2024.02.16
腱板損傷
腱板損傷・断裂
執筆大澤 亮(理学療法士)
有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。
「肩が上がらない」、「夜寝るときに肩が痛い」等、肩の痛みに悩まれている方は多いと思います。
肩の痛みの原因は腱板損傷によるものかもしれません。
腱板損傷とは加齢とともに増加する病態であり、加齢に伴う腱板の変性が要因の一つと考えられています。
このページでは神戸三宮で活動する理学療法士が、腱板損傷に関するこのようなお悩みを解決するための情報を紹介しています。
記事の内容
- 腱板損様に関する最新情報を知りたい
- 腱板損傷を治す方法を知りたい
- 手術以外の治療法を知りたい
病院に行くと手術を進められたけどまだリハビリやトレーニングで肩が動くようになりたい。
自分の肩は本当に手術が必要なのかという悩みを持たれている方がよく相談に来られます。
腱板損傷では損傷の程度、目標とする動き次第では手術を必要とせずに生活や動作を行うことが可能です。
腱板損傷で重要なのは損傷していない筋肉を使うことで損傷した筋肉の代わりに働かせることが大切です。
この特徴から損傷している筋肉と損傷していない筋肉を判断し、適切な運動を適切な強度で行うことが重要です。
この記事をご覧いただき、腱板損傷についての理解を深め、少しでもご自身の症状改善にお役立てください。
腱板とは
まず、腱板とは肩関節を取り囲んでいる棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つの筋からなる構造のことを言います
腱板の働き
腱板は肩関節を安定させるためにとても重要な構造です。
肩関節は前後左右に動き、とても自由度の高い関節です。自由度が高いがゆえに不安定な関節でもあります。
肩関節は肩甲骨、上腕骨、鎖骨によって構成されています。肩甲骨が受け皿となり上腕骨がはまるような構造ですが、肩甲骨の受け皿は小さく不安定になっています。
上腕骨を肩甲骨の受け皿に収めるために働くのが腱板です。
他にも腱板を構成する筋自体が働き肩関節の回旋運動に大きく作用します。
さらに、関節を補強し靭帯のような役割も行います。
腱板損傷・断裂とは
腱板損傷とは、腱板が損傷した状態を言います。腱板が損傷しても連続性があれば腱板損傷、完全に切れてしまえば腱板断裂となります。
腱板が損傷する要因は大きく分けて2つに分けられます。
- 大きな衝撃を受けた、急に強い力を使う等大きな外力が加わることで切れたもの。
- 加齢によって腱板が弱くなる、日常生活で小さなストレスの積み重ねによって切れたはっきりと原因がわからないものです。
腱板を損傷してしまうと肩関節を安定させる機能が失われ関節が不安定な状態になります。
不安定な状態で肩関節を動かすと上腕骨と肩甲骨がインピンジメント(衝突)し、痛みを発生させます。
研究では加齢とともに腱板断裂は増え、20歳以上では20%、50歳以上では25%に腱板全層断裂がみられます。
そのうち、症状がある症候性断裂は1/3、症状のない無症候性断裂が2/3を占めることがわかりました。
これらの調査から、腱板断裂がよくみられる疾患だという事がわかります。
またこれらの有病率をもとに各年代における有病者数を求めると、最も多いのは70歳代で300万人、全体では1000万人が全層断裂をもっていると推定されます。
腱板損傷の特徴
肩関節の運動時痛
腕を上に挙げた時の痛みがあるのは腱板断裂の特徴です。
特に、上げる途中で痛みがあり上に上がってしまえば痛みが少なくなるというのが大きな特徴になります。
筋力低下
筋力低下は腱板の切れ方、断裂の程度等様々な要因から個人差はありますが健康な状態から比べると力が入りにくいと訴える方が多いです。
特に体の横方向に腕を上げる動作の筋力低下が見られることが多い。
夜間痛
「夜寝ると肩が痛い」、「肩の痛みで寝れない」等寝るときの肩の痛みに悩まされている方も多いと思います。
寝るときの痛みは肩関節が不安定になり関節の中のストレスが大きくなる、腱板損傷による炎症、炎症による組織が固くなる等様々な原因が考えられます。
大切なことはクッションを使うなどして痛みが出ない姿勢を見つけることが大切です。
動かしたときの雑音
肩関節が不安定になっているため肩を動かすときに骨同士がぶつかりゴキゴキと音が鳴るのも特徴です
腱板損傷の検査方法
家でもできる腱板損傷の確認方法(断定することはできません)
Painful ark sign (ペインフルアークサイン)
自分の力で体の真横方向に腕を上げます。
棘上筋が損傷していれば60°~120°の間で疼みを感じ、それ以外の角度では疼痛を感じない。
棘上筋テスト
棘上筋は腕を外に開く働きがあり、腱板損傷では最も切れることが多い筋肉です。
ドロップアームサイン
外側に90°程度まで腕を持ち上げてもらい、支えている手を離す
腕を支えられなかったり、わずかな抵抗で腕を下ろした場合は陽性
肩甲下筋テスト
肩甲下筋は肩関節の内旋(腕を内にひねる動作)で作用する筋肉です。
腱板損傷の場合、痛みにより手を背中に回す動作ができないことがあります。
リフトオフテスト
背中に手を回し、その手を背中から離して保持できるかチェックする
腱板損傷の画像診断 MRI診断
腱板損傷の診断では、腱板の状態を確実に確認することができるMRIでの診断が最も多く用いられます。
腱板損傷の治療方法
保存療法
保存療法は患者の主訴である疼みを緩和することが大きな目的です。
関節内注射や内服、外用などで非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイドなどの薬物を用いることが多い。
保存療法では断裂していない筋肉を温存することで、肩関節の機能障害を最小限に食い止めることができます。
リハビリテーションとして肩周囲筋、肩甲骨周囲筋のストレッチ、筋力トレーニングなどを行います。
これは痛みの程度、残っている肩関節機能の程度によって、その運動の種類や強度が決まってきます。
ストレッチ
テーブルスライド
- 台の上に手のひらを乗せ、身体を前に倒しながら腕を伸ばす
- できるだけ遠くまで手を滑らせて肩を伸ばす
大胸筋ストレッチ
- 手と肘を固定し、身体を前に倒しながら捻る
胸椎モビリゼーション
- ストレッチポールやグリッドの上に肩甲骨を当てて乗る
- 胸を開きながら胸椎を伸ばしていく
筋力トレーニング
肩関節内旋トレーニング
- 肘を90度に曲げて脇腹に固定し、バンドをつかむ
- 肘が動かないように肩を回してバンドを内側に引っ張る
肩関節外旋トレーニング
- 肘を90度に曲げて脇腹に固定し、バンドをつかむ
- 肘が動かないように肩を回してバンドを外側に引っ張る
肩甲骨挙上トレーニング
- 椅子に座り、肩を耳に近づけるように出来るだけ高く上げてから下ろす
このような保存的治療を行うことで、約75%の症例では痛みが軽減したという報告もあります。
手術療法
- 保存療法をしても痛みが取れない
- 若くスポーツなどで怪我をしてしまった
- 仕事や生活で筋力が必要
このような方には手術療法が推奨されています。
手術療法では主に鏡視下腱板修復術が行われますが、断裂の程度によって、上方関節包再建術、筋移行術、パッチ法、反転型人工肩関節置換術などの選択肢があります。
また、手術後にも必ずリハビリは必要となります。
手術後は縫合した腱板が再断裂しないように段階を追ってリハビリを進めます。
大切なことは縫合した部分に過度な負荷をかけない、回復段階に沿って適切な負荷をかけることです。
腱板損傷・腱板断裂まとめ
腱板損傷・腱板断裂とは、加齢による腱板の変性や外傷によって腱板が損傷するという怪我です。
腱板損傷・腱板断裂の症状
- 運動時痛
- 筋力低下
- 夜間痛
- 動かしたときの雑音
腱板損傷・腱板断裂の原因
- 加齢による変性
- 小さなストレスの積み重ね
- 事故やスポーツ中の大きなストレス
腱板損傷・腱板断裂の治療
- 肩関節・肩甲骨の可動域改善
- 体幹・胸郭可動域拡大
- 関節内注射
- 手術療法
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治療で痛みを改善するのは当然ですが、痛みの根本的な原因を治療することが大切です。
身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。
例えば腱板損傷や腱板断裂の場合は、痛みを改善して痛みなく生活していただくように回復させるのは当然ですが、再発を予防するための動作改善まで目指します。
怪我を治療しても再発予防まで徹底しないことには、また将来的に肩を痛めてしまう可能性があります。
Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。
痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。
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