2022.02.22
シンスプリント
シンスプリント
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
シンスプリントは若いスポーツ選手によく見られる下腿の怪我です。
このページでは神戸三宮で活動するスポーツトレーナーが、このようなお悩みを解決するための最新情報をまとめています。
記事の内容
- シンスプリントに関する最新情報を知りたい
- シンスプリントの治し方を知りたい
シンスプリントの治療では、運動フォームの修正や筋力強化など身体の根本的な問題点を改善しなければいけません。
マッサージや湿布で一時的に痛みを減らしたとしても、ほとんどの場合再発してしまいます。
プロのスポーツ現場で使われている最新情報で、シンスプリントを正しく治してください。
この記事を読み終えるとシンスプリントへの理解が深まり、治すためには何が大切か?ということがわかるようになります。ぜひ正しい知識を身に付けて、1日でも早い痛みの改善に役立ててください。
シンスプリントとは?
シンスプリントは脛(スネ)の内側や前面がに痛みが出るスポーツ障害です。シンスプリントの”シン”は脛の英語名”Shin”に由来しています。
度重なるダッシュやジャンプによって、下腿の筋肉や骨が損傷する慢性疾患で、”使い過ぎ”を表すオーバーユース症候群とも呼ばれます。
一般の人よりもスポーツをする人に多い怪我で、特に小学生から高校生の若いスポーツ選手に頻発する怪我です。練習量の調節やリハビリによって改善することがほとんどですが、重度の場合は手術を行うことも稀にあります。
シンスプリントの症状
シンスプリントに見られる症状は主に”痛み”と”腫れ”の2種類です。
痛み
シンスプリントで感じる痛みには以下のような特徴があります。
痛みの場所
最も多く痛みが発生する場所は脛の内側です。
下腿には脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)と呼ばれる2本の骨があります。
シンスプリントでは、このうち脛骨の内側中部あたりに痛みが出やすいです。
他にも脛骨の前面に痛みが出ることもあります。
痛む動作
シンスプリントになると、ダッシュやジャンプといった足に衝撃を与える動作で痛みを感じます。
逆に水泳や足に体重をかけない動作では痛みを感じることが少ないです。
シンスプリント痛の特徴
シンスプリントを発症している人が運動をすると、特徴的な痛みの感じ方をします。
運動前は痛みが少なく、運動開始直後は痛みを感じます。体が温まってくると痛みは無くなりますが、運動後に最も痛みが強くなります。
シンスプリントが重症化すると、常に痛みを感じるようになってしまいます。
腫れ
シンスプリントでは多くの場合、筋肉が損傷します。筋肉が傷つくと、周囲は炎症し腫れてしまいます。
痛みのない逆側の下腿と比べると、腫れているのがわかりやすいです。
シンスプリントの原因
シンスプリントになる原因は主に3つあり、さらにシンスプリントになりやすい要因も3つあります。
繰り返される衝撃
シンスプリントで最も多い原因は、下腿への繰り返される衝撃です。
人が片足で着地するときの衝撃は最大で体重の5倍にもなると言われています。
強い力が下腿にかかり続けることによって、筋肉や骨が少しづつ損傷してしまいます。
急な運動量の増加
運動量や練習強度が急に上がると、下腿への負荷が急激に増加します。
特に休み明けやシーズン開幕時など、身体の準備ができていないときは注意が必要です。
下腿の筋力が十分でないと、衝撃に耐えることができずに痛みが出やすいです。
不適切な運動フォーム
走り方、跳び方などで、下腿に負担のかかりやすい運動フォームの人はシンスプリントになりやすいです。
例えば、足首や股関節の可動域が低い人やスクワットで膝が内側に入りやすい人はシンスプリントになるリスクがあります。
斜面のランニング
俗に言う坂道ダッシュは平地と比べて下腿への衝撃が高いので、シンスプリントになる可能性が増加します。
特に下り坂のランニングは着地の衝撃がかなり高くなるので気をつけてください。
シンスプリントになりやすい人
これらの原因に加えて、シンスプリントになりやすい人の特徴があります。
運動初心者
運動習慣のない人が急に運動を始めると、シンスプリントになってしまうことがあります。
無理のない範囲で少しずつ運動量を増やすようにしましょう。
新入生
中学1年生や高校1年生のように、進学したての子供はシンスプリントになりやすいです。
進学によって今までの練習に比べて運動量が格段に上がることが多いためです。
扁平足・ハイアーチ
土踏まずが低い扁平足と、逆に高すぎるハイアーチという特徴を持っている人もシンスプリントになりやすいです。
足の裏が変形することで、着地の衝撃を上手く吸収できず、下腿への強い負担となってしまいます。
シンスプリントの検査方法
シンスプリントの検査には主に”触診”と”レントゲン検査”が使われます。
触診
痛みのある部分を直接触って確認し、痛みが下腿内側や下腿前面にあるときはシンスプリントが疑われます。
筋肉が骨に付着する部分に痛みがある場合は、シンスプリントの可能性が高いです。
レントゲン検査
シンスプリントの痛みは疲労骨折の痛みと非常によく似ています。この2つを区別するためにレントゲン検査が使われます。
レントゲンで脛骨に疲労骨折が見られなかった場合は、シンスプリントの可能性が高くなります。
シンスプリントの治療法
シンスプリントを改善するための治療法はとても多いです。重症の場合は手術も選択肢となりますが、まずは様々な治療法を試して痛みを抑え、手術は最終手段にすることをお勧めします。
休養・運動量の軽減
一昔前はシンスプリントになったら完全に休養するのが一般的でしたが、今は運動を続けながら治療するのが一般的です。
しかし、歩くのも痛いほど症状が悪化している場合は、一度しっかり休養を取るのが大切です。
軽度から中度の場合は、運動量を減らすことで下腿への衝撃を軽減し、治療しながら治すのが最善です。
運動フォームの改善
身体の使い方が悪くて下腿に負担がかかっている人は、動き方自体を修正しなければいけません。
下腿に負担のかからない運動フォームを習得しなければ、例えシンスプリントが一時的に良くなったとしてもほぼ確実に再発してしまいます。
筋力強化
下腿の筋肉を鍛えることで、着地の衝撃に耐えられる強い身体を手に入れることができます。
シンスプリントは下腿への衝撃で筋肉が損傷する怪我なので、筋肉自体を鍛えて損傷しにくくすることは非常に効果的です。
特にヒラメ筋や後脛骨筋という筋肉を鍛えましょう。
下腿のストレッチ
筋肉の柔軟性が低下していると、地面に着地したときの衝撃を吸収しにくくなり、身体への負荷は増加してしまいます。
シンスプリントで痛みが発生しやすいふくらはぎの筋肉は特に重点的にストレッチしましょう。
インソールの利用
靴の中敷きにインソールを入れることも効果的な対処法です。
インソールによって着地時の衝撃を軽減することで、シンスプリントで傷んでしまった筋肉への負担を和らげることができます。
テーピングで補助
テーピングでシンスプリントが治ることはありませんが、運動時の痛み軽減や悪化を予防することができます。
足底をサポートして下腿への衝撃を軽減したり、ふくらはぎの筋肉を支えるテーピングが効果的です。
痛み止め、湿布、マッサージ
これらの治療は全て対処療法なのでお勧めしません。
”一時的に痛みを軽減する”という効果はありますが、傷ついた筋肉を治したり、シンスプリントを改善する効果はないので注意してください。
手術
シンスプリントが重症化した場合は手術を受ける可能性があります。
筋膜切開と呼ばれる手術で、痛みの出ている筋肉を覆っている筋膜という組織を切る方法があります。
手術はあくまで最終手段と考え、できる限り他の治療法で症状を改善するのが最善です。
シンスプリントに限らず、怪我の治療で重要なのは、”痛み”ではなく”痛みの原因”を治療することです。“痛み”を軽減しても、”痛みの原因”を取り除かない限り再発を繰り返してしまうので、根本改善につながる正しい治療を受けるようにしましょう。
シンスプリントを休まずに改善するための方法については、こちらの記事で解説しています。
>> シンスプリントを走りながら治すことはできるのか?
シンスプリントの再発予防
シンスプリントは再発率が非常に高い怪我です。痛みが治った後も、しっかり予防を続けることが重要です。
適切な運動量
自分の運動レベルに合わせた運動量で練習することが大切です。運動量の調節では2つのポイントに気をつけましょう。
段階的に運動強度を上げる
いきなり激しい運動をするのではなく、少しずつ運動強度を上げて身体を作っていきましょう。
段階的に運動量を増やしていくことで、身体に無理な負担がかかることを防ぐことができます。
ジャンプ系メニューの調整
シンスプリントの原因となるダッシュやジャンプの量を調整することで、再発リスクを減らすことができます。
1回の練習中にジャンプをし過ぎないメニュー作りを心がけましょう。
自分の足に合った運動靴を選ぶ
運動靴が自分の足に合っていないと、着地の衝撃を上手く吸収することができません。
靴と足の間に隙間ができないように、自分の足に合った靴を履きましょう。
硬い地面を走らない
アスファルトなどの硬い地面ほど、身体への衝撃も強くなります。
シンスプリントの再発を防ぐためにも、グラウンドやタータンのような場所を走りましょう。
十分なウォーミングアップ
運動前にしっかりと身体を温めることで、筋肉の柔軟性と筋力が上がった状態で練習に参加することができます。
筋肉が上手く機能することで、着地の衝撃を吸収しやすくなります。
痛みを感じたら休憩する
シンスプリントは一度悪化すると治療に時間のかかる怪我です。
練習中に少しでも痛みや違和感を感じたら、迷わず練習を中断し、痛みが引いてから再開しましょう。
”痛みの軽減”だけで終わらせずに、”シンスプリントの原因”を完全に取り除きましょう。
シンスプリントまとめ
シンスプリントとは、繰り返される下腿への衝撃による筋肉や骨の損傷です。
シンスプリントの症状
- 下腿内側の痛み
-
脛前面の痛み
-
下腿の腫れ
シンスプリントの原因
- 下腿への衝撃
- 運動量の増加
- 不適切な運動フォーム
- 運動初心者
- 扁平足・ハイアーチ
シンスプリントの治療
- 運動量の調整
- 運動フォームの修正
- 下腿のトレーニング
- 下腿のストレッチ
- インソールやテーピング
シンスプリントの予防
- 適切な運動量
- 足に合った運動靴
- 硬い地面を走らない
- 十分なウォームアップ
- 痛みが出たら休憩する
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根本治療が前提の治療方針
治療で痛みを改善するのは当然ですが、痛みの根本的な原因を治療することが大切です。
身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。
例えばシンスプリントの場合は、不適切な運動フォームや筋力不足によって下腿への負担が増えることが主な発症原因です。
痛みを治療しても、痛みの元となる原因を取り除かないことには怪我が再発してしまいます。
Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。
痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。
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