2026.10.22
変形性股関節症
変形性股関節症の原因は?早期の対応で症状の進行を予防しよう!
執筆児玉 紗椰(アスレティックトレーナー)
高齢者への運動指導と学生アスリートのリハビリ現場で活躍。運動経験の少ない方や苦手な方が無理なく自分のペースで運動できるように、温かい指導を行う。

変形性股関節症はさまざまな要因によって股関節の軟骨がすり減り、痛みや動かしにくさが生じる疾患です。
症状が進行すると、歩行や階段の昇り降りなど日常生活にも影響することもあります。
今回は変形性股関節症の原因について詳しく解説していきます。
変形性股関節症とは
変形性股関節症とは、股関節の軟骨がすり減ることで、関節に痛みや動かしにくさが生じる疾患です。

股関節は太ももの骨の先端にある「大腿骨頭」が骨盤のくぼみである「寛骨臼」にはまりこんでできており、球関節といわれています。
大腿骨頭が深いお椀型の寛骨臼にしっかりとはまり動くことで、足を前後に振る、外に開く、回すなどいろんな方向に動かすことができます。
骨の表面は軟骨で覆われており、その軟骨が衝撃を吸収してくれたり、骨と骨が直接こすれあったりするのを防いでくれているおかげで股関節をスムーズに動かすことができます。
しかし、変形性股関節症になるとこの軟骨がすり減ってしまい、骨同士がこすれあい、痛みや変形を引き起こしてしまいます。
では軟骨がすり減ってしまう原因とはなんなのでしょうか。
変形性股関節症の原因
変形性股関節になる原因は大きく二つに分けることができます。
一次性変形性股関節症
一次性変形性股関節症とは明らかな基礎疾患や原因がなく、加齢、使いすぎ、体重増加などによって関節がすり減り、発症します。
日本ではこの後説明する二次性変形性股関節症の方が多いと言われていますが、近年では高齢化に伴い明らかな原因がなくても年齢とともに発症してくることもあると言われています。
二次性変形性股関節症
二次性の変形性股関節症は原因がはっきりしているものを指します。
生まれつき股関節の寛骨臼が浅く大腿骨頭を十分に覆えていない臼蓋形成不全や、生まれつき股関節が外れやすい先天性股関節脱臼の後遺症が主な原因で、股関節症の全体の80%と言われています。
他にも過去の骨折や脱臼が原因でなることもあります。
変形性股関節症になりやすい人の特徴
変形性股関節症は先天的なものだけでなく、加齢や股関節への負担の蓄積によって発症する場合もあります。
発症リスクが高くなりやすい人の特徴について解説していきます。
女性
変形性股関節症は男性よりも女性に多いです。
女性は骨盤の形状や筋力の違いに加え、閉経後のホルモンバランスの変化による影響も関係すると考えられています。
肥満
体重が増えるとその分股関節にかかる負担も大きくなります。
歩行や階段の昇り降りなど日常生活で股関節にかかる負担も増え、軟骨がすり減りやすくなります。
体重をコントロールし股関節にかかる負担を少しでも軽減しましょう。
高齢者
加齢とともに軟骨はすり減りやすくなり、関節のクッション機能が低下します。
また年齢とともに股関節周囲の筋力も低下していくと、関節を支える力も弱くなり、股関節に負担もかかりやすくなります。
そのため股関節周囲の筋力トレーニングは変形性股関節の進行予防にとても大切です。
過去のスポーツ歴
サッカーやラグビーなど股関節に繰り返し負担のかかるスポーツを続けていた方は股関節への負担が蓄積し、軟骨がすり減りやすくなり、変形性股関節症になるリスクが高くなります。
股関節の脱臼や骨折
過去の脱臼や骨折によって関節の軟骨や靱帯が傷つくと、関節の安定性が低下し、股関節への負担が大きくなります。
また骨折によって関節の形が変化したり、周りの筋肉のバランスが崩れたりすると偏った負荷がかかり変形性股関節症になるリスクが高くなります。
進行を止めるには

変形性股関節症と診断された場合でも適切な運動療法や生活習慣の改善を行うことで症状の進行を抑えることが期待できます。
特に股関節を支えるための太ももやお尻の筋力は股関節への負担を軽減するためにはとても重要です。
他にも、水中での運動は水の浮力によって股関節への負担を軽減しながら身体を動かすことができるため、痛みがある方でも取り組みやすい運動になります。
痛みや症状に合わせて適切な運動を行い変形性股関節症の進行を予防しましょう!
変形性股関節症の方におすすめのストレッチ・トレーニングはこちらで紹介しています。
https://lifelong-conditioning.com/casestudies/hip-osteoarthritis-training/
早めの対処が変形性股関節症の進行を防ぐ!
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで痛みや動かしにくさが生じる疾患です。
加齢だけでなく、臼蓋形成不全や体重増加、股関節への負担の積み重ねなど、さまざまな要因が関係しています。
一度すり減った軟骨は元の状態に戻ることはありません。
そのため、早い段階から筋力トレーニングや体重管理、日常生活での股関節への負担を減らすことが大切です。
痛みや動かしにくさを感じた場合は我慢せず、早めに適切な治療やリハビリを行うことで、症状の進行を抑え、股関節の機能を維持することにつながります。
参考文献
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/hip_osteoarthritis.html
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