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Case Study 症状別事例

2026.08.04

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは自然治癒で治る?手術をしない治し方を解説

執筆児玉 紗椰(アスレティックトレーナー)

高齢者への運動指導と学生アスリートのリハビリ現場で活躍。運動経験の少ない方や苦手な方が無理なく自分のペースで運動できるように、温かい指導を行う。

腰椎椎間板ヘルニアは多くの方を悩ませる腰の病気ですが、自然治癒する場合も多く、必ずしも手術が必要になるわけではありません。

この記事では、どういった場合に手術が必要なのか、自然治癒する場合とはどういう時なのかを解説していきます。

不要な手術は避けたい、出来るだけ手術をしないでヘルニアを改善したいという方は、ぜひ参考にしてください。

腰椎椎間板ヘルニアは自然治癒するのか

結論から言うと腰椎椎間板ヘルニアは自然治癒する可能性があります。

全体の自然治癒率(手術なしで改善する確率)は60〜80%と言われていますが、自然治癒率はヘルニアの4つのタイプによって変化していきます。

どのような流れで自然治癒するのか、またこの4つのタイプとはそれぞれどう違うのかなど詳しく説明していきます。

腰椎椎間板ヘルニアが自然治癒する仕組み

腰椎椎間板ヘルニアが自然治癒する仕組みやヘルニアのタイプについて詳しく説明していきます。

ヘルニアについて

背骨には椎間板というクッションの役割を持つ軟部組織があります。

椎間板は中心にあるゼリー状の「髄核」とそれを囲む丈夫な外側の組織「繊維輪」でできています。その髄核が繊維輪を突き破り神経を圧迫することで痛みや痺れを引き起こします。

自然治癒するメカニズム

椎体には、椎間板を後ろから支えてくれている後縦靭帯という靱帯があります。

椎間板の中心にある髄核は後縦靭帯を突き破ると血管の豊富な場所に飛び出します。
飛び出した髄核は「本来ここにないはずの異物」としてみなされ体の免疫システムを働かせます。

体の免疫システムが働くと白血球の一種であるマクロファージが集まってきます。
マクロファージは飛び出した髄核を異物として認識し少しずつ食べて分解、吸収してくれます。

異物が分解され小さくなると、神経を圧迫していたものがなくなりお尻から足にかけての痛みや痺れが徐々におさまってきます。

ヘルニアのタイプ

腰椎椎間板ヘルニアは「膨隆型」「突出型」「脱出型」「遊離型」の4つ型に分けられ、その4つの型によって自然治癒率は異なります。

  • 膨隆型 自然治癒率 13%
  • 突出型 自然治癒率 41%
  • 脱出型 自然治癒率 70%
  • 遊離型 自然治癒率 96%

脱出型や遊離型のように大きく飛び出しているタイプほど、血管の豊富な場所に触れやすくマクロファージが異物として吸収してくれるため、高い確率で自然に治癒する傾向があります。

腰椎椎間板ヘルニアが自然治癒するまでの経過

  • 急性期(発症〜約4週間)

急性期は炎症が激しく、安静にしていても痛みを感じる場合があります。

炎症を抑えるための薬物療法や、安静を保つためにコルセットを使用したりします。

無理な運動やストレッチは症状を悪化させる恐れがあるため無理に動かさず、腰や神経に負担がかからないよう安静を保つようにしましょう。

  • 亜急性期(1ヶ月〜3ヶ月)

急性期よりも痛みは落ち着きますが、動きによって痛みや痺れが生じることがあります。

長期間の寝たきりは筋力低下や柔軟性の低下が起こり回復を遅らせる原因になります。

痛みが出る方向への動きは避けて、少しずつ軽いストレッチやトレーニングから始めてみましょう。

  • 回復期(3ヶ月〜)

回復期になると痛みの強さも落ち着いてきます。

完全には元通りにはなっていないので、痛みがマシになったからといっていきなり強度の高い運動をしたりせずに、ストレッチやトレーニングの強度を少しずつ上げていきましょう!

腰椎椎間板ヘルニアはどういう場合に手術するのか

腰椎椎間板ヘルニアは自然治癒する場合もありますが、症状や脱出形態によって手術の適応になる場合もあります。

次のような症状は早急な対応が必要になります。

すぐに病院を受診し、適切な処置を受けるようにしましょう。

  • 排尿、排泄障害(尿が出にくい、残尿感、尿意や便意を感じない)
  • 足に力が入らない(スリッパが脱げてしまう、歩行困難)
  • サドル麻痺(自転車のサドルに触れる部位が痺れる、感覚がなくなる)

上記以外の症状で、安静にしていても激痛が続く、痺れや痛みがどんどん強くなってきた場合も自分で判断せず、病院を受診し専門医に診てもらうようにしましょう。

運動で腰椎椎間板ヘルニアの自然治癒を早めよう

ヘルニアの自然治癒を早めるには適度に運動することが大切です。

適度な運動は血流が上がり、ヘルニアの自然治癒を早めてくれます。

そのほかにも体幹や下半身の筋力を鍛えることで腰への負担も分散され腰痛の軽減にも繋がります。

自然治癒することも多いので焦って手術をする必要はありませんが、ヘルニアの症状は進行していくので適切な運動を実施し、進行を予防することが痛みや痺れの軽減につながります。

「何もしなくても治る」ではなく痛みや痺れの軽減、再発予防のために適度な運動を実施するようにしましょう!

自宅でもできる簡単なトレーニングはこちらに詳しくまとめています。
>> 腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション

椎間板ヘルニアの自然治癒でも改善する

腰椎椎間板ヘルニアは手術を受けなければいけない場合もありますが、自然治癒する場合も多いです。

手術を受けることに抵抗がある方は、無理のない運動を取り入れて自然治癒を促すようにしましょう。

ただし、自己判断に頼りすぎず、症状が続く場合や悪化している場合は早めに医療機関を受診することが大切です。

専門家と相談しながら、一人一人の症状に合わせた治療を受けることが改善への近道です。

腰椎椎間板ヘルニアについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

参考文献
The probability of spontaneous regression of lumbar herniated disc: a systematic review
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会_腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン

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