2022.07.29
足首の捻挫
足首を捻挫して激痛が!困っているときに今すぐできる対処法を紹介
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
スポーツや生活の中で足首を捻挫してしまうことがありますが、「捻挫にしては痛みが強いけど、これって大丈夫かな?」と不安になることもあると思います。
足首捻挫に慣れていたとしても、激痛を感じるようなときは重度の怪我や骨折の可能性もあります。
この記事では、捻挫をして足首に強い痛みがあるとき行うべき対処方法を紹介しています。
記事の内容
- 捻挫して激痛があるときはどこを痛めている?
- 足首の痛みへの対処方法は?
- 痛みが強いときは病院に行くべき?
ぜひ最期まで読んで、痛みが強い捻挫への対処方法を行ってください。
捻挫して激痛がするときはどこを痛めている?
足首を捻挫して激しい痛みがあるときは、重度の靭帯損傷と骨折の可能性が考えられます。
重度の靭帯損傷
関節をひねって靭帯が伸びたり痛めることを靭帯損傷といいます。
そして、靭帯損傷は靭帯の損傷程度によって3つの重症度に分けられます。
1度損傷
- 靭帯の軽度損傷
- 少し痛みと腫れ
- 関節の緩みはない
- 体重をかけることができる
- 完治まで1-3週間
2度損傷
- 靭帯の部分断裂
- 中程度の痛みと腫れ
- 関節の不安定性
- 体重をかけると痛い
- 完治まで3-6週間
3度損傷
- 靭帯の断裂
- 強い痛みと大きな腫れ
- 関節の不安定性
- 体重をかけることができない
- 完治まで数ヶ月
どの重症度の捻挫でも、怪我をした直後には強い痛みを感じるものです。
しかし、少し時間が経ったあとも激痛がある場合は、最も重症な3度損傷の捻挫かもしれません。
1度か2度の捻挫だと、時間が経つにつれて痛みが落ち着くことが多いので、痛みが長引く場合は靭帯の断裂を考えたほうがいいでしょう。
骨折
『ただの捻挫だと思っていたけど実は骨折していた』ということは珍しくありません。
足首を骨折をしているときは、体重をかけて歩くと激痛が走ります。
足首を捻挫したときに骨折を簡易的にチェックする方法として、オタワアンクルルールというものがあります。
道具もいらずにその場で行うことができるので、『骨折しているかもしれない』と思う人はぜひ試してみてください。
足首の激痛にはどう対処したらいい?
今現在、足首に強い痛みを感じている人は、まず捻挫の応急処置をしましょう。
正しい応急処置は、痛みを軽減するだけでなく怪我の治りも早めてくれます。
Protection(保護)
捻挫した直後で痛みが強い間は、足首に負担のかかる運動や行動を避けましょう。
足首を動かせば動かすほど、出血が起きて腫れが大きくなります。
痛めたばかりの靭帯はとても傷つきやすいので、注意が必要です。
Elevation(挙上)
捻挫した足首は、できるだけ心臓よりも高い位置に置くようにしましょう。
そうすることで足首へ血が届きにくくなるので、腫れの悪化を防ぐことができます。
さらに、重力によって足首の腫れを軽減させることも大きなポイントです。
Avoid Anti-inflammatories(痛み止めを飲まない)
抗炎症薬と呼ばれるタイプの痛み止めを服用すると、腫れを必要以上に減らしてしまいます。
腫れは傷んだ組織を修復するためにある程度は必要なので、薬で無理に抑え込まないようにしましょう。
Compression(圧迫)
捻挫した足首をバンテージや弾性包帯で軽く圧迫しましょう。
腫れは薬で抑えすぎてはいけませんが、適度な圧迫は必要以上の腫れを防いでくれます。
足首の激痛が続くときは病院に行くべき?
足首の痛みがなかなか改善せずに不安だと思う方は、病院に行って医師の診断を受けるのが最も安全です。
もし”仕事や生活が忙しすぎて病院に行く時間がとれない”という方も、以下の症状に何か一つでも当てはまれば、病院行くことをおすすめします。
- 歩くことができない
- 体重をかけると痛い
- 足首がパンパンに腫れている
- 激痛が3日以上良くならない
これらの症状が出たときは、重度の怪我や骨折の可能性があります。
先に紹介したオタワアンクルルールに当てはまる人も、同じく病院で検査を受けるべきです。
足首を捻挫したときに最も注意すべきは骨折の見逃しなので、痛みが強いときは無理に我慢しないで病院に行きましょう。
まとめ
- 捻挫して激痛を感じるときは、重度の靭帯損傷か骨折の可能性がある
- 足首を捻挫したら適切な応急処置を行う
- 強い痛みが続く場合は迷わず病院に行く
激痛を伴う捻挫は重症の可能性があります。
たかが捻挫を思わずに、正しい対応を心がけましょう。
足首捻挫についてもっと詳しく知りたい方はこちらのページが役に立ちます。
捻挫の痛みが落ち着き、リハビリを始めたいという場合はこの記事をご参考ください。
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