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Case Study 症状別事例

2024.04.04

投球障害

トミージョン手術とはどんな手術なのか

執筆大澤 亮(理学療法士)

有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。

野球のピッチャーが肘の手術をする際によく耳にするトミージョン手術ですが、名前は聞いたことがあるけど実際どんな手術なのでしょう。

最近ではメジャーリーガーの大谷選手も2023年にこの手術をして話題になりました。

このページではトミージョン手術について詳しく紹介していきます。

記事の内容
  1. トミージョン手術とはどんな手術か知りたい
  2. トミージョン手術後の競技復帰率を知りたい
  3. トミージョン手術後のリハビリの進め方を知りたい

野球選手にとって肘の痛みは最も多い怪我の一つで悩まれている方も多いと思います。

いくら安静にしても痛みが引かない方や靭帯損傷が大きい方に対してトミージョン手術が選択されることがあります。

トミージョン手術は年々増えてきてはいますが、全体的な症例数はまだ多いとは言えません。

この記事ではトミージョン手術について詳しく紹介していきますので気になる方は是非ご覧ください。

トミージョン手術とは

トミージョン手術とは1974年にアメリカの整形外科医であるフランク・ジョーブによってメジャーリーグのピッチャーである“Tommy John”に対して初めて行われた手術の名前からトミージョン手術と呼ばれるようになりました。

日本でも多くのプロ野球選手がトミージョン手術を行ってきました。

トミージョン手術をした日本人選手

日本人でトミージョン手術を行った選手を紹介します。

  • 藤川球児選手
  • 和田毅選手
  • ダルビッシュ有選手
  • 大谷翔平選手
  • 前田健太選手

他にも日本のプロ野球選手だけでも約200人の選手がトミージョン手術をしています。

トミージョン手術とは内側側副靭帯再建術という手術のことを指します。

肘の内側側副靭帯損傷に対してリハビリや投球中止しても効果がなく、手術以外の選択肢がない人や早期に復帰を目指す選手に対して選択されることがあります。

肘の内側側副靭帯損傷について詳しく知りたい方はこちらの記事で紹介しているので是非ご覧ください。

トミージョン手術とは損傷した内側側副靭帯の代わりに腕の腱や大腿部の腱などを靭帯の代わりとして肘に再建する手術です。

トミージョン手術では再建靭帯を固定するために骨に穴をあけて再建する靭帯を固定します。

トミージョン手術では一般的に90%を超える割合で競技復帰が可能というデータが出ています。

トミージョン手術後のリハビリ

トミージョン手術後のリハビリ期間は約8ヶ月程度かかるとされており競技復帰には10ヶ月~12ヶ月程度の時間がかかるとされています。

手術後のスケジュール例を時系列に沿って紹介していきます。

手術後~1ヶ月 安静期間

ギプス固定

1ヶ月~3か月 この期間で可動域は左右差がない状態にする

ギプスは除去されるが重い荷物を持つこと、手をつくことは不可

可動域訓練は自動運動のみ許可。

または、理学療法士やトレーナーによる可動域訓練を許可

6週目から肩や腕の限定した動作のトレーニングを徐々に行う

4ヶ月~ネットスロー

ネットに向けて軽く投球の開始

5ヶ月~キャッチボール

対人で短い距離のキャッチボールの開始

7ヶ月~立ち投げ

キャッチャーを立たせてブルペンでの投球開始

8ヶ月~ピッチング開始

キャッチャーを座らせての投球を開始

 

このようなスケジュールで手術後のリハビリは行われます。

※手術方法や医師の判断によってスケジュールは変わります。

再建した靭帯が定着するまで時間がかかるためリハビリには必ず時間がかかり、約1シーズン競技復帰はできないとされています。

トミージョン手術をすると球速が速くなる?

トミージョン手術をすると球速が速くなるという事を聞くことがあります。

トミージョン手術をして靭帯の緩みがなくなっただけでは球速が上がることはありません。

しかし、実際に復帰したプロ野球選手が手術前よりも球速が速くなっていることがあります。

これはリハビリ期間中にトレーニングをしたことで筋力が強化されたことによって球速が上がったという考え方が正しいです。

手術後のリハビリやトレーニングによって球速が上がることはあるかもしれませんが手術をするだけで球速が上がることはありません。

重要なのは手術後のリハビリ期間に肘以外の部分の強化、柔軟性の向上、フォームの改善をすることです。

1年という長い時間を無駄にすることなくリハビリすることが競技復帰し、パフォーマンスの向上、再受傷の予防には大切です。

また、トミージョン手術は全国的にみても症例数の多い手術とは言えないため信頼できるドクター、理学療法士、トレーナーを選択して治療することが大切です。

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