2024.11.07
肩関節唇断裂
肩関節唇断裂・損傷
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
肩関節唇断裂とは、肩関節の中にある関節唇と呼ばれる軟部組織が傷ついてしまう怪我です。
”肩関節唇断裂”もしくは“肩関節唇損傷”と診断されますが、どちらも同じ怪我を指します。
野球などボールを投げるスポーツや地面に腕を着いたとき、肩を脱臼した際に関節唇は断裂することがあります。
このページでは、神戸三宮で活動する理学療法士が、このようなお悩みを解決するための情報をまとめています。
- 肩関節唇断裂について詳しく知りたい
- 肩関節唇断裂の治療法とリハビリを知りたい
肩関節唇断裂は手術を受けるべきか、それとも手術を受けない保存療法で治療するかの判断がとても難しい怪我です。
この記事を読んで肩関節唇断裂について理解を深め、競技や生活レベルに合わせた最善の治療方法を選んでいただけばと思います。
肩関節唇とは
まず初めに、肩関節唇について簡単に説明します。
肩関節唇とは関節面についている軟部組織で、肩関節の安定性を保つ役割があります。
肩関節は正確には肩甲上腕関節と言い、肩甲骨と上腕骨から成る関節です。
肩甲骨の関節面は受け皿のような形状で、上腕骨の関節面は丸い球状をしています。
骨同士だけでは凸凹して関節が安定しませんが、関節唇があることで骨同士が密着し、関節の安定性が大きく向上します。
そのため、関節唇を断裂してしまうと、肩関節が緩んで不安定になってしまったり、動かす度にゴリゴリという音が鳴るようになってしまいます。
肩関節唇断裂とは
肩関節唇断裂とは言葉通り、肩関節唇が切れてしまったり、関節から剥がれてしまう怪我です。
関節唇の断裂は関節唇の前方、上方、そして後方と様々な場所で起こります。
投球動作で肩の使い過ぎや、脱臼や外傷が主な原因となります。
肩関節唇断裂の症状
肩関節唇を断裂すると、以下のような症状が見られます。
肩の痛み
肩関節内の組織が損傷してしまうので、肩を動かす度に痛みを感じてしまいます。
人によっては安静時にも痛みを感じることもあったり、夜間寝ているときにも痛みを感じることがあります。
肩の不安定性
関節唇は関節の安定性を保つための組織なので、これが損傷すると肩が緩く不安定に感じるようになります。
主な感覚としては、脱臼したときに見られるような”肩が抜けそうな感覚”だったり、肩を動かす度に”何かが引っ掛っている感覚”を感じることが多いです。
また、肩を動かしているときに、関節の中からゴリゴリ、パキッという音が聞こえる人もいます。
肩関節唇断裂の原因
肩の関節唇を痛める原因は主に使いすぎと外傷の2種類です。
肩のオーバーユース
野球などの投球競技で肩を使いすぎることによって、徐々に関節唇が傷つき、最終的に断裂するまで悪化することがあります。
これは単純に使いすぎて関節唇が摩耗することもあれば、投球フォームによって関節唇の1部分に負担がかかりすぎて痛んでしまうこともあります。
外傷
転んだ際に手をついた、肩から地面に倒れた、というように外的な力が肩にかかることで関節唇が断裂してしまうこともあります。
また、肩関節の脱臼や亜脱臼をしたときに、関節唇を同時に損傷してしまうこともあります。
肩関節唇断裂の治療
肩関節唇の治療方法は手術をするか、手術をせずに保存療法で治すかの2択になります。
保存療法
保存療法は手術を行わず、リハビリによって肩関節の安定性を改善する治療方法です。
怪我をした直後は痛みが落ち着くまで競技を休み、同時にリハビリによって肩関節周りの筋力を強化します。
肩関節の周りにはローテーターカフと呼ばれる4つの筋肉があり、この筋肉が肩関節の安定性に大きな影響を与えています。
肩関節唇のリハビリでは、このローテーターカフがしっかり機能するように鍛えることがとても重要です。
また、投球動作によって関節唇に負担がかかっている場合は、投球フォームの改善を行うことで、関節唇への負担を減らすこともできます。
手術を避けるために、まずは保存療法で改善を試みるのが一般的です。
関節唇断裂修復術
保存療法で改善しない人や、スポーツ選手は断裂した関節唇を縫合する”関節唇断裂修復術”と呼ばれる手術を受けることが多いです。
内視鏡という手術器具を使い、肩に小さな穴を開けて関節唇の縫合を行います。
肩関節唇断裂まとめ
肩関節唇断裂とは、肩関節内にある関節唇が損傷する怪我です。
肩関節唇断裂の症状
- 痛み
- 肩の不安定感
肩関節唇断裂の原因
- オーバーユース
- 脱臼・外傷
- 投球フォーム
肩関節唇断裂の治療
- ローテーターカフの強化
- 投球フォームの改善
- 関節唇断裂修復術
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治療で痛みを改善するのは当然ですが、痛みの根本的な原因を治療することが大切です。
身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。
例えば肩関節唇断裂の場合は、ローテーターカフを強化し、保存療法で肩関節の安定性改善を目指します。
できるだけ手術をせずに元の生活レベルや競技に戻ることが最優先の目標です。
Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。
痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。
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Lifelongでは欧米で使用されている最先端治療を行なっています。海外の医学論文によって効果が実証された治療を行うことで、正しく効果的に怪我を治すことができます。
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