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Case Study 症状別事例

2024.06.25

インタビュー

『運動だけで歩行時の痛みがほぼなくなった』運動療法による変形性股関節症改善の感想

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

Hさんは筋変形性股関節症による痛みで相談に来られました。

病院でのリハビリが健康保険の期限によって終わってしまい、運動療法を続けられる場所をお探しでした。

5ヶ月間のリハビリを終えてもなお、趣味の運動中だけでなく、歩行時や日常生活でもまだ痛みを感じていました。

Lifelongでは、まず痛みの出やすい股関節の動かし方と角度を調べることから始め、どの角度でどのように動かせば痛みが出にくいか?という確認を行いました。

そして股関節を内側に動かすと痛みが出やすいという特徴が見つかったので、必要以上に足が内側に入ってしまわないように筋力を鍛え、外側への可動域を改善することを目指しました。

痛みの出にくい動かし方を覚えることで、筋1ヶ月経つ頃には歩行時の痛みは改善し、日常生活で感じる痛みは大きく軽減しました。

薬や施術に頼らず、運動によって股関節の痛みを改善したHさんに運動療法の感想を伺いました。

Hさん

  • 5年前から変形性股関節症
  • 病院でのリハビリは終了してしまった
  • まだ日常生活や歩行で痛みを感じている
  • 痛みなく歩き、趣味の運動を楽しみたい

Lifelongの利用目的

変形性股関節症で、整形外科のリハビリで運動療法を少し受けました。
運動療法は5ヶ月で終わってしまったので、どこか続けて運動療法をして頂ける所を探していました。
中尾 優作
中尾 優作
Hさんは変形性股関節症を治すためリハビリに通っていましたが、保険の適応期間の関係で病院でのリハビリが終わってしまいました。
Lifelongでは引き続き日常生活や運動時の痛みの改善を目指して運動療法に取り組んでいただいています。

Lifelongを選んだ理由

運動療法とかリハビリだけをやって下さる場所があまり無いというのと、整骨院と鍼灸も行ったことがあるんですけどいまいちな感じがしました。
やっぱり身体を動かして治して行きたいなっていう所がありました。
中尾 優作
中尾 優作
病院のリハビリは病院側の判断でリハビリできるかどうかが決まってしまい、一般的なジムやパーソナルジムには医学的な知識を持っているトレーナーが少ないです。
当店のように運動療法や理学療法士によるオーダーメイドの運動指導を受けられる施設はまだ少ないようで、身体の悩みを持つ幅広い方々にご利用いただいています。

運動療法の感想

厳しいスパルタかと思ってたわりに楽ちんで。
楽ちんではないですけど、筋肉の場所とか動かし方を確認しながらできるので、治療以外にも役に立ってる所があると思ってます。
今太極拳をやっているので、動かし方とか自分の身体の癖とかが改めてわかる場所も出てきたのでありがたいなと思ってます。
中尾 優作
中尾 優作
Hさんは30年以上太極拳をされているようで、一般の方に比べて身体は運動に慣れていました。
ただ、変形性股関節症の影響で可動域が低下し、股関節が一定の角度になったり、ある方向へ動かすと痛みを感じるという状態でした。
そのため、最初は股関節の可動域を改善しながら、”どのように動かすと痛みが出ないか”という動き方の練習に焦点を当てていきました。
ただただ身体を鍛えるのではなく、痛みを出さないように上手く身体を動かせるようになることが、これからも太極拳を長く続けていく上で大切だと考えました。

身体の変化は

目標としていたかなり激しい動きはまだできないですけども、普段から筋肉をしっかり使えて動けるようになってきた感じはありますね。
中尾 優作
中尾 優作
太極拳の中でかなり深く腰を落とす動作は、どうしても股関節への負担が大きくなってしまいます。
変形性股関節症によってすり減ってしまった軟骨を元に戻すことはできないので、いかに股関節への負担を減らすか、そして股関節周りの筋肉を鍛えて安定させるかが重要です。

日常生活での変化

日常生活の歩きの痛みがすごく激しかったんですけど、それは今ほぼ無くなりました。
だから改めてその太極拳の動きの方に目標を設定する事ができている感じがします。
中尾 優作
中尾 優作
Hさんが最もお困りだった歩行時の痛みは最初の1ヶ月ほどで大きく改善が見られました。
股関節周りの筋力がつき、股関節への体重の乗せ方が上手になったことが一番影響していると思います。
日常生活での痛みが改善してからは、より難しい太極拳の動きでも痛みが出なくなることを目標にしています。
趣味としてだけではなく大会にも出場されている競技者として、少しでも痛みなく、高いパフォーマンスが出せるようサポートさせていただきます。

変形性股関節症のリハビリ方法

変形性股関節症のリハビリで大切なことは、”できることとできないこと”を判断することです。

例えば、すでにすり減ってしまった関節軟骨を再生させることは難しいです。

そのため、痛みを軽減させるためにはどの角度だと痛いか?どの動きだと痛いか?を確認し、できるだけ痛みの出ない関節角度と動き方を覚えることが重要です。

Hさんの場合は足を内側に動かしたり、内側に体重をかけると痛みを感じていました。

一方、足を外側に動かしたり、股関節に対して体重をまっすぐかけると痛みはありませんでした。

このことから、足が内側に行かないように外方向への可動域を増やし、股関節に体重をまっすぐ乗せることがリハビリ初期段階の目標となりました。

具体的な解説

股関節の内転、内旋動作で痛みを感じやすく、股関節に対して内側に荷重しても痛みを感じていた。

まずは股関節の外転、外旋可動域を改善し、股関節に正しく体重をかける動き方を練習してもらった。

特に股関節への荷重は痛みの軽減に大きく役立った。

“股関節に体重をかけると痛みが出る”という先入観があったが、実際はしっかりと体重をかけて動作を行う方が痛みを感じなかった。

骨盤に対して大腿骨頭をしっかり近づけ、股関節を密着させて安定させた上で動くことで、関節内の摩擦が軽減されて痛みの軽減へと繋がった。

Lifelongでは以下のポイントに焦点を当てた運動療法に取り組んでいただきました。

  • 股関節の外転、外旋可動域の改善
  • 股関節周囲の筋力強化
  • 正しい位置に体重を乗せる
  • 動かしても痛みの出ない角度を覚える

最初は街を歩くだけで痛みを感じていましたが、正しい位置に体重をかけることで1ヶ月ほどで痛みなく歩けるようになりました。

痛みが出ない関節角度が分かれば、無意識でもその位置に体重をかけられるように必要な筋肉を鍛えていきました。

今ではより複雑な太極拳の動きを痛みなく行えるよう、引き続き筋力強化と動きの練習を続けていただいています。

今後の目標

痛みがある事で太極拳自体が楽しく無くなってきていたので、大会の成績に限らず楽しく、さらに歳を重ねても楽しくできるようにしたいと思っています。
中尾 優作
中尾 優作
身体に痛みがあると、本来楽しいはずの運動も楽しめなくなってしまいます。
できる限り痛みを改善し、思いっきり身体を動かしながら、いつまでも楽しく太極拳を続けていただければ嬉しく思います。

経験豊富な理学療法士による治療とリハビリを試されたい方は、ぜひ一度ご相談ください

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