Case Study 症状別事例

変形性股関節症と診断され、日常生活で立ち上がる度に股関節が痛い、歩くと股関節が痛む、思ったように動けない、かばっているうちに他の箇所も痛くなってきた、病院に行くと手術をするように勧められたが手術はあまりしたくないという方も多いと思います。

このページでは神戸三宮で活動する理学療法士が、変形性股関節症に関するこのようなお悩みを解決するための情報を紹介しています。

病院には、手術を進められたけどまだ手術はせずに生活を続けたいという方がよく相談に来られます。

変形性股関節症では軟骨がすり減ってしまい、骨同士が当たることで痛みを出します。

病院で手術を進められるのは、すり減った軟骨は元通り回復することは難しいため人工股関節を選択されることが多いです。

しかし、運動やトレーニングをすることで進行を遅らせたり、痛みを少しでも軽減させることで1日でも長く自分の股関節で生活できる時間を増やすことが大切です。

この記事をご覧いただき、変形性股関節症についての理解を深め、少しでもご自身の症状改善にお役立てください。

変形性股関節症とは

股関節は寛骨臼（骨盤の受け皿となる部分）と大腿骨頭がかみ合って構成される関節です。関節の中には軟骨があり、何らかの原因で軟骨がすり減ってしまうことで股関節に痛みが生じます。これが変形性股関節症と呼ばれる状態です。

また、1度すり減ってしまった軟骨は元の軟骨に再生することは難しいため進行してしまった変形性股関節症に対しては人工股関節置換術が選択されることが多いです。

軟骨がすり減ってしまう原因は大きく分けて3つあります。

・ 加齢
・ 肥満
・ 遺伝

加齢

長年使用してきたことにより、摩擦や体重の負荷等により軟骨がすり減ってしまいます。特に女性は筋力が少ないため男性に比べて多く発症します。40~50歳で発症することが多いと言われています。

肥満

股関節は荷重関節として体重を支えるためにとても重要な関節です。上半身と下半身をつなぎ体の中心にあり体重の増加による影響は大きいです。

遺伝

遺伝要素として生まれつき股関節が脱臼していたり、股関節の寛骨臼の被る面積が少ない臼蓋形成不全の方などは変形性股関節症のリスクが大きくなると言われています。

変形性股関節症の症状

変形性股関節症には主に以下のような症状があります。

・ 痛み
・ 可動域低下
・ 筋力低下
・ 歩行障害

痛み

変形性股関節症では鼠径部周囲の痛みを訴える方が多いです。
特に起き上がりや立ち上がりでの痛さ、長い時間歩けない、しゃがみ込むことができない等の症状を訴えることが多いです。

可動域低下

痛みがあり動かさなくなることや、変形によって股関節が動かしにくくなります。

筋力低下

痛みがあると無意識に痛い足をかばったり、歩く距離が短くなり筋力が低下することがあります。

歩行障害

変形性股関節症では軟骨がすり減り痛みが出ますが、姿勢や関節の位置関係で痛みが出にくい姿勢があることが多いです。
痛みのない姿勢で生活や歩行を続けてると姿勢や歩行が正常に行えなくなることがあります。

変形性股関節症の検査方法

画像診断

変形性股関節症の診断にはレントゲン、MRI、CTなどの画像診断が重要になります。

画像診断を用いることで軟骨の摩耗具合も確認することができるため画像で確認することは重要です。

変形性股関節症は進行段階によって4つに分類されます。

1. 前期
2. 初期
3. 進行期
4. 末期

① 前期

骨の変形のみで軟骨がすり減っていない状態

② 初期

関節の隙間が狭くなってきてる状態

③ 進行期

軟骨がすり減り関節周囲の異常な骨の出っ張り（骨棘）や骨の中の空洞（骨嚢胞）ができた状態

④ 末期

骨頭と臼蓋間の軟骨がすり減って全く消失した状態

進行する前に見つけることが重要となるので股関節に違和感を感じたら一度画像診断をしましょう。

変形性股関節症の治療方法（リハビリ方法）

保存療法

変形性股関節症の保存療法で重要なことは股関節にかかる負担をどれだけ減らせられるかという事です。

股関節の負担を減らすためには、以下の点に注意することが大切です。

• 体重管理
• 生活動作の改善
• 股関節周囲の筋力トレーニング

体重を支えるために重要な働きをする股関節は体重の増減による負荷の影響を大きく受けます。負担を軽減するためには体重を減らす必要があるかもしれません。

同じ姿勢を長時間とっている、立ったままの作業を長時間行う等、股関節に負担のかかる生活をしている場合は負担を軽減するように生活を変える必要があるかもしれません。

股関節周囲の筋肉量が低下することで股関節を安定させることができず不安定な状態になることで変形を進行させることもあるため筋力トレーニングをすることも重要です。

※　運動をする際は痛みに注意して行ってください。

痛みを我慢して行うと軟骨の損傷を悪化させてしまう可能性があります。

無理な運動は避け、不安な方は専門家の指導の下、運動することを推奨します。

手術療法

保存療法では痛みが取れない、画像診断で進行期~末期の状態で関節の隙間がなくなるほどの変形をしている方に適応されます。

手術では人工骨股関節置換術が行われることが多いです。

この手術では自分の軟骨を人工のものに置き換えることで痛みをとるという手術です。

人工股関節全置換術については下記ページに詳しく書いてあるので参照してみてください

変形性股関節症のまとめ

変形性股関節症とは、加齢や股関節の形状的問題により軟骨がすり減り痛みが発症する疾患です。

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根本治療が前提の治療方針

治療で痛みを改善するのは当然ですが、痛みの根本的な原因を治療することが大切です。

身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。

例えば変形性股関節症の場合は、筋力を強化し、負担がかからない動き方を習得することで、進行予防まで取り組みます。

関節軟骨は時間の経過とともに少しずつ擦り減ってしまうので、1日でも早く軟骨への負担を軽減することが症状の悪化を防ぐことにもつながります。

Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。

痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。

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