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Case Study 症状別事例

2021.12.03

トレーニング

理学療法士が教えるマタニティトレーニング

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。専門は"病院で治らなかった身体の痛み"のリハビリ。

妊婦さんから「運動したほうがいいの?本当に安全?」という声をよく耳にします。運動したほうが身体と健康にはいいだろうと思いつつ、胎児に影響はないのか不安な方がほとんどだと思います。

この記事では、妊婦さんが運動するメリットと注意点、具体的にどのようなトレーニングをすれば良いかをわかりやすく紹介しています。

妊娠前の妊活トレーニングについてはこちらをご覧ください。
>> 妊活トレーニングで妊娠しやすい身体を作ろう!

この記事を書く上で参考にしているのは2021年9月に発表された以下の論文です。

Professional Exercise Recommendations for Healthy Women Who Are Pregnant: A Systematic Review. (健康な妊婦に勧める専門的な運動)

この論文には、国際的な医療機関から発表された12個の妊婦向け運動ガイドラインがまとめられています。世界各国の専門機関が発表した情報を元にしているので、信頼できる内容になっています。

記事の最後には、実際に私の妻が妊娠中に行っていたエクササイズも紹介しているので、ぜひ最後までお読みになり、マタニティトレーニングの大切さを知っていただきたいです。

  • 妊婦は運動して大丈夫!
  • 医療機関の妊婦向け運動ガイドライン
  • 妊娠中に運動するメリット
  • 妊婦が運動するときの注意点
  • マタニティトレーニングの紹介

マタニティトレーニングの体験談

30代女性Oさん
Oさんは妊娠5ヶ月から出産2週間前まで、マタニティトレーニングにご利用いただきました。普段から運動が好きでジムに通っていたけど、ジムの利用規約によって妊娠と同時に通えなくなり、お腹も大きくなるにつれて腰痛も悪化。『医療従事者の指導のもと、安全第一でしっかり身体を鍛えたい』というご要望でした。運動開始後、すぐに腰痛は改善。運動を続けた成果か、スピード出産で元気なお子さんをお産みになられました。
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30代女性Cさん
Cさんは安定期に入った妊娠18週から出産直前までご利用いただきました。来店当初は腰痛にもお悩みでしたが、反り腰を改善する運動を行いすぐに痛みは軽減。早めに腰まわりを鍛えたこともあり、その後お腹が大きくなっても腰痛が再発することはありませんでした。週2回の運動を継続しながら、最終的には出産2日前まで通っていただき、元気なお子さんを迎えられました。
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妊婦が運動して大丈夫なの?

ダンベン運動をする妊娠女性

まず気になるのは、そもそも妊婦は運動しても大丈夫なのか?ということだと思います。少しは運動したほうがいいとは聞くけど、お腹の赤ちゃんに悪影響が出ないか心配が大きいのではないでしょうか?

結論から言うと、妊娠中に運動しても問題ありません。それどころか、運動は推奨されています!

マタニティトレーニングのメリット

マタニティトレーニングを行うことで多くのメリットがあると説明されています。

  • 妊娠中の体重増加を防ぐ
  • 産後の体重が戻りやすい
  • 妊娠糖尿病を防ぐ
  • 妊娠高血圧腎症を防ぐ
  • 帝王切開の確率低下
  • 低体重児の確率低下
  • 産後うつの確率低下

妊娠中はつわりや好みの変化によって、食べられるものが偏ってしまいます。私の妻も、つわり中はポテトやせんべい、チョコレートなどが主食でした。

特に妊娠初期は、少しでも食べられるものを口にすることが大切なので、偏食は仕方がないことです。

しかし、つわりが治った頃に今まで食欲がなくて我慢していた好みの物を食べ始め、急に体重が増加してしまう妊婦さんが多く見られます。妊娠中の急激な体重増加は、妊娠糖尿病などの疾患に繋がり、胎児に影響を与えてしまうこともあります。

体重増加を防ぐためにも、妊娠中に適切なマタニティトレーニングに取り組むことで、体重管理をすることができます。

さらに、帝王切開の確率が下がる、産後の体重が戻りやすい、産後うつになりにくいという効果もあるので、できるだけ早い段階でマタニティトレーニングを初めましょう。

なんで妊婦は運動に消極的になってしまう?

バランスボールに乗る妊婦

妊娠中の運動はこれだけ多くのメリットがあるにも関わらず、妊婦が身体を動かすことについて消極的になってしまうのはなぜでしょうか?

この疑問に対して、論文の中でいくつかの原因が指摘されています。

運動指導を受けられる妊婦は50%

妊娠が認められてから、医療機関で運動に関する指導をしてもらえる妊婦は全体の50%だけのようです。残り半分の妊婦には運動に関する情報が提供されないので、身体を動かしていいのかわからないのでしょう。

15%は運動を中止するように言われる

残念ながら全体の15%にあたる妊婦には、運動を止めるよう伝えられているそうです。マタニティトレーニングには多くの利点がありますが、運動すると胎児に影響が出るのではないか?という少し古い情報に頼る医療機関では、このようなことが起こっているようです。

マタニティトレーニングの専門知識がない

一般的に妊婦が通うのは産婦人科です。産婦人科医や助産師は”出産の専門家”ですが、”運動の専門家”ではありません。妊婦が運動した方がいいのは知っているけど、トレーニングの専門知識がないから教えられないという声が多くの病院から聞かれたようです。

妊婦向け運動ガイダンス

マタニティトレーニングは妊婦に多くのメリットがあるのに、正しい情報が妊婦に届いていませんでした。

この状況を変えるために、各国の専門機関が妊婦向けの運動ガイドラインを作成し、妊婦が安心して身体を動かせるような情報を提供し始めました。

権威ある専門家たちがマタニティトレーニングの安全性を説明することで、運動が妊婦に与えるメリットが広まり、今まで以上に妊娠中の運動が勧められるようになりました。

いくつか実際のガイドラインを紹介します。(全て英語です)

アメリカ産婦人科学会
アルバータ大学産婦人科(カナダ)
フィットネスオーストラリア
プレトリア大学健康化学科(南アフリカ)

上記を含む12の信頼できるガイドラインをまとめたのが、冒頭で紹介した論文です。

その論文を参考にこの記事を書いていますので、ここに書いてある情報はとても信頼できる内容となっています。

マタニティトレーニングの注意点

マタニティエクササイズを受ける女性

運動すること自体は妊婦と胎児の健康に良い影響を与えますが、気をつけなければいけないことも何点かあります。

長時間の仰向け姿勢

妊娠中は子宮が大きくなりますが、仰向けになると大きくなった子宮がお腹にある血管を圧迫してしまい、血流を低下させてしまいます。仰向けで運動する場合は、数分ごとに体勢を変えるようにしましょう。

暑すぎる環境

妊婦の体温が上がりすぎると、胎児に悪影響が出てしまいます。高温多湿な環境での運動は危険なのでやめましょう。こまめな水分補給も大切です。

転倒する危険性のある運動

お腹が大きくなると普段と重心の位置が変わり、思うようにバランスを取れなくなります。バランスを崩し転倒の恐れがある運動は避けましょう。

医療関係者の下で運動する

妊婦が運動するときは、医療関係者の目が届く場所で運動することが望ましいです。しかしこれは環境的に運動場所が限られてしまうので、少なくとも担当医に運動している施設や内容を共有するようにしましょう。

不安があればすぐ医師に相談する

何か身体に異変を感じたら、すぐに担当の産婦人科医に相談しましょう。これは運動時に限らず、日常生活上でも同じことが言える注意点です。

おすすめの運動時間と強度

筋トレをする妊娠中の女性

全ての妊婦向けガイドラインを比較した結果、マタニティトレーニングに推奨される運動時間と運動強度がまとめられました。

運動時間
運動1回あたり30分
1週間で150分

運動強度
「ややきつい」と感じる強度
0〜10段階で表したときの5~6程度

1日30分、週に5日ほどの運動が最適な運動量とされ、運動強度も少し息が上がるぐらいの強度が勧められています。

予想以上に長い時間と高い強度での運動が勧められていて、驚いたのではないでしょうか?

専門家の意見を参考にすると週に150分程度の運動が最適とのことなので、妊娠中の方はこの数字を目安に少しずつ身体を動かしましょう。

おすすめのマタニティトレーニング

マタニティヨガを受ける妊婦

安全性を考慮した上で、妊婦に推奨される運動も数多く紹介されています。

身体に負担をかけ過ぎない運動であれば、さまざま種類の運動から選ぶことができるので、自分の好きなマタニティトレーニングを選んでもらえればと思います。

有酸素運動
– ウォーキング
– スイミング
– 軽度のエアロビクス
– ステーショナリーバイク

トレーニング
– 軽量のダンベルなど
– 自体重での運動

柔軟性運動
– ストレッチ

神経的運動
– ヨガ

自宅ですぐにできるマタニティトレーニング

いきなりどこかのジムに通うよりも、まずは自宅でできる運動を知りたい方も多いと思います。

そのような方のために、特別な道具を使わずにできる妊婦向けのトレーニングを2つ紹介します。

ブリッジ

1つ目のエクササイズはブリッジです。

両膝を曲げた状態で仰向けになり、足と肩を支点にお尻を持ち上げます。お尻を締めながら上げることで、妊婦に重要な骨盤底筋群を鍛えることができます。

10回 × 3セット
※長時間仰向けにならないように、1セットごとに横向きで休憩しましょう

ベアポジション

2つ目はベアポジションというエクササイズです。

四つん這いの姿勢から、手と足を支点に膝を浮かせます。お腹とお尻に力を入れることで、腹筋と骨盤底筋群に効果的な筋トレです。

3秒間キープ × 10回 × 3セット

Lifelongのマタニティトレーニング

神戸三宮のLifelongで行っているマタニティトレーニングは、一人一人の身体に合わせてメニューをオーダーメイドで作成いたします。

それぞれの身体の状態を細かくチェックし、妊娠周期、体格、身体の特徴に合わせて無理なく安全に取り組めるエクササイズを選んで運動指導させていただきます。

肩こりに関するヒアリングを受ける女性患者

ヒアリング

  • 妊娠周期
  • 身体の状態
  • 身体の悩み

まずは妊娠周期と身体の状態を確認します。

お腹の大きさによってできる運動とできない運動がありますので、無理なく安全に取り組めるマタニティトレーニングを選びます。

肩こりや腰痛など、妊婦特有の痛みがある場合は、運動療法を組み合わせて痛みの改善も同時に行います。

ストレッチを受ける妊婦

身体のチェック

  • 関節の可動域
  • 筋肉の張り
  • 筋力チェック

次に身体の状態を確認します。関節の可動域や筋肉の強さ、柔らかをチェックし、身体に合わせたトレーニングメニューを作成します。

妊娠周期が経過するにつれてお腹が大きくなり、少しづつ動き回るのが大変になります。妊娠後期に向けて筋力を落とさないように鍛えることも、マタニティトレーニングで大切な要素です。

運動指導を受ける妊婦

トレーニング指導

  • 安全で正しい動き方の習得
  • 胎児に負担のかからない姿勢の指導
  • 妊婦が運動するときの注意点

身体の状態に合わせたエクササイズを選び、パーソナルトレーニングで丁寧に運動指導をします。

胎児の健康と安全を第一に、負担をかけずに効果的な運動方法をお教えします。

自宅でトレーニングする妊娠女性

自宅用トレーニング紹介

  • 自宅で行えるトレーニングの指導

毎日筋トレをする必要はありませんが、ストレッチなどを家でも行うことが健康的な身体づくりにおいて大切です。

自宅でも安全に行える簡単なエクササイズをご希望に応じてお教えします。

マタニティトレーニングのポイント

Lifelongのマタニティトレーニングで大切なポイントをまとめます。

  • 理学療法士による安全なトレーニング指導
  • 一人一人の身体に合わせたオーダーメイドメニュー
  • 国際的なガイドラインに沿った妊婦専用トレーニング

神戸三宮でマタニティトレーニングを受けませんか?

神戸三宮のLifelongでは、実績のある理学療法士によるマタニティトレーニングを受けることができます。

  •   実績ある理学療法士に運動指導してほしい
  •   妊婦に詳しい人のトレーニングがいい
  •   妊婦向けのガイドラインに沿った運動をしたい
  •   身体の痛みも一緒に治したい
  •   駅近でアクセスのいい場所で運動したい

このような希望をお持ちの方は、ぜひLifelongへご相談ください。

医療従事者である理学療法士が、最新の医学論文から得た知識を活かして一人一人の妊婦さんに安全なトレーニング指導を行います。

女性利用者が全体の85%もいる、女性に人気のフィットネスジムなので安心してご利用いただけます。

実績あるトレーナー

Lifelongにはヨーロッパで理学療法を学び、国内外のプロスポーツや東京オリンピックで活躍したトレーナーや、有名スポーツ整形外科でリハビリを学んだ実績のあるトレーナーが所属しています。

海外で学んだ理学療法士や、病院でリハビリを学んだ理学療法士など、ご自身の希望するトレーナーを指名してリハビリ指導を受けることができるのが当店の特徴です。

神戸の数ある治療院を探しても、自分が希望する理学療法士から直接運動指導を受けられるのは当店だけです。

トレーナー紹介

Lifelongのサービス

ぜひLifelongのオーダーメイドトレーニングで、妊娠中の健康維持と出産に向けた体力作りに取り組んでください。

まずはご気軽に、無料体験からご相談ください。

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