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Case Study 症状別事例

2024.08.24

足底筋膜炎

足底筋膜炎になる12個の原因

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

a woman checking her plantar fasciitis pain on her sole.

足の裏が痛くなる足底筋膜炎(足底腱膜炎)

具体的な原因は不明と言われていますが、実際に足底筋膜炎の原因になると考えられている要因は10個以上あります。

このページでは、足底筋膜炎の原因となる可能性を総括的に紹介しています。

足底筋膜炎を改善するためには、その原因を見つけることが非常に重要です。

なかなか治らない足底筋膜炎にお悩みの方は、この原因の中で自分の身体に同じような特徴が見られないか確認してみましょう。

一人でも多くの足底筋膜炎でお困りの方のお役に立てれば嬉しいです。

足底筋膜炎(足底腱膜炎)の原因

illustration of plantar fasciitis

足底筋膜炎の明らかな原因というのは、まだ解明されていません。

というのも、非常に多くの原因、要因によって足底筋膜炎になってしまうので、これが1番の原因と断定することが難しいのだと思います。

足底筋膜炎になり得る原因を以下にまとめましたので、どれか自分の身体の特徴を合うものがないかチェックしてみてください。

扁平足

足底筋膜炎の原因で最も多いと思われるのは平足です。

フラットフィート(Flat feet)とも呼ばれるように、足底の土踏まずが下がってしまうことを言います。

足底には内側アーチ、外側アーチ、そして横アーチという3つのアーチがあると考えられています。

illustration showing 3 types of arch on sole

この中の内側アーチが機能せずに、足が内側に倒れてしまうことで足底筋膜に負荷がかかり、足底筋膜炎になってしまいます。

ハイアーチ

ハイアーチは扁平足と逆で、内側アーチが高すぎることを言います。

生まれたときからハイアーチだった、という人が多いですが、アーチが高いと足底への負担は増えてしまいます。

特に走ったりジャンプしたときは、高いアーチのせいで接地時の衝撃を和らげにくくなります。

そのため、足底筋膜により大きな負荷がかかってしまいます。

足首の硬さ

足首が硬い人も足底への負担が増えてしまいますが、特に背屈と呼ばれるつま先をすねに向かって上げる動作が硬い人は注意が必要です。

背屈可動域の低い人が地面で足首を曲げようとすると、足首の前に詰まるような感覚を感じます。

この状態でさらに足首を曲げようとすると、足首と膝は内側に倒れてしまい、次に内側アーチがつぶれてしまいます。

すると足底筋膜の負担になってしまうので、足首の硬さも足底筋膜炎の原因となり得ます。

足趾の硬さ

足趾とは足の指のことを言います。

足底筋膜はかかとから足趾まで繋がっているので、足趾が硬いと足底筋膜が伸びなくなってしまい、硬くなってしまいます。

特に足底筋膜炎の人に多いのが、足趾の伸展という指を上げる動きの硬さです。

この動きが十分にできないと、足底筋膜が常に短縮した状態になり、固く弱くなってしまいます。

アキレス腱の硬さ

アキレス腱の硬さも足趾の硬さと似た考え方です。

踵骨というかかとの骨に、アキレス腱と足底筋膜のどちらも付着しています。

アキレス腱は踵骨の後面、足底筋膜は前面と、直接繋がっているわけではありませんが、アキレス腱が硬くなると踵骨が動きにくくなってしまいます。

足底筋膜の付着部である踵骨が動かなくなると、足底筋膜も伸び縮みしにくくなり、硬くなって傷みやすくなってしまいます。

内在筋の弱さ

足の骨の間にある小さい筋肉をまとめて足の内在筋と呼びます。

anatomical illustration of the intrinsic muscles of the foot

この内在筋は3つの足底アーチを維持するために重要な役割を果たします。

そのため、内在筋の筋力が落ちてしまうと足底アーチを保つことができずに、足底筋膜に負担がかかってしまいます。

こちらの記事で内在筋を鍛える効果に関する論文を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
>> 足の内在筋トレーニングで足のバランス力や筋力が向上

荷重位置

荷重というのは体重をかけることです。

両足立ちや片足立ちになったとき、理想的な足底への体重の掛け方は、体重を母指球、小指球(小指の付け根)、そしてかかとの3点で支えることです。

足底筋膜炎の人はいずれかの場所に体重をかけていることが多く、痛みを感じるものその部位であることがほとんどです。

例えば、つま先荷重、かかと荷重、内側荷重、外側荷重など、足底のどこか一箇所に必要以上の体重をかけてしまうと、その部位が足底筋膜炎になることがあります。

歩行フォーム

a woman is woking on a mountain

歩き方も足底筋膜炎の原因になりやすい要素です。

特に多いのは、足を地面についたときに内側アーチがつぶれてしまう人です。

運動学的に理想的な歩き方というのは以下の通りです。

  1. かとから地面に接地
  2. 足の外側に体重を乗せながら前に移動
  3. 体重を内側に移動させ、最後に母指球で地面を蹴り出す

足底筋膜炎になりやすい人は、この2番目が欠けていることが多いです。

足を地面についてからすぐに足の内側に体重を乗せてしまい、内側アーチがつぶれて足裏に負荷がかかってしまいます。

正しい歩き方というのを人に教わることは少ないので、無意識のうちに足底筋膜に負担のかかる歩き方をしてしまっているかもしれません。

足首の使い過ぎ

運動時に太ももや膝周りの大きな筋肉を上手に使うことができずに、足首を使いすぎることで足底に負担をかけていることもあります。

例えば、ブリッジというハムストリングスを使うトレーニングをしたときに、足の裏が攣りそうになってします人がいます。

膝と股関節を大きく動かす運動にも関わらず、足首を使い過ぎてしまうことで足底へ負担をかけているケースです。

ジャンプでも同じように膝と股関節をうまく使えず、足首を使って跳ぼうとする人もいます。

このような場合は身体の正しい使い方を覚え直し、動作自体を直すことが足底筋膜炎の改善につながります。

靴が合っていない

a couple is wearing shoes

これはよく聞く足底筋膜炎の原因だと思います。

足や足底の形と履いている靴の形が合っていないと、足に負担がかかってしまいます。

また、足底の痛みを軽減するためにインソールを入れてみたけど、痛みが強くなるということもよく聞きます。

これはつぶれやすい内側アーチを支えるためにアーチを支えるインソールを入れたものの、逆にインソールが硬過ぎて足底を圧迫している状態です。

靴やインソールはそれぞれ合う合わないがありますので、自分の足の特徴に合ったものを選ぶようにしましょう。

インソールと足底筋膜炎に関する情報はこちら
>> 足底筋膜炎にインソールは逆効果?理学療法士が解説

運動を始めたばかり

運動習慣のない人が運動を始めた直後は、足の裏に痛みを感じやすいです。

これは単純に身体が運動に慣れていないことや、運動不足によって足部内在筋が小さくなってしまい、足底の肉厚が薄くなって衝撃を受けやすくなっている可能性が高いです。

ただ、足底筋膜炎は慢性化しやすいので、痛みが続いたり一定期間痛みが消えない場合は医療機関に相談しましょう。

肥満

身体の大きい人はそれだけ足底にかかる体重が大きくなるので、足底筋膜炎になりやすいです。

普段歩いているときも、片足立ちになる度に全体重が足底にかかるとイメージするとわかりやすいと思います。

まとめ

今回の記事では足底筋膜炎の原因となるものを一挙に紹介しました。

足底筋膜炎になってしまう原因はどれか一つということもありますし、いくつかの原因が組み合わさって足裏に負担がかかることもあります。

足底筋膜炎の痛みがなかなか治らない方が、自分の原因だと思うものをこの記事から見つけ出し、少しでも症状が改善することを願っています。

足底筋膜炎についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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