1. ホーム
  2. 症状別事例
  3. 足底筋膜炎
  4. 足底筋膜炎を改善するためにやってはいけないこと

Case Study 症状別事例

2024.08.26

足底筋膜炎

足底筋膜炎を改善するためにやってはいけないこと

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

a woman having footbath.

多くの足底筋膜炎に悩まれている方々を治療してきましたが、”何をしたら良くて、何をやってはいけないのか?”がわからないという意見をよく聞きます。

インターネットやSNSで簡単に治療法が調べられるのはいいですが、情報が多過ぎて何が正解かわからないというのが大きな問題です。

このページでは、海外で学んだ理学療法士が足底筋膜炎を悪化させてしまう、やってはいけないことを紹介していきます。

足底筋膜炎を治すつもりが悪化させてしまった、とならないように、ぜひ最後まで読んでください。

足底筋膜炎の特徴

まず初めに、足底筋膜炎に対してやっていいこととやってはいけないことがある理由を説明します。

それは、足底筋膜炎の痛みが出るときに、足底筋膜の状態が以下の2パターンに分かれるからです。

  1. 足底筋膜が損傷して炎症が起こっている
  2. 足底筋膜が硬くなって拘縮している

一方は炎症が主な問題で、もう一方は硬さが問題となります。

それぞれの状態に対しては、全く逆の治療方法が有効とされているのが大事なポイントです。

illustration of plantar fasciitis

足底筋膜に炎症が起こっている場合、炎症を抑えることが治療の目的です。

そのためアイシングや足底筋膜を動かし過ぎないことが大切です。

一方で、足底筋膜が硬くなっている場合は、その硬さを取り除かなければいけません。

なので足底を温めたり、運動によって筋膜を伸び縮みさせる必要があります。

もうお分かりだと思いますが、足底筋膜の状態によって効果的な治療法が全く逆になってしまうため、正しい治療を選択しなければ悪化させてしまう可能性があります。

もし自分の足底筋膜がどのような状態か自信がないときは、迷わず医療従事者にアドバイスを求めることが大切です。

足底筋膜炎でやってはいけないこと

a man who is struggling with his plantar fasciitis on L sole is stretching his foot.

それでは実際に足底筋膜炎に対してやってはいけないことを解説していきます。

無意識にやってしまっていることはないか、一度確認してみてください。

アイシングと温め

先ほども説明しましたが、アイシングと温熱は全く逆の効果があります。

足底筋膜の状態が明確にわかっている状態ならどちらか一方が効果的な治療となりますが、自分の状態がよくわからないときはどちらもやらない方が安全です。

強度の高い運動

足底筋膜炎の症状が出ているときは、足底に負担のかかり過ぎる運動を行うのはやめておきましょう。

過度な負荷をかければかけるほど、足底筋膜炎は悪化してしまいます。

足底への衝撃

運動強度だけでなく、運動の種類も気をつける必要があります。

特に足の裏に強い衝撃がかかる運動はやってはいけません。

具体的には、ジャンプ、ダッシュ、ストップ、そして切り返し動作などです。

足底に強い力が加わると、足底筋膜が損傷してしまうので気をつけましょう。

完全な休養

前述した過度な運動とは真逆ですが、完全に休んで足底の筋肉を全く動かさないのも良くないです。

足裏の内在筋という筋肉を動かさないと足底筋膜は硬くなってしまい、より機能しなくなってしまいます。

ポイントとしては痛みが出ない強度で動かすことです。

痛みのない範囲で足底のストレッチや筋トレを続けるようにしましょう。

痛み止め

痛み止めを飲むと一時的に痛みを感じなくなりますが、足底筋膜炎自体は治りません。

痛みを感じないように誤魔化しているだけなので、やらないようにしましょう。

足底筋膜炎の痛みを痛み止めで隠してスポーツなどをしてしまうと、痛みに気づかないうちに状態を悪化させてしまう恐れがあります。

痛みは足底筋膜に負荷がかかっているかのサインにもなるので、痛み止めで隠さないことが大切です。

足に合わない靴を履く

a couple is wearing shoes

足底筋膜炎を改善する上で靴選びは重要です。

靴のサイズが合っていなかったり、靴底の形状やヒールの高さによっては、足底筋膜に負担をかけてしまいます。

靴だけでなくインソールも人それぞれ合う合わないがありますので、自分の足に合ったものを選びましょう。

増量

体重が増えると、自然と足底への負担が増えてしまいます。

片足立ちになるたびに、自分の全体重が足底筋膜にかかると考えればわかりやすいと思います。

歩く度に自分の体重分の負荷が足底にはかかるので、体重が重ければ重いほど足底筋膜を痛めやすくなってしまいます。

まとめ

足底筋膜炎を治すためにいろいろ試してみても、実際は良くするどころか悪化させている可能性もあります。

足底筋膜に負担をかけるような、やってはいけないことをできるだけ避けて、改善を目指してもらいたいと思います。

足底筋膜炎の改善には、自分の足底筋膜がどのような状態になっているかを理解することが最初の一歩です。

ネットやSNSの情報を鵜呑みにせず、自分の足に合った治療法を見つけましょう。

足底筋膜炎のリハビリについてはこちらにまとめてあります。
>> 足底筋膜炎のリハビリテーション

足底筋膜炎に関してより詳しい情報を知りたい方はこちらをご覧ください。

Join Us 無料体験申込