をまっすぐに保つために、低い位置での作業は片膝立ちやしゃがみ込んで行うことで中腰姿勢を置き換えられます。

このようにできるだけ背中が曲がらないニュートラルな姿勢で作業できるよう工夫しすることが、腰の負担を減らす上で重要です。

6. 腰を悪化させない、負担のかけない姿勢で働きましょう

腰椎椎間板ヘルニアの方にとっては、適度に姿勢を変えられることや、力仕事や前屈姿勢が少ない仕事が理想的です。

しかし、腰への負担がかかりやすい仕事でも動作の工夫や、姿勢の意識を変えることで症状の悪化を十分に予防することができます。

ただし、今まで腰に頼っていた動作や姿勢を足・体幹で補うためには、下半身や体幹の筋力がこれまで以上に必要です。

体幹や下半身を鍛えることで、腰を適切な位置に保ったまま作業できるようになり、どのような仕事でもヘルニアの症状に悩まされにくくなります。

日々の姿勢の工夫とそれを支える筋力のトレーニングで腰に負担のかかりにくい身体づくりを目指していきましょう。

 

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーションについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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