捻挫をしたときは筋トレをすることで、怪我の治りを早めることができます。
一昔前は捻挫をしたら安静にするように言われていましたが、最新の医学では適度に動かした方が腫れと痛みを軽減することがわかりました。
この記事では、足首を捻挫したときに筋トレをすべき理由の説明と、捻挫の改善に効果的な筋トレを5つ紹介しています。
足首の捻挫でお困りの方は、ぜひ適切な筋トレで早期回復を目指してください。
本記事は海外で理学療法を学んだプロのスポーツトレーナーが執筆しています。
このページの執筆者

中尾 優作 スポーツトレーナー/理学療法士
イギリスの大学、ベルギーの大学院で理学療法を学ぶ。国内外のプロスポーツクラブでトレーナーとして活動したのち、地元神戸でリハビリジム【ライフロング】を設立。トレーナー歴17年目。
主な活動場所
⚫︎ 欧州サッカークラブ
⚫︎ B.LEAGUE
⚫︎ 東京2020オリンピック
捻挫しても筋トレしていい?
一昔前だと『捻挫をしたときは痛みがなくなるまで安静に』と言われていましたが、現在のスポーツ医学では”痛みのない範囲で積極的に足首を動かすように”と言われています。
捻挫した足首を動かすと腫れが大きくなって悪化するのでは?と思う人もいるでしょうが、今は足首を動かした方が血流が上がり、腫れが早く治ると考えられています。
捻挫で傷ついた靭帯にも痛みのない強さで適度な刺激を与えることで、靭帯の修復を早める効果もあります。
ただし動かして痛みがある場合は、動かすのが早すぎるか、運動強度が強すぎるので無理はしないようにしましょう。
あくまで痛みのない範囲で動かすことが、捻挫をしているときの筋トレで重要です。
いつから筋トレしていい?
足首捻挫のリハビリは、捻挫したその日から開始すべきです。
なので、筋トレも捻挫したその日から始めるようにしましょう。
腫れや痛みが治るまで安静にする必要はありません。
痛みの感じない筋トレを行うことで、少しずつ腫れも痛みも引いていきます。
捻挫したときにやるべき筋トレ
それでは実際に足首を捻挫したときに効果的な筋トレを5種目紹介します。
壁押し
10回 x 3セット:1日3回

壁に足の裏をつけた状態で膝をついて座ります。
このまま壁を押し続けましょう。
足首を動かさずに筋肉を鍛えることができるので、捻挫直後でも行うことができるトレーニングです。
足首バンド
10回 x 4方向 x 3セット:1日2回
足の先にゴムバンドを巻き、前後左右に動かします。
足関節は背屈、底屈、内反、外反という4つの動気があり、それぞれの方向へと動かすエクササイズです。


カーフレイズ
かかとを上げてつま先立ちになるトレーニングです。
最初は床からは初めて、慣れてきたら階段や段で行いましょう。
かかとを浮かすことで負荷を上げ、より効果的な運動になります。
スクワット
筋トレの基礎となるスクワットも捻挫の筋トレで行いましょう。
足首の動きは大きくないですが、体重がかかる運動なので痛みの出ないように気をつけてください。
サイドランジ
横に足を一歩踏み出し、地面を蹴って戻る運動です。
足首に対して横方向の動きになるので、痛みが出なくなってから行うのが良いでしょう。
足首の捻挫に効果的な筋トレを5種目、足首への負担が少ない順番で紹介しました。
捻挫をしたときは最初の壁押しから始めるようにして、痛みを感じないようであれば次のトレーニングを追加するようにしてください。
捻挫したときに筋トレ以外でできることは?
足首を捻挫したときのリハビリでは、筋トレの他にも以下のようなメニューに取り組むことで早期回復につながります。
- 足首のストレッチ
- バランス能力の改善
足首のストレッチ
捻挫をすると痛みや腫れによって関節の可動域が低下してしまいます。
関節の動きが悪くなると周りの筋肉が硬くなりやすいので、ストレッチで柔軟性を保つようにしましょう。
足首の捻挫では特にアキレス腱のストレッチを忘れずに行いましょう。
アキレス腱のストレッチ
30秒 x 3セット:1日3回

捻挫した足首を1歩後ろに下げてアキレス腱をストレッチします
痛みのない範囲で足首の前面に体重をかけましょう。
バランス能力の改善
足首を捻挫すると、関節内にある”固有感覚受容器”と呼ばれる関節のセンサーが働きにくくなります。
固有感覚受容器が正常に機能しないとバランス感覚が低下してしまうので、足首のバランストレーニングを行うことは非常に大切です。
さらに、捻挫は繰り返しやすい怪我なので、バランス能力を改善することは捻挫の再発予防にも効果的です。
まずは床での片足立ちから始め、慣れてきたら目をつぶったり、バランスクッションの上で行うようにしましょう。
片足立ち
5秒保持 x 10回:1日2回

地面に片足で立ちバランスを取る、という非常にシンプルなリハビリです。
足首、膝、股関節を少しずつ曲げて行いましょう。
慣れてきたら目をつぶったり、柔らかい地面やタオルの上で行うと難易度を上げることができます。
足首捻挫のリハビリに関しては、こちらの記事によりわかりやすくまとめていますのでぜひ活用ください。
足首を捻挫したあとは、治療だけでなくリハビリを行うことがとても重要です。正しいリハビリを受けないと足関節がゆるくなってしまい、捻挫グセや後遺症が残りやすくなります。この記事ではプロのスポーツトレーナーが、足首を捻挫したときに[…]
まとめ
- 足首を捻挫したときは、筋トレが回復を早めてくれる
- 筋トレは捻挫をした日から痛みのない範囲で始める
- 足首の捻挫には、筋トレ以外もストレッチとバランストレーニングが効果的
足首を捻挫したときは痛みが出ないよう気をつけながら、筋トレを行うようにしましょう。
筋トレを行うことで足首の痛みや腫れが引き、捻挫を早く治すことができます。
足首の捻挫に関してより詳しく知りたい人は、こちらのページに情報をまとめてあります。
国内外で活躍するスポーツトレーナーが足首捻挫の原因から治療法まで丁寧に紹介。スポーツで最も発生率の高い怪我だからこそ、正しく治して再発を予防することが重要です。