2024.06.18
インタビュー
『2年続く手術の後遺症を改善し、再び痛みなく走れるように』半月板縫合手術後のリハビリの感想
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
Lさんは2年前に受けた半月板縫合手術の後遺症にお悩みでLifelongにご相談いただきました。
突然膝が曲がらなくなるロッキングという症状が出てしまい、半月板損傷と診断されました。
当時住んでいた韓国でそのまま手術を受けましたが、手術後から強い痛みを感じるようになってしまいました。
しかし手術後に適切なリハビリは処方されず、思うように膝が動かせないまま病院での治療は終わってしまったそうです。
もともと運動は好きだったけど膝に痛みがあり、また膝を動かすと痛みが強くなってしまうので趣味のランニングやヨガができないまま2年が経ってしまいました。
今まで多くの理学療法士から治療を受けてきましたが、大きな改善が見られなかったようです。
Lifelongではまず膝の状態を確認し、なぜ痛みが出ているのかを評価しました。
手術を受けた半月板自体は大きな問題ななさそうでしたが、膝の曲げ伸ばしをする際に膝が内側に大きく曲がってしまう動きの特徴をお持ちでした。
また、膝を動かすと痛みが出ることが多かったため、膝をあまり動かしていなかったので、膝周りの筋力も低下し、関節の安定性が低下していました。
運動療法を行う上で、まずは膝を正しい向きと角度で曲げ伸ばしできるよう練習し、痛みが出ない角度で動かしながら膝周りの筋力も鍛えていきました。
同時に歩き方やスクワットなど、基本的な動きで膝に負担がかからないような動作フォームの再修得も行いました。
痛みが出ないよう注意しながら運動強度を上げていくと、痛みは徐々に改善していき、数ヶ月で痛みなく走れるまで回復することができました。
手術を受けてから2年ぶりに痛みなく走ることができたLさんに運動療法の感想をお話しいただきました。
Lさん
- 外側半月板損傷、縫合手術を受ける
- 2年前の手術からずっと膝の痛みが残る
- 日常生活や階段でも毎日痛みを感じる
- 趣味だった運動やヨガをまた楽しみたい
Lifelongの利用目的
でも、ちゃんとしたリハビリを受けたことはなく、いつも痛みがあって長い間歩くこともできませんでした。
多くの運動もできず、実際、ほとんど運動できなかったのでここに来ました。
手術の後は十分なリハビリを受けられず、可動域や筋力は元に戻っていませんでした。
膝の痛みのせいで大好きだった運動、ヨガ、ランニングができず、日常生活でも頻繁に痛みを感じていました。
Lifelongを選んだ理由
また、Googleのレビューもとても良く、ホームページもとても素晴らしく、ここで何をしているかが良く分かりました。
私の方針として、どのようなリハビリを行なっていて、何を目的に、どのように改善していくか、を丁寧に説明するようにしています。
リハビリに対してお互いが共通理解を持ち、2人3脚のように協力して前に進んでいくことを大切にしています。
運動療法の感想
以前受けた理学療法では何の効果も感じられませんでしたが、ここでは本当に時間をかけて問題を分析し、何が原因かを理解しようとしてくれます。
他ではそんな時間がなかったり、時間をかけようともしないことでも。
その上でリハビリのプランを作って、そのプランを定期的に変更して、身体の状態に合わせてくれる。
それはリハビリを進める上でとても効果的な方法だと感じましたし、時間が経つにつれてどんどん良くなっていくのを感じました。
例えばLさんの場合、なぜ膝に痛みが出て、どのようにしたら痛みが出なくなるか?を考えた上で、そうするにはどのような運動をしたらいいか?を決めていきます。
病院で受ける5分程度の診察ではなく、1時間ほどかけて身体の状態や動きの特徴を確認し、深く考えることで的確なリハビリを作成することができます。
一人一人の身体に合わせたリハビリを計画しているので、効果も現れやすくなっています。
日常生活での変化
ランニングもできるようになったし、以前は痛みを感じていた運動も痛みなくできるようになりました。
長い距離を歩いたり休日にたくさん歩いたりしても、あとで痛みを感じることはなくなりました。
日常生活では完全に痛みがなくなったわけではありませんが、ほとんど痛みを感じなくなりました。
本当に大きな改善です。
膝をまっすぐ曲げること、膝周りの筋力をつけること、片足での安定性を改善することを主な目標としてリハビリを進めていくと、徐々に痛みを感じることが少なくなってきました。
筋力がついてくると膝もより安定し、正しい角度で動かすことを覚えることで、日常生活でほとんど痛みを感じなくなるまで改善でき、本当に良かったです。
走れるようになった感想
手術前は走るのがとても好きだったので、手術の後しばらくして走ろうとしたらとても痛くて10分も走れませんでした。
数分どころか、バス停まで少し走るだけで痛みがありました。
だからまた普通に走れるようになったときは本当に嬉しかったです。
再び走れた時は止まりたくなくて、無理しすぎないないように自分を止めなければいけなかったことを覚えています。
でもその時は本当に自由に感じたし、とても良い時間でした。
痛みが出ないように注意しながら運動強度を少しずつ高めていき、片足での運動やジャンプで痛みが出ないことを確認してからジョギングに挑戦しました。
1年前にランニングした時は10分で痛みが出て、その後1週間も痛みが続いたと聞いていましたが、今は痛みなく走ることができるようになり安心しました。
これからも痛みを感じることなく、気持ちよくランニングを楽しんでもらえたら何よりです。
半月板手術後のリハビリ方法
Lさんは手術後にしっかりとリハビリを受けられなかったということもあり、膝の可動域や筋力に大きな左右差がありました。
手術後から痛みを常に感じていたので、無意識に右膝をかばって左足を使ってしまい、右膝はどんどん固く、弱くなるという悪循環にも陥っていました。
このように手術後に後遺症が残ってしまうケースはよく見られますが、今の状態をしっかりと分析し、どこが上手く治っていないのか?という評価をすることが大切です。
Lさんの場合はそもそも半月板を痛めてしまったであろう膝が内側に曲がってしまう動き方の特徴や、膝周りの基本的な筋力も低下していました。
まずは半月板に負担がかからないよう”どの角度が正しい関節角度か?”を覚える練習をしていただきました。
その上で今まで怖さもあってできていなかった膝周りの筋力強化を並行して行いました。
具体的な解説
外側半月板縫合手術後、集中的なリハビリを受けられず関節可動域に制限が残り、筋力も回復していない状態でした。
スクワットをすると膝が前に出て、かつ内側に膝が入ってしまう。
まずは鏡を見ながら代償運動を使わずに膝の屈曲伸展ができるように運動学習を行う。
筋力的にはなVMO、内転筋群、ハムストリングス、臀筋群の左右差が大きい。
また、それぞれ筋肉を意識して収縮することも苦手でした。
膝の痛みには敏感で、日々感じる痛みの強さもアップダウンがあったので臨機応変にメニューを調整しながらも、段階的に負荷を上げていく。
膝の代償運動が起きず、関節周りの筋力と安定性が向上することで痛みなく強度の高い運動も行うことができるようになりました。
Lifelongでは以下のポイントに焦点を当てた運動療法に取り組んでいただきました。
- 膝を真っ直ぐ動かす方法を覚える
- 膝周りの筋力強化
- 痛みのない範囲で運動強度を上げていく
最初は両足でのスクワットですら膝を正しく曲げることができませんでしたが、少しずつ慣れると痛みを感じることもなくなりました。
それから片足でも真っ直ぐ曲げる、ジャンプでも真っ直ぐ曲げる、というように段階的に運動強度を上げていきながらも、どの動きでも正しく膝を動かせるよう注意しながらリハビリを進めていきました。
このように痛みが出ないよう注意しながら少しずつ負荷を上げていくことで、最終的には痛みなく走れるまでに回復することができました。
今後の目標
アイススケートやバドミントンのような、他の運動も挑戦してみたいと思っています。
今まで痛みのせいで我慢しなければいけなかったことにも前向きに挑戦し、元気に楽しい日々を過ごしてもらえたら、私としても嬉しいです。
経験豊富な理学療法士による治療とリハビリを試されたい方は、ぜひ一度ご相談ください
他の改善事例はこちらからご覧になれます。