
② 足首の痛みへの対処方法は?
③ 痛みが強いときは病院に行くべき?

イギリスの大学、ベルギーの大学院で理学療法を学ぶ。国内外のプロスポーツクラブでトレーナーとして活動したのち、地元神戸でリハビリジム【ライフロング】を設立。トレーナー歴17年目。
主な活動場所
⚫︎ 欧州サッカークラブ
⚫︎ B.LEAGUE
⚫︎ 東京2020オリンピック
捻挫して激痛がするときはどこを痛めている?
足首を捻挫して激しい痛みがあるときは、重度の靭帯損傷と骨折の可能性が考えられます。
重度の靭帯損傷
関節をひねって靭帯が伸びたり痛めることを靭帯損傷といいます。
そして、靭帯損傷は靭帯の損傷程度によって3つの重症度に分けられます。
- 靭帯の軽度損傷
- 少し痛みと腫れ
- 関節の緩みはない
- 体重をかけることができる
- 完治まで1-3週間
- 靭帯の部分断裂
- 中程度の痛みと腫れ
- 関節の不安定性
- 体重をかけると痛い
- 完治まで3-6週間
- 靭帯の断裂
- 強い痛みと大きな腫れ
- 関節の不安定性
- 体重をかけることができない
- 完治まで数ヶ月
どの重症度の捻挫でも、怪我をした直後には強い痛みを感じるものです。
しかし、少し時間が経ったあとも激痛がある場合は、最も重症な3度損傷の捻挫かもしれません。
1度か2度の捻挫だと、時間が経つにつれて痛みが落ち着くことが多いので、痛みが長引く場合は靭帯の断裂を考えたほうがいいでしょう。
骨折
『ただの捻挫だと思っていたけど実は骨折していた』ということは珍しくありません。
足首を骨折をしているときは、体重をかけて歩くと激痛が走ります。
足首を捻挫したときに骨折を簡易的にチェックする方法として、オタワアンクルルールというものがあります。
道具もいらずにその場で行うことができるので、『骨折しているかもしれない』と思う人はぜひ試してみてください。
オタワアンクルルール(Ottawa Ankle Rules)は、足首の痛みに対して”骨折の疑いがあってレントゲン検査を行う必要性があるか?”を調べるための方法です。足部を怪我したときに、その場で道具も必要なく、簡易的な骨折の[…]
足首の激痛にはどう対処したらいい?
今現在、足首に強い痛みを感じている人は、まず捻挫の応急処置をしましょう。
正しい応急処置は、痛みを軽減するだけでなく怪我の治りも早めてくれます。
Protection(保護)
捻挫した直後で痛みが強い間は、足首に負担のかかる運動や行動を避けましょう。
足首を動かせば動かすほど、出血が起きて腫れが大きくなります。
痛めたばかりの靭帯はとても傷つきやすいので、注意が必要です。
Elevation(挙上)
捻挫した足首は、できるだけ心臓よりも高い位置に置くようにしましょう。
そうすることで足首へ血が届きにくくなるので、腫れの悪化を防ぐことができます。
さらに、重力によって足首の腫れを軽減させることも大きなポイントです。
Avoid Anti-inflammatories(痛み止めを飲まない)
抗炎症薬と呼ばれるタイプの痛み止めを服用すると、腫れを必要以上に減らしてしまいます。
腫れは傷んだ組織を修復するためにある程度は必要なので、薬で無理に抑え込まないようにしましょう。
Compression(圧迫)
捻挫した足首をバンテージや弾性包帯で軽く圧迫しましょう。
腫れは薬で抑えすぎてはいけませんが、適度な圧迫は必要以上の腫れを防いでくれます。
足首の激痛が続くときは病院に行くべき?
足首の痛みがなかなか改善せずに不安だと思う方は、病院に行って医師の診断を受けるのが最も安全です。
もし”仕事や生活が忙しすぎて病院に行く時間がとれない”という方も、以下の症状に何か一つでも当てはまれば、病院行くことをおすすめします。
- 歩くことができない
- 体重をかけると痛い
- 足首がパンパンに腫れている
- 激痛が3日以上良くならない
これらの症状が出たときは、重度の怪我や骨折の可能性があります。
先に紹介したオタワアンクルルールに当てはまる人も、同じく病院で検査を受けるべきです。
足首を捻挫したときに最も注意すべきは骨折の見逃しなので、痛みが強いときは無理に我慢しないで病院に行きましょう。
まとめ
- 捻挫して激痛を感じるときは、重度の靭帯損傷か骨折の可能性がある
- 足首を捻挫したら適切な応急処置を行う
- 強い痛みが続く場合は迷わず病院に行く
激痛を伴う捻挫は重症の可能性があります。
たかが捻挫を思わずに、正しい対応を心がけましょう。
足首捻挫についてもっと詳しく知りたい方はこちらのページが役に立ちます。
捻挫の痛みが落ち着き、リハビリを始めたいという場合はこの記事をご参考ください。
足首を捻挫したあとは、治療だけでなくリハビリを行うことがとても重要です。正しいリハビリを受けないと足関節がゆるくなってしまい、捻挫グセや後遺症が残りやすくなります。この記事ではプロのスポーツトレーナーが、足首を捻挫したときに[…]