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Case Study 症状別事例

2022.05.06

鵞足炎

鵞足炎(がそくえん)

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

鵞足炎(がそくえん)はランナーを始めとしたスポーツ選手に多い膝の怪我です。

このページでは神戸三宮で活動するスポーツトレーナーが、このようなお悩みを解決するための最新情報をまとめています。

記事の内容
  1. 鵞足炎に関する最新情報を知りたい
  2. 鵞足炎の治し方を知りたい

鵞足炎は膝の内側が少しずつ炎症することで痛みが出る怪我です。

炎症を抑えれば痛みを減らすことはできますが、鵞足への負荷を改善しないとすぐに再発してしまう恐れがあります。

筋トレやストレッチ、運動フォームの改善などに取り組むことで膝への負担を軽減し、鵞足炎を根本から治療するようにしましょう。

この記事を読み終えると鵞足炎への理解が深まり、どのようにすれば怪我を治せるか?ということがわかるようになります。

ぜひ正しい知識を身に付けて、1日でも早い痛みの改善に役立ててください。

鵞足炎とは?

鵞足炎とは、膝関節やや下の内側に痛みが出る怪我です。

痛みの出る場所は半券腰筋、薄筋、縫工筋という3つの筋肉が付着しています。

骨に付着する腱の形が鵞鳥(ガチョウ)の足に見えることから、”鵞足”と呼ばれています。

鵞足炎は正式な病名ではなく、”鵞足に痛みがある怪我”の総称です。

実際は、鵞足に付着している筋肉の腱炎や、骨と腱の間にある滑液包の炎症などが考えられます。

鵞足炎は頻繁に膝の曲げ伸ばしをするスポーツ選手やランナーによく見られますが、変形性膝関節症の人にも起こりやすい怪我です。

鵞足炎の原因

鵞足炎には様々な原因がありますが、共通しているのは鵞足についている筋肉への負荷です。

オーバーユース

オーバーユースとは、いわゆる”使いすぎ”です。

スポーツの練習量が多かったり、長時間の運動によって膝を動かし過ぎてしまうと、鵞足が炎症してしまいます。

特に膝の曲げ伸ばしが多い競技や運動では鵞足についている筋肉への負担が多くなるので、筋肉の使いすぎで炎症が起き、鵞足に痛みが出る原因となります。

ハムストリングスの硬さ

鵞足に付着している筋肉のひとつに半腱様筋がありますが、これは太ももの裏についているハムストリングスという筋肉のひとつです。

ハムストリングスは下半身の中でも特に大きな筋肉で、ジャンプやスプリントなど力強い動きを生み出すのに重要な役目を持っています。

このハムストリングスが硬くなってしまうと、半腱様筋が付着している鵞足が引っ張られてしまい、炎症を起こす原因となってしまいます。

不適切な運動フォーム

運動をする際のフォームや動き方によっては鵞足に負荷をかけてしまうことがあります。

例えばスクワットやジャンプで膝を曲げたときに、膝が内側に入ってしまうクセがある人は鵞足炎になりやすいです。

膝が内側に入ることで鵞足に付着している3つの筋肉は強く伸ばされてしまい、鵞足部分を引っ張ってしまいます。

膝を曲げるたびに鵞足へ張力がかかってしまうので、鵞足炎を起こしやすくなってしまいます。

X脚

X脚も膝の内側に負担のかかりやすい姿勢になります。

X脚は真っ直ぐな脚に比べて膝同士の距離が近くなり、いわゆる内股になってしまいます。

内股姿勢では太ももが内側にねじれ、下腿は外側にねじれやすくなります。

この状態になると鵞足に付着する筋肉が強く伸ばされてしまうので、鵞足に炎症が起きやすい姿勢となってしまいます。

肥満

体重が重いことも、鵞足炎の原因となりえます。

適正体重に比べて体重が重いということは、それだけ膝への負担も増えるということです。

重い身体を支えながら膝を曲げ伸ばしすると、それだけ関節やまわりの筋肉へのストレスが増えてしまうので、鵞足炎にもなりやすくなってしまいます。

変形性膝関節炎

海外の研究データから、変形性膝関節症と鵞足炎の間に関連性があることが報告されています。

通常の膝に比べて変形性膝関節症の人の方が鵞足炎になる確率が高いと言われているので、注意が必要です。

鵞足炎の症状

鵞足炎で痛み以外の症状がある人はあまり多くいません。

他の疾患と比べると、痛みの場所に鵞足炎の特徴があります。

膝内側の痛み

鵞足炎で最も特徴的な症状は、膝の痛みとその場所です。

痛みは鵞足と呼ばれる場所にあり、場所は膝のお皿から指3本分下の内側です。

鵞足炎は急に痛くなる怪我ではなく、最初は小さな痛みから始まり徐々に痛みが強くなります。

運動時の痛み

鵞足炎は運動をしているときに痛みを感じやすく、痛みの強さも増加します。

逆に、運動を中止しているときは痛みも落ち着いていることが多いです。

階段での痛み

階段の登り下りで痛みを感じることも、鵞足炎の症状のひとつです。

膝を曲げ伸ばししながら体重をかけることによって、鵞足に負担がかかってしまいます。

膝内側の圧痛

鵞足炎になってしまったら、鵞足部を触ると痛みを感じるようになります。

人によっては炎症による熱感を感じる人もいて、鵞足が他の部位より少し熱くなっていることもあります。

鵞足炎の検査方法

鵞足炎を診断するときは、痛みの場所や状態を丁寧に確認します。

画像検査も必要によって使われますが、これは他の怪我との区別をするためで、鵞足炎を見つけるために検査が行われることは少ないです。

問診と触診

鵞足炎の診断で重要となるのが問診と触診です。

痛みの場所や種類、いつ痛みを感じるか?など細かく情報を集めます。

怪我の状態が鵞足炎の症状に合っていて、痛みの場所も膝の内側の場合は鵞足炎の可能性が高いと判断されます。

鵞足炎はシンスプリントと呼ばれる脛の内側に痛みが出る怪我と混同されることが多いですが、鵞足炎は脛の上部、シンスプリントは脛の下部に痛みが出ることが大きな違いになります。

レントゲン検査

レントゲンを撮ることで鵞足炎かどうか判断できるということではないのですが、症状の似ている脛骨の疲労骨折と区別するために使われることがあります。

すねの骨である脛骨の疲労骨折では鵞足炎と同じような場所が痛くなることがあり、痛みの種類も鈍痛で鵞足炎の症状と酷似しています。

疲労骨折の場合はレントゲン検査で異常が見つかる可能性があるので、鵞足炎か疲労骨折かを見極めるためにレントゲン検査が行われることもあります。

MRI検査

MRI検査もレントゲン検査と同様で、症状の似ている内側半月板損傷と区別するために行われることがあります。

膝の半月板を損傷している場合も膝の内側に痛みを感じることが多く、鵞足炎の症状と似ています。

MRI検査では半月板の損傷や鵞足に炎症があるかどうかを確認することができるので、より正確な診断を行うことができます。

鵞足炎の治療

鵞足炎のように徐々に痛みが出る慢性障害では、痛みを軽減するよりも痛みのでない身体づくりが重要です。

筋トレやストレッチで痛みの出る原因を根本から改善しましょう。

練習量の調整

鵞足炎は筋肉のオーバーユースが主な原因です。

痛みが強い場合は一度練習量を減らして、痛みを抑えることが大切です。

無理して痛みを我慢しながら練習を続けると症状が悪化してしまうので、痛みの出ない範囲で練習に参加するようにしましょう。

理学療法

理学療法とはリハビリのことです。

鵞足炎の痛みを減らしながら、痛みの原因を改善することが大切です。

筋トレ

鵞足についている半腱様筋、薄筋、縫工筋を鍛えることで、鵞足にかかる負担を減らすことができます。

特にイーセントリック収縮と呼ばれる方法で筋肉を鍛えると、鵞足を引っ張るようなストレスに対しても効果的です。

また、中臀筋や大臀筋を鍛えることで、鵞足に負荷がかかる”膝が内に入る動き”を防ぐことも期待できます。

ストレッチ

筋トレ同様に、鵞足に付着する3つの筋肉をストレッチして柔軟性を高めるようにしましょう。

筋肉が高い伸張性を持っていると、筋肉が伸ばされたときに骨や腱にかかる張力を減らすことができます。

運動フォームの修正

ジャンプなどのスポーツ動作で、膝を曲げたときに膝が内側に入るクセがある人は、運動フォームの改善が効果的です。

膝を足首に対して真っ直ぐに曲げることができるようになると、鵞足への負荷を抑えることができるので、症状も治りやすくなります。

インソール

靴にインソールを入れるのも鵞足炎に対してよく行われる治療です。

特に扁平足などが原因で足底の内側にあるアーチが潰れていると、膝が内側に入って鵞足にストレスをかけてしまいます。

インソールで足底を支えてあげることで足首が安定し、鵞足への負担を減らすことができます。

手術

非常に稀ですが、鵞足炎が悪化したときには手術も選択肢のひとつとなります。

鵞足にある滑液包が炎症を起こして痛みが改善できない場合は、滑液包を切除してしまいます。

しかし、ほとんどの鵞足炎は手術なしで治療することができるので、手術は万が一の場合のみ行われます。

鵞足炎の予防

鵞足炎のような慢性障害は、一度痛みが治ってもしばらくして再発することが非常に多いです。

症状が改善したあとも予防に取り組むことで、鵞足炎の再発を予防することができます。

筋トレ

筋力トレーニングは治療だけでなく、予防の面でも大切です。

特に太ももや膝まわりのの筋力は、膝関節を安定させる役目があります。

大体四頭筋、ハムストリングス、内転筋などをしっかり鍛えて、膝への負担を軽減させましょう。

ストレッチ

柔軟性のある身体を維持することで、鵞足炎の再発を予防することができます。

中でもハムストリングスのストレッチを毎日継続し、鵞足にかかる張力を減らすことが大切です。

肥満解消

肥満は鵞足炎だけでなく、半月板や変形性膝関節症の原因にもなります。

適正体重を維持することは、鵞足炎の予防に加えて膝関節に関わる怪我全ての予防になるので、生活習慣から改善するようにしましょう。

鵞足炎まとめ

鵞足炎とは、膝関節下部内側にある鵞足が炎症する怪我です。

鵞足炎の症状
  • 膝内側の痛み
  • 運動による痛みの増加
  • 階段での痛み
  • 鵞足部の圧痛
鵞足炎の原因
  • 膝のオーバーユース
  • ハムストリングスの硬さ
  • 不適切な運動フォーム
  • 肥満
  • 変形性膝関節症
鵞足炎の治療
  • 練習量の調整
  • 膝まわりの筋力強化
  • 下半身のストレッチ
  • インソール
  • 手術
鵞足炎の予防
  • 膝の筋力強化
  • 下半身の柔軟性向上
  • 肥満改善

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トレーナー紹介

根本治療が前提の治療方針

治療で痛みを改善するのは当然ですが、みの根本的な原因を治療することが大切です。

身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。

例えば鵞足炎の場合は、不適切な運動フォームや筋力バランスの悪さによって鵞足への負担が増えることが主な原因です。

痛みを治療しても、痛みの元となる原因を取り除かないことには怪我が再発してしまいます。

Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。

痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。

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