2024.03.05
投球障害
投球障害
執筆大澤 亮(理学療法士)
有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。
近年投手で1試合を完投する投手は少なくなっています。
このような変化の背景には怪我のリスクを下げることが大きく関係しています。
投球数と投球障害の関係が明らかになったため投手は役割が分担され一試合で投げる投球数が少なくなりました。
それでも投球動作時に肩や肘、腰などに痛みが出るという悩みを抱えている方は多いと思います。
このページでは神戸三宮で活動する理学療法士が、投球障害に関するこのようなお悩みを解決するための情報を紹介しています。
記事の内容
- 投球障害に関する最新情報を知りたい
- 投球障害を治す方法を知りたい
- 投球障害の予防方法を知りたい
ボールを投げると肩や肘が痛い、投球中止したけどまた同じ部位が痛くなったという方がよく相談に来られます。
投球障害での繰り返す痛みの原因は投球フォーム不良、体の柔軟性不足などによる繰り返すストレスを取り除けないからです。
では、投球障害とは何なのか、投球障害にならないためにはどのようにすればいいのか。
この記事をご覧いただき、投球障害についての理解を深め、少しでもご自身の症状改善にお役立てください。
投球障害とは
ボールを投げるという動作を繰り返し行うことで体に負担がかかり発症する怪我の総称のことを言います。
大半は肩甲骨を含む上肢(肩・肘)に見られることが多いです。
投球障害は特に小学生高学年ぐらいで症状が現れ始めることが多いです。
成長期の子供の関節には成長軟骨というものが存在しており成人よりも脆弱な骨になっています。脆弱な骨に対して繰り返し投球動作を行うことで障害が引き起こされて投球障害となります。
投球障害の種類
- 上腕骨内側上顆障害
- 離断性骨軟骨炎
- 肘頭骨端線離開
- リトルリーガーズショルダー
- 肩峰下インピンジメント症候群
これらの疾患は肩、肘のよく見られる投球障害です。
他にも背骨の腰の部分に当たる腰椎が障害される分離症やヘルニアなども見られます。
投球障害の原因
投球障害を引き起こす原因は大きく分けると2つあります。
- オーバーユース
- 投球フォーム
投球による体への負荷は(投球数)×(1球投球毎の負荷)と考えられます。
オーバーユースによって投球数が増え、不良な投球フォームによって1球投球毎の負荷が増加します。
これらの原因によって投球障害が引き起こされます。
投球障害の予防
原因の2点を改善することで大きく怪我のリスクを下げることができます。
オーバーユース
実際どの程度なら投球していいのか、何歳で何球投げるといいのかなど、投げすぎはよくないと知っていても詳しくは知らない方も多いと思います。
近年研究によって年齢によって投球数と投球障害の関係性が大きいことがわかっています。
メジャーリーグでは年齢によって投球数を厳しく制限しています。
年齢 | 1日投球数の上限 |
7-8 | 50 |
9-10 | 75 |
11-12 | 85 |
13-14 | 95 |
15-16 | 95 |
17-18 | 105 |
19-22 | 120 |
参照 http://m.mlb.com/pitchsmart/pitching-guidelines
このように年齢によって細かく投球数は制限されています。
成長期の子供は同じ年齢でも成長速度は個人差があるため、指導者は子供の状態を把握しておく必要があります。
投球フォーム
投球フォームは細かく分けると7パートに分解することができます。
- ワインドアップ期
- 初期コッキング期
- 終期コッキング期
- 加速期
- 減速期
- フォロースルー期
ワインドアップ期
片足を挙げてバランスをとるところまで
初期コッキング期
片足を挙げた状態から、挙げている足が地面に着地するまで
終期コッキング期
地面に足がついてから肩関節の外旋が最大可動域に到達するまで。
加速期
肩関節最大外旋位から、ボールが手から離れる直前まで
減速期
ボールが手から離れてから肩関節の内旋が最大可動域に到達するまで
フォロースルー期
肩関節の最大内旋から、投球モーションの最後まで
このように動作を分解し、体に負担のかかるフォームで投球動作を行っていないかを確認することが大切です。
投球障害のセルフチェック
肘の異常は早期に発見し適切な処置をすることが大切になります。
チェック項目
- 肘の可動域に左右差はないか。
曲げ伸ばしをして左右同じだけ曲がるか、痛みや違和感はないか確認しましょう
- 肘の内側、外側に押さえて痛みはないか。
〇の場所を押さえて痛みがないか確認しましょう
- 腕をねじって左右で違和感や痛みがありか確認しましょう。
- 肩を押さえて痛みがないか確認しましょう。
- 小さく前ならえをしてその手を外に開いて肩に痛みがあるか確認しましょう。
これらの項目で1つでも違和感や痛みがある場合は投球を1週間程度休憩しましょう。
それでも痛みが取れない場合は専門の機関に相談しましょう。
投球障害の予防運動
投球障害を予防するために重要なことは肩、肘、股関節の柔軟性の低下、猫背の姿勢、下半身の筋力不足、不良な投球フォームが影響します。
予防のための運動を紹介します。
前腕ストレッチ
- 四つ這いになり手を逆手にする
- 体を後ろにそらし前腕を伸ばす
広背筋ストレッチ
- 膝を立てて台に肘を置く
- 両腕の間に頭を入れて下にもぐる
大胸筋ストレッチ
- 壁の横に立ち肩が90°になる位置で腕を置く
- 体を前に倒す
大殿筋ストレッチ
- 片方の足を曲げて体に近づけクロスするように反対足の膝を立てる
- 立てた膝を抱きかかえるように体に近づける
トランクローテーション
- 四つ這いになり片方の手を頭の上に置く
- 挙げている肘を天井に向けるように体を回す
キャット&ドッグ
- 四つ這いになり肩甲骨を内側に寄せる
- 背中を丸めて高く上げる
投球障害のまとめ
投球障害とは、繰り返す投球動作による肩や肘に負担がかかり発症する怪我です。
投球障害の症状
- 投球時の痛み
- 肩、肘の圧痛
- 可動域の低下
投球障害の原因
- オーバーユース
- 不良な投球フォーム
- 柔軟性の不足
- 筋力低下
投球障害の治療
- 投球フォーム改善
- 柔軟性の向上
- 筋力増強
投球障害の予防
- 投球フォーム改善
- 投球数の制限
- 適切な柔軟性の獲得
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根本治療が前提の治療方針
治療で痛みを改善するのは当然ですが、痛みの根本的な原因を治療することが大切です。
身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。
例えば投球障害の場合は、筋力を強化し、負担がかからない動き方を習得することで、再発予防まで取り組みます。
怪我を治療しても再発予防まで徹底しないことには、肩や肘を痛めてしまう可能性があります。
Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。
痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。
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