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Case Study 症状別事例

2023.09.22

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

脊柱管狭窄症は腰痛のひとつで、背骨にある脊柱管という部分が狭くなり脊髄を圧迫することで、腰の痛みや足のしびれを引き起こします。

このページでは神戸三宮で活動する理学療法士が、このようなお悩みを解決するための最新情報をまとめています。

記事の内容
  1. 脊柱管狭窄症に関する最新情報を知りたい
  2. 脊柱管狭窄症の治し方を知りたい

脊柱管狭窄症は少しずつ進行する腰痛なので、正しい治療とリハビリを受けなければ悪化し、手術を受けなければならなくなることもあります。

診断を受けたらできるだけ早くリハビリを開始することが、脊柱管狭窄症の進行を止めるカギとなります。

この記事を読み終えると脊柱管狭窄症への理解が深まり、悪化を防ぐためには何が大切か?ということがわかるようになります。

脊柱管狭窄症に限らず、腰痛全般に関する情報はこちらにまとめてあります。

脊柱管狭窄症とは?

頸椎、胸椎、腰椎からなる背骨は、真ん中に神経の通り道になっている空洞があり、これを”脊柱管”と呼びます。

脊柱管の中央には脊髄と呼ばれる身体の中で最も重要な神経が通っていて、この脊髄を守るために脊柱管は筋肉や靭帯で囲まれています。

主に加齢が原因で骨が変形したり、脊柱管の靭帯が硬化してしまうことによって脊柱管が狭くなることがあります。

狭くなった脊柱管によって脊髄が圧迫され、痛みや痺れなどの症状が出る病気を”脊柱管狭窄症”といいます。

脊柱管狭窄症の特徴

脊柱管狭窄症にはこのような特徴が見られます。

頸椎と腰椎に多い

背骨は場所によって頸椎、胸椎、腰椎に分けられますが、脊柱管狭窄症になりやすいのは頸椎と腰椎と言われています。

特に腰の脊柱管狭窄症が最も多く見られ、「ただの腰痛かと思っていたら脊柱管狭窄症だった」ということが多いです。

具体的には第3腰椎から第5腰椎の間でよく見られます。

症状は様々、無症状も

脊柱管狭窄症と診断された人でも、人によって症状は様々です。

腰の痛みがある人、足に痺れがある人、痛みも痺れもある人、などそれぞれ感じる症状はバラバラで、中には自覚症状が全くない人もいます。

「いつもの腰痛かな?と思って病院で検査をしたら脊柱管狭窄症と診断された」という人もいるので気をつけてください。

脊柱管狭窄症の症状

脊柱管狭窄症でよく見られる症状は以下のとおりです。

腰痛

腰やお尻のあたりに痛みを感じることが多いです。

足の痛み

両足に痛みが出る人もいれば、片方の足だけに痛みが出る人もいます。

長時間立ちっぱなしでいると徐々に痛みが出ることがあります。

間欠性跛行(歩行時の痛み)

歩き始めてから少し経つと足に痛みを感じ、休むと痛みがなくなります。

しかし、また歩き始めると痛くなる、という症状を間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼びます。

これは脊柱管狭窄症によく見られる症状で、一度に長い距離を歩くことができなくなります。

痛みが出たときは、休憩のほかに身体を前屈みにすることでも痛みを和らげることができます。

足のしびれ

脊柱管狭窄症では足のしびれもよく見られます。

お尻から指先にかけてしびれる人もいれば、ふくらはぎだけというように一部分だけしびれを感じる人もいます。

しびれや感覚の低下は神経障害でよく起こる症状です。

足の筋力低下

脊髄が圧迫されることによって筋肉への神経伝達が悪くなることで、足の筋肉が上手に働かなくなります。

筋力の低下だけでなく、関節の動かしにくさを感じることもあります。

脊柱管狭窄症の原因

脊柱管狭窄症になってしまう原因は様々ですが、”脊柱管が狭くなる”という点が共通しています。

骨の変形

脊柱管狭窄症の原因で最も多いのは老化による骨の変形です。

特に50歳以上の人は脊柱管狭窄症になりやすいと言われています。

歳をとると関節の隙間が狭くなり、骨同士ばぶつかりやすくなってしまいます。

骨同士が当たり続けると、よくぶつかる部分に骨棘と呼ばれる骨が成長します。

骨棘が脊柱管の中にできてしまうと、脊柱管を狭めて脊髄を圧迫する原因となります。

骨棘の形成は、変形性関節症とも呼ばれます。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、椎間板と呼ばれる背骨のクッションの中にある髄核という組織が椎間板を飛び出してしまう病気です。

髄核はほとんどの場合で後ろに向かって飛び出しますが、これが脊髄に当たると脊柱管狭窄症になってしまいます。

靭帯の硬化

脊柱管の内側には黄色靭帯と呼ばれる靭帯が背骨と椎間板を支える役割を果たしています。

この黄色靭帯も加齢とともに少しずつ分厚くなり、脊柱管のスペースを狭めてしまいます。

腫瘍

脊柱管の内側に腫瘍ができると、腫瘍が脊髄を圧迫して脊柱管狭窄症になることがあります。

これは珍しい原因なのであまり見かけませんが、起こり得ることです。

脊柱管狭窄症が悪化すると

脊柱管狭窄症の症状が出始めてからも治療やリハビリをせずにいると、症状は少しずつ悪化してしまいます。

以下のような症状が見られる場合は重度の脊柱管狭窄症である可能性が高いので、医療機関に相談することをおすすめします。

無感覚

最初は足にしびれを感じていた人も、悪化するとしびれすら感じなくなります。

足を触っても触られている感覚すらなくなることもあります。

麻痺

これも足のしびれが悪化すると起こる症状ですが、しびれが進行して足が常に麻痺している状態になってしまいます。

最悪の場合は自分で関節を動かしたり、歩くことができなくなってしまいます。

バランス障害

足の筋力が低下しすぎると、次にバランス感覚が悪くなってしまいます。

片足でのバランスだけでなく、両足でも何かにつかまらないと立っていられない人もいます。

排泄障害

脊髄への圧迫が強くなると、神経障害も悪化してしまいます。

排泄を行うための筋肉も脊髄から神経が繋がっているので、脊柱管狭窄症の場所によっては排泄機能が失われることがあります。

脊柱管狭窄症の診断

脊柱管狭窄症を特定するためには、レントゲン検査やMRI検査が使われます。

それぞれ用途が異なるので、目的の違いを解説します。

レントゲン検査

レントゲン検査では骨の状態を確認することができます。腰椎に骨棘ができているなど、骨の異常があるかどうか調べることができます。

背骨の変形によって脊柱管が狭くなっていると判断されたら、脊柱管狭窄症と診断されます。

MRI検査

レントゲン検査と対照的に、MRI検査では椎間板や靭帯などの軟部組織も見ることができます。

椎間板ヘルニアや靭帯の硬化などが原因で脊柱管狭窄症になっているかを確認できます。

また、脊柱管の狭さや圧迫されている脊髄自体も見ることができるので、より正確に脊柱管狭窄症の診断を行うことができます。

脊柱管狭窄症の治療

脊柱管狭窄症は一人一人症状が異なるので、それぞれの状態に合わせた治療を行う必要があります。

痛みやしびれの場所、痛みの出る姿勢など、患者の症状に適した治療方法を選びましょう。

理学療法

脊柱管狭窄症の改善と悪化を防ぐためには理学療法が多く利用されています。

筋トレやストレッチを行い、脊柱管狭窄症が起こっている部位の負担を減らします。

具体的にはこのような目的があります。

  • 筋力強化
  • 柔軟性向上
  • バランス能力向上
筋力強化

筋肉を鍛えることで、脊柱管狭窄症によって負担のかかっている背骨を安定させることができます。

特に腹横筋と呼ばれる筋肉を鍛えることは重要です。

腹横筋は腹筋の中で最も深い場所にある筋肉で、この筋肉を上手く使えると腹圧が高まり、背骨が安定します。

また、脊柱管狭窄症の人は身体を後ろに反ると痛みが出ることが多いので、その場合は臀筋やハムストリングスといった身体の後面にある筋肉を鍛えると腰痛の軽減が期待できます。

柔軟性向上

腰回りの筋肉や関節が硬くなると、背骨への負担が大きくなってしまいます。

例えば、股関節の前面にある腸腰筋や大腿四頭筋が硬くなると、骨盤は前に傾いて腰を反った姿勢になります。

反り腰姿勢は脊柱管を圧迫する原因になるので、硬くなった筋肉をストレッチしすることで腰の負担を軽減することができます。

腰痛におすすめのストレッチはこちらの記事で紹介しています。
>> 腰痛解消に効果的!自宅で簡単ストレッチ14選!

バランス能力向上

脊柱管狭窄症によって脊髄が圧迫されると神経障害が出ることが多いですが、神経の伝達に問題が起こるとバランス感覚が低下しやすいです。

バランス能力が悪くなってしまうと、歩幅が狭くなり歩く速度が低下してしまいます。

片足立ちや重心の移動方法を練習することで、今までと変わりなく歩き続けることができます。

病院では脊柱管狭窄症の治療として薬を処方されることがありますが、根本的な解決にはなりません。

どうしても一時的に痛みを改善したいときには、医師に相談するようにしましょう。

手術

症状が悪化して日常生活にも影響が出るようになると、手術を行うことがあります。

脊髄を圧迫している骨棘や靭帯を切り取り、脊柱を安定させるボルトを入れるのが一般的な呪術方法です。

手術は治療の最終手段になるので、症状の悪化をできるだけ防ぐことが大切です。

脊柱管狭窄症の予防

脊柱管狭窄症にならないために、また再発してしまわないための予防方法を紹介します。

運動習慣をつける

習慣的な運動を行うことで、筋力や柔軟性の低下を防ぐことができます。

身体の筋肉が正しく機能することで腰は安定し、脊柱への負担を減らすことができます。

姿勢の改善

脊柱管狭窄症になりやすいのは反り腰の人です。

腰が大きく反った姿勢では、腰椎同士がぶつかってしまい骨棘ができる原因となってしまいます。

また、猫背や背中が丸まっている人はヘルニアになりやすく、ヘルニアが原因で脊柱管狭窄症になることがあります。

立っているときも座っているときも、腰の負担がかからない正しい姿勢でいることを心がけましょう。

肥満の解消

肥満の人は特にお腹周りに脂肪がつきやすいです。

お腹に脂肪が溜まることで腹部が前に倒れてしまうと、結果的に反り腰になって背骨を圧迫してしまいます。

適切な栄養管理と運動で、健康的な体型を維持しましょう。

腰回りの筋トレ

腰にある広背筋や腰方形筋を始め、背骨に近い部分にある腸腰筋や腹横筋を鍛えることで背骨の安定化が期待できます。

背骨が安定すると腰椎同士がぶつからなくなり、スムーズな前屈と後屈を行うことができます。

骨盤周囲筋のストレッチ

骨盤の前に付着している大腿四頭筋や、後ろについている大臀筋やハムストリングスが硬くなると、骨盤が傾いてしまいます。

腰回りだけでなく、骨盤周りの筋肉もストレッチで柔軟性が低下しないように気をつけましょう。

脊柱管狭窄症まとめ

脊柱管狭窄症とは、背骨の脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫される腰痛です。

脊柱管狭窄症の症状
  • 腰痛
  • 足の痛み
  • 間欠性跛行
  • 足のしびれ
  • 足の筋力低下
脊柱管狭窄症の原因
  • 骨の変形
  • 椎間板ヘルニア
  • 靭帯の硬化
  • 腫瘍
脊柱管狭窄症の治療
  • 理学療法
  • 筋トレ
  • ストレッチ
  • バランス改善
  • 手術
脊柱管狭窄症の予防
  • 習慣的な運動
  • 姿勢の改善
  • 肥満の解消
  • 筋トレ
  • ストレッチ

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トレーナー紹介

根本治療が前提の治療方針

治療で痛みを改善するのは当然ですが、みの根本的な原因を治療することが大切です。

身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。

例えば脊柱管狭窄症の場合は、姿勢不全や筋力不足によって背骨への負担が増えることが主な発症原因です。

痛みを治療しても、痛みの元となる原因を取り除かないことには怪我が再発してしまいます。

Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。

痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。

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Lifelongでは欧米で使用されている最先端治療を行なっています。海外の医学論文によって効果が実証された治療を行うことで、正しく効果的に怪我を治すことができます。

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