Case Study 症状別事例

特に成長期に多い怪我で、膝の前面が痛くなるジャンパー膝。

その名の通りジャンプを繰り返すことで膝に負担がかかり、痛みが発生します。

ジャンパー膝は慢性障害に区分されます。

慢性障害は捻挫や肉離れなど、突然怪我をしてしまう急性障害とは違い、繰り返される動作によって身体の一部に負担がかかることで徐々に痛みが出る怪我です。

ジャンパー膝のような慢性障害はアイシングやマッサージでは治りません。

一時的に痛みが減ることはありますが、多くの場合は再発してしまいます。

練習して、痛みが強くなって、休んで、良くなったらまた練習して、また痛みが強くなってと、改善の見込めない悪い循環が起こってしまいます。

それではどうすればジャンパー膝を改善することができるのでしょうか？

ジャンパー膝の治療で最も大切なことは、”痛み”を治療するのではなく、”痛みの原因“を治療することです。

筋肉の柔軟性低下や筋力不足、膝に負担のかかるジャンプフォームなど、膝に負担のかかる動き方を改善することで、ジャンパー膝の痛みを軽減し、再発も予防することができます。

痛みを一時的に軽減させるのではなく、痛くならない身体を目指してリハビリに取り組みましょう。

ジャンパー膝とは？

そもそもジャンパー膝とは、主にスポーツ活動で膝の前面に痛みが出る症状の総称です。

スポーツ動作の中でも特にジャンプをしたときに、膝蓋靭帯という膝の前面に付いている靭帯に痛みが出る怪我です。

医学的には膝蓋靭帯炎、英語ではジャンパーズニーとも呼ばれます。

ジャンパー膝の症状

ジャンパー膝の主な症状は以下のとおりです。

1. 圧痛
2. 伸長痛
3. 収縮痛
4. 動作時の痛み

圧痛

ジャンパー膝になると膝のお皿の下を押すと痛みを感じるようになります。

人によってお皿の真下に痛みを感じたり、膝蓋靱帯が付着するすねに痛みを感じることがあります。

また、膝蓋靱帯を真上から押して痛い場合や、横から摘むと痛い場合など、膝に対するストレスのかかり方で痛みが出る部位も変わってきます。

伸長痛

伸長痛というのは筋肉をストレッチしたときの痛みです。

大腿四頭筋を伸ばした際に、膝の前面に痛みを感じた場合はジャンパー膝の可能性があります。

収縮痛

大腿四頭筋を収縮した時に膝の前面に痛みが出ることも、ジャンパー膝の症状の一つです。

ジャンパー膝で特徴的なのが、膝に体重をかけた状態で大腿四頭筋を収縮させた時の方が痛みを感じやすいです。

例えば、レッグエクステンションのような座って行う大腿四頭筋のトレーニングよりも、スクワットのように過重位で行う運動のほうが膝に痛みが出やすい傾向にあります。

動作時の痛み

ジャンパー膝という名前だけあって、ジャンプ動作で痛みを感じることがほとんどです。

そしてジャンプ動作だけでなく、ランニングや階段の上り下りでも痛みを感じることもあります。

ジャンパー膝の原因

ジャンパー膝の原因で多いのは以下の4つです。

1. 膝に負担のかかるジャンプフォーム
2. 大腿四頭筋の硬さ
3. 大腿四頭筋の筋力低下
4. 過度な運動量

膝に負担のかかるジャンプフォーム

ジャンパー膝の原因で最も多いのは、ジャンプ動作による膝へのストレスです。

特に着地の際に膝が前に出てしまうようなフォームをしていると、膝前面へのストレスは非常に強くなってしまいます。

着地時は膝が前に出過ぎないように注意し、お尻を後ろに引いて衝撃を吸収するようにしましょう。

大腿四頭筋の硬さ

ジャンパー膝で痛みが出る膝蓋靱帯は、大腿四頭筋という筋肉の末端部にあたります。

大腿四頭筋が硬くなり過ぎてしまうと、着地の際に大腿四頭筋が伸ばされ、筋肉の端にある膝蓋靱帯が引っ張られてしまいます。

この伸長ストレスによって膝蓋靱帯に微細損傷が起きてしまいます。

大腿四頭筋の筋力不足

大腿四頭筋が硬くなるだけでなく、筋力不足になってもジャンパー膝の原因となってしまいます。

ジャンプ動作自体に耐えられるだけの筋力がないと、膝を始めとした下半身を支えきれなくなってしまい、結果的に膝への負担が増えてしまいます。

過度な運動量

特に部活動を行う学生アスリートに多いですが、オフ明けなどの急激な運動量の増加によってジャンパー膝になってしまうことがあります。

関節や靱帯には徐々に負荷をかけるように注意することが大切です。

ジャンパー膝になりやすい人の特徴については、こちらの記事で解説しています。
>> ジャンパー膝になりやすい人の特徴とは？予防と対策を知ろう

ジャンパー膝の治療方法

ジャンパー膝の治療で最も大切なことは、膝に負担のかからないジャンプ動作の習得です。

そして正しくジャンプするために必要な筋肉の伸長性、筋力を同時に獲得する必要があります。

正しいジャンプ動作の習得

ほとんどのジャンパー膝の人に見られるジャンプ動作の特徴は、膝を使い過ぎていることです。

跳び上がる瞬間や着地時に膝が前に出過ぎてしまい、身体への衝撃を全て膝で受けています。

特に着地時に膝がつま先よりも前に出過ぎてしまう人は注意が必要です。

また、膝蓋靱帯の内側か外側に痛みがある人は、ジャンプの際に膝が正面を向かず、内側や外側を向いてしまうことが多いです。

ジャンプ動作を改善する上で重要なことは、膝の上下にある股関節と足関節を上手に使えるようになることです。

膝だけに負担をかけるのではなく、股関節と足関節に上手くストレスを分散させるようにしましょう。

そのためには正しいジャンプ動作の練習も必要になりますが、同時に足関節の硬さや股関節周囲の筋力低下など、正しいジャンプをするために必要な身体を獲得することも大切です。

大腿四頭筋の伸長性向上

大腿四頭筋の硬さは膝関節の正面に付いている膝蓋靱帯への負担となります。

膝関節をしっかり曲げ切れるまで、大腿四頭筋の伸長性を獲得する必要があります。

下半身の筋力強化

膝への負担を減らすために、下半身の筋力強化も大切です。

大腿四頭筋の筋力が上がれば、膝蓋靱帯にかかるストレスも軽減します。

運動の負荷に耐えられるだけの筋力をつけるようにしましょう。

膝蓋靭帯炎に対する効果的な運動方法についてはこちらの論文も参考にしてください。
>> 膝蓋靭帯炎にはアイソメトリック収縮が効果的？医学論文のエビデンスを解説

ジャンパー膝まとめ

ジャンパー膝とは、繰り返すジャンプ動作で膝の前面が痛くなる怪我です。

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根本治療が前提の治療方針

治療で痛みを改善するのは当然ですが、痛みの根本的な原因を治療することが大切です。

身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。

例えばジャンパー膝の場合は、筋力を強化し、負担がかからない動き方を習得することで、再発予防まで取り組みます。

怪我を治療しても再発予防まで徹底しないことには、再び膝を痛めてしまう可能性があります。

Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。

痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。

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Lifelongでは欧米で使用されている最先端治療を行なっています。海外の医学論文によって効果が実証された治療を行うことで、正しく効果的に怪我を治すことができます。

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