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Case Study 症状別事例

2021.04.24

オスグッド病

オスグッド病

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。専門は"病院で治らなかった身体の痛み"のリハビリ。

オスグッド病は若いスポーツ選手に多く見られる怪我で、膝下の骨(脛骨)の前面がボコっと出っ張り、ジャンプなどの動作をすると痛みを感じます。

以前は痛みが引くまで安静にするように言われる怪我でしたが、今は休むことなく改善する治療法が主流となっています。

オスグッドという珍しい病名の理由から原因、治療法まで紹介していきます。

オスグッド病とは

正確にはオスグッド・シュラッター病と言います。オスグッド医師とシュラッター医師が同じ症状の病気を別々に発表したため、それぞれの名前から病名を付けたそうです。

昔はオスグッド病を発症したら痛みが出ないように安静にし、スポーツは中止するのが良いとされてきましたが、現代医学ではスポーツを継続しながら痛みを減らす方法が主流です。

痛みの場所やジャンプで痛みが出るという点でジャンパー膝と似ていますが、見分け方としては、オスグッド病は脛の骨上に痛みが出て、ジャンパー膝は膝蓋骨(膝のお皿)の上か下の靭帯上に痛みが出ます。

サッカーやバスケなどジャンプ動作が多い競技で発症しやすいですが、陸上競技のように走る競技にも良く見られます。

オスグッド病の症状

視覚的にわかりやすい症状として脛の骨の正面にある脛骨粗面という場所が出っ張り、腫れて痛みが出ます。

特に足の細い子供だと一目で骨の隆起が確認できます。病院でレントゲン検査を受けると脛骨粗面が出っ張っているのが確認できます。

オスグッドシュラッター病患者のレントゲン写真
脛骨粗面が引っ張られて出っ張っている (Radiopaedia)

脛骨の盛り上がった場所は触ると痛みが出て、少し腫れている場合もあります。

痛みの出る動きは、走る、跳ぶ、ボールを蹴るなど膝を動かす運動が多いです。特にジャンプで痛みが出ることが多く、これはイーセントリック収縮という筋肉の収縮様式に理由があります。

オスグッド病の原因

オズグッド病の原因は成長期の柔らかい骨が大腿四頭筋の張力によって引っ張られてしまうことにあります。

大腿四頭筋は太ももの前面にあるとても大きな筋肉で、ダッシュやジャンプをするときに非常に大きな力を発揮します。

大腿四頭筋のイラスト

大腿四頭筋は骨盤から脛の脛骨粗面という場所まで伸びるとても長い筋肉で、収縮すると股関節を曲げ、膝関節を伸ばす働きがあります。

大腿四頭筋が収縮して膝を伸ばすときに、筋肉の付着部である脛骨粗面にはとても強く引っ張られる力がかかります。

この張力によって脛骨粗面が引っ張られ、骨が出っ張ってしまいます。

筋肉が働くと付着部を引っ張るのと同じように、筋肉が硬くなっても骨の付着部に張力がかかってしまいます。

小学校高学年から中高生の成長期には、身長が1年で10cm以上伸びることも珍しくありません。

人間の身体が成長するときに、筋肉よりも骨の成長の方が早いという特徴があります。

骨が先に伸びることによって、骨に付着している筋肉は引っ張られてしまいます。

成長期の骨の表面は脆く、形が変わりやすいため、脛骨粗面は引っ張られることによって出っ張ってしまいます。

オスグッド病の治療

冒頭でも説明しましたが、昔はオスグッド病になったら休養して痛みが引くまでスポーツなどの運動は控えるように言われていました。

しかし、現在では患部に対する治療で痛みを軽減しつつ、オスグッドの原因である筋肉の硬さと脛骨へのストレスを改善することで、スポーツを継続しながら治療するのが一般的です。

A systematic review on conservative treatment options for OSGOOD-Schlatter diseaseという論文を参考文献として治療法を紹介します。

ストレッチ

大腿四頭筋

オスグッドの治療で最も一般的な治療法は大腿四頭筋のストレッチです。

骨の成長速度に筋肉の成長が追いつかず、筋肉が伸ばされてしまう”というのが大きな原因の一つなので、ストレッチをすることで大腿四頭筋の柔軟性を高め、脛骨粗面への張力を軽減することができます。

大腿四頭筋のストレッチをするときに重要なことは、この筋肉は膝だけでなく股関節にも付着しているということです。

膝を伸ばす筋肉なので、膝を曲げることでストレッチすることができますが、同時に股関節を曲げる筋肉でもあるので、股関節も一緒に伸ばさなければストレッチの効果は弱まってしまいます。

膝は曲げて股関節は伸ばした状態で大腿四頭筋をストレッチしましょう。

ハムストリングス

大腿四頭筋のストレッチはオスグッド病の対策として非常に一般的ですが、大腿四頭筋の裏側、太ももの後面についているハムストリングスのストレッチも有効なことは、まだ広く知られていません。

大腿四頭筋が収縮すると膝は伸び、脛骨は前方に移動します。このときにハムストリングスが硬いと、ハムストリングスは脛骨を後方に引っ張ってしまい、より強い張力が脛骨粗面にかかってしまいます。

大腿四頭筋とハムストリングスがお互いに脛骨を前後に引っ張り合うような形になってしまうのです。

大腿四頭筋が抵抗なく働くためにも、ハムストリングスの柔軟性を高めることが重要になります。

筋力トレーニング

オスグッド病の痛みは筋肉が骨を引っ張ってしまうことが原因なので、筋トレをすると余計に痛みが強くなってしまうのでは?と思われるかもしれませんが、筋力の向上と痛みの出ない動き方を覚えることはとても効果的です。

筋トレと言っても重りを持って行うようなウエイトトレーニングでは痛みが増してしまうこともあります。

治療目的の筋トレで重要なことは、負荷をかけ過ぎずに痛みの出ない範囲で行うことです。

筋トレをすることで筋力が上がり、身体と動きをコントロールしやすくなります。

筋力が足りない状態でダッシュやジャンプをすると負担が大き過ぎて痛くなってしまうような場合でも、筋力が備わっていると身体にかかる負荷をうまくコントロールし、痛みを出さずに動くことが可能になります。

代表的なトレーニングとしては、スクワット、ランジ、パテラセッティングなどがありますが、どのエクササイズも正しいフォームで痛みの出ないように行うことが大切です。

アイシング

痛みの強いうちは、練習後にアイシングをすると効果的です。

アイシングには炎症を抑える効果があるので、特に運動後で血流が上がっている状態のときに、アイシングで素早く冷やすことで、腫れが大きくならないように防ぐことができます。

ただ、アイシングは痛みと炎症を抑える効果はありますが、根本的な治療にはならないので、痛みが出ないような身体づくりを並行することが大切です。

マッサージ

マッサージを受けることで筋肉の緊張が減り、痛みを軽減させることがあります。

マッサージもアイシングと同様に根本的な治療にはなりませんので、ストレッチや筋トレの補助として使うようにしてください。

痛み止めや湿布

痛み止めや湿布は炎症を抑える効果があるので、あまりに痛みが強いときには服用してもいいですが、あくまで対症療法になるのでおすすめできません

医師の判断に従ってもらうのが1番ですが、痛み止めで痛みを感じなくしてしまうと、オスグッドの状態が良くなったのか悪化したのかが判断しづらくなってしまいます。

オスグッド病の予防

オスグッドの症状に対して治療をするだけでなく、予防対策を取り入れることで症状の悪化を防ぎ、治りを早めることができます。

ウォームアップ

運動前のウォームアップを入念に行うことで、症状を抑えることができます。

ウォーミングアップによって身体をしっかり温めることで筋温が上昇し、筋肉の柔軟性が上がります。

ストレッチを行うことでさらに筋の伸張性が上がり、筋肉が柔らかい状態で運動を開始することができるので、症状が出にくくなります。

おすすめのウォーミングアップは、ダイナミックストレッチという身体を大きく動かしながら行うストレッチです。

座った状態でストレッチをしても筋温自体は上昇しづらいので、身体を温めながらストレッチもできるダイナミックストレッチをしてからスポーツを行うようにしましょう。

サポーター

「オスグッド サポーター」と調べると多くの膝用サポーターが出てきます。ほとんどが布製で細めのバンドですが、これを脛の前面の骨が盛り上がった部分に当てて装着します。

スポーツ中にサポーターが脛骨の前方移動を抑えてくれることによって、脛骨粗面への張力が減り、痛みが出にくくなります。とても手軽につけ外しできるので、サポーターで痛みを抑えることができる人は試していただければと思います。

スポーツ現場では急に痛みが出た場合に、サポーターの代用としてアンダーラップを使用することがあります。

痛みの出る脛骨粗面を中心に10周ほどアンダーラップを巻きます。そして巻いたテープをクルクルと巻いて脛骨粗面上に当てることで痛みを軽減することができます。

サポーターの方が付け外しが簡単で、繰り返し使用できるため便利ですが、すぐに手に入らないときの手段として使ってみてください。

サポーターは効果的な反面、オスグッドの根本的な解決にはならないので、身体のケアとエクササイズを同時に行うことが大切です。

まとめ

オスグッド病は若いアスリートに多く見られる怪我で、脛骨の前面が盛り上がり、ジャンプなどの動作で痛みを感じます。

原因として考えられることは、成長期に見られる骨と筋肉の成長速度の違いと、ジャンプなどの動きによって大腿四頭筋が頻繁に使われることで、付着部である脛骨を引っ張ってしまうことと考えられています。

筋肉をストレッチすることで伸張性を上げ、筋力トレーニングによって身体にかかる負担を軽減することで症状は改善していきます。

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Lifelongにはヨーロッパで理学療法を学び、国内外のプロスポーツや東京オリンピックで活躍したトレーナーや、有名スポーツ整形外科でリハビリを学んだ実績のあるトレーナーが所属しています。

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トレーナー紹介

根本治療が前提の治療方針

治療で痛みを改善するのは当然ですが、痛みの根本的な原因を治療することが大切です。身体の痛みは、どこか別の部位が原因で発生することがほとんどです。

例えばオスグッド病の場合は、痛みを軽減するだけでなく、膝に負担のかかる動き方の修正が大切です。

大腿四頭筋に頼るような膝を酷使する動き方を続けていたら、痛みが再発してしまう可能性も高いです。

Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。

怪我をするたびに治療を受けるのではなく、同じ怪我が再発しない身体を目指しましょう。

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