2024.12.19
脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症の手術って必要?保存療法と手術の違いを徹底解説!
執筆大澤 亮(理学療法士)
有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。
脊柱管狭窄症は、中高年の方を中心に多く見られる疾患で、腰や脚に痛みやしびれを引き起こします。
この症状に悩む方の中には、「手術が必要なのだろうか?」「保存療法では改善しないのか?」と迷われている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、脊柱管狭窄症における保存療法と手術、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説します。
自分に合った治療法を選ぶための参考にしてください。
脊柱管狭窄症とは?
脊柱管狭窄症は、神経が通る背骨のトンネルである「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫されることで痛みやしびれが生じる疾患です。
症状は以下のようなものが多いです。
- 腰や脚に痛みやしびれがある
- 長時間の歩行が困難
- 前かがみになると症状が和らぐ
脊柱管狭窄症の治療には大きく分けて「保存療法」と「手術療法」の2つがあります。
それぞれの違いを見ていきましょう。
保存療法とは?
保存療法は、手術を行わずに症状を改善させる治療法の総称です。
アプローチには様々なものがあります
- 薬物療法:痛み止めや神経の炎症を抑える薬を使用
- リハビリテーション:柔軟性の改善、筋力強化し、姿勢を改善する運動療法
- 神経ブロック注射:痛みを緩和する局所治療
これらのアプローチで保存療法が進められます。
メリット
- 身体への負担が少ない
- 通常の日常生活を維持しながら治療できる
- 手術のリスクを回避できる
デメリット
- 効果が現れるまでに時間がかかる場合がある
- 症状の進行が進んでいる場合、症状の改善が乏しい場合がある
- 保存療法で改善しない場合には手術が必要になることも
このようなメリットとデメリットも存在するため、保存療法は症状が軽度である場合や、手術を避けたい方に適しています。
また、狭窄症が初期の場合は原因となっている身体の柔軟性不足や筋力不足の改善から、姿勢が改善することで、再発予防や根治の可能性もあります。
手術療法とは?
手術療法は、狭くなった脊柱管を広げることで、神経への圧迫を取り除く治療法です。
主に2つの方法が取られます
- 除圧術:骨や靭帯の一部を取り除いて神経の圧迫を解消
- 固定術:背骨の安定性を高めるため、金属プレートやネジを使用
メリット
- 即効性が高く術後すぐに症状が改善することがある
- 保存療法で改善しなかった症状にも効果が期待できる
デメリット
- 身体への負担が大きい(入院やリハビリが必要)
- 手術には一定のリスク(感染症や再発の可能性)が伴う
- 高齢者や持病を持つ方には適さない場合も
- 手術療法でも症状が改善しないことがある
手術療法は、保存療法を試しても効果が得られなかった場合や、症状が重度で日常生活に支障をきたしている場合に検討されます。
手術をしても脊柱管狭窄症が原因の全てでない場合などで痺れや痛みが残存する可能性があります。
保存療法と手術、どちらを選ぶべき?
治療法の選択は、これらのポイントを考慮して決定します
- 症状の程度
- 日常生活への影響
- 画像所見などの医学的診断
これらの状態で総合的な判断で治療法を選択します。
症状の程度
軽度から中程度の症状であれば、まずは保存療法を試すのが一般的です。
一方、激しい痛みやしびれで歩行困難な場合は、手術を検討する必要があります。
日常生活への影響
症状が原因で仕事や趣味を諦めざるを得ない状況なら、積極的に手術を考えるのも一つの選択肢です。
基本的に保存療法を一度試して効果が見られない場合に手術を検討する事が勧められます。
画像所見などの医学的診断
レントゲンやMRIで明かな狭窄症の所見が見られる場合や、ブロック注射の効果が明らかに出るなどの場合に狭窄症の手術が検討される事が多いです。
まとめ
脊柱管狭窄症の治療には、保存療法と手術療法それぞれにメリット・デメリットがあります。
重要なのは、自分の症状や生活状況に合った治療法を選ぶことです。
まずは医師・専門家に相談し、症状の程度や身体の状態を詳しく診断してもらいましょう。
そして、治療法の選択肢についてしっかりと話し合い、納得した上で治療を進めることが大切です。
早めの対応が、痛みのない快適な生活への第一歩です。
この記事を参考にあなたの症状に合った最適な治療法を見つけてください。
脊柱管狭窄症についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
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