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Case Study 症状別事例

2024.07.29

インタビュー

『手術後10年経過しても、リハビリで歩行が劇的に改善』人工股関節置換術後に受けた運動療法の感想

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

Rさんは10年前に人工股関節置換術を受けられてからも歩きにくい状態が続き、最近は足裏に痛みが出だしたといお悩みでLifelongにご相談いただきました。

股関節の手術を受けられた後のリハビリをあまり長期間受けることができなかったことが原因で、股関節周囲の筋力低下と軟部組織が固くなっていました。

足底の痛みは股関節の機能不全によって体重を支えることができないことで、足への負担が増加していることが原因と見受けられました。

手術をしてから10年以上経過していましたが、硬い筋肉を動かし、弱い筋肉を的確に鍛えることで、徐々に股関節の機能は回復。歩き方もかなり綺麗に改善されました。

同時に、体重を足で支えられるように足底の筋力強化と足への正しい荷重方法を練習することで、足底筋膜炎の痛みも軽減させることができました。

10年経ってからのリハビリですが、身体には大きな変化が現れたRさんに運動療法の感想を伺いました。

Rさん

  • 10年前に人工股関節置換術を受ける
  • 遠方で受けたためリハビリは短期間
  • その後歩きにくい状態が続く
  • 最近は足底筋膜炎の痛みが出だした

Lifelongの利用目的

10年ぐらい前に人工股関節の手術をしまして、リハビリ期間が短くて力が入らなかったり、歩き方だったりとかに課題を感じていました。
同時期に足底筋膜炎でかかとが急激に痛くなって歩くのに支障があったというのが大きな理由です。
その間に結構整骨院に行ったりとか病院に行ったりとかしたんですけど、なかなか治らなくていろいろ探している間にここに辿り着きました。
中尾 優作
中尾 優作
Rさんは人工股関節置換術後の筋力低下と歩きにくさ、そこから起因する足底筋膜炎で相談に来られました。
股関節の手術を遠方の専門医に依頼したため、手術後のリハビリがあまり受けられなかったことで股関節周りの筋力が著しく低下していました。
また、股関節が不安定になっていることで足にかかる負担が増えてしまい、手術を受けた足の足底筋膜炎も併発しているという状態でした。

Lifelongを選んだ理由

一番はやっぱりPTの先生がやってるジムということです。
人工股関節の場合は色々できない動きとか、やったらいけない禁止動作があるので、そこも踏まえてしっかりメニューを作って考えていただけました。
あとはただ単にかかとの痛みを治すっていう対処療法じゃなくて、中長期的に原因を見つけながらトレーニングしていただけるっていうのが良かったっていうのが一番かなと思います。
中尾 優作
中尾 優作
人工股関節を入れると、特定の可動域に制限がかかります。
これを知らずにトレーニングをしてしまと、最悪のケースでは人工股関節が外れてしまうことがあります。
また、Rさんの足底筋膜炎は股関節の筋力低下によって足底筋膜に負担がかかっていることが原因でした。
人の動きを見て問題点を見つけることができるのは、理学療法士の専門分野です。ここを見逃してただ単に足底筋膜を治療しても、また痛みが再発してしまう可能性が高かったはずです。

運動療法の感想

長く続いてる理由はやっぱり効果を感じているからですね。
当初は痛かったかかとの痛みも、もともと股関節が原因の痛みだったのですぐには取れなかったですけど、一年ぐらいで今はほとんどなくなりました。
あとはメニューを、運動ってずっとやってると飽きるので、その時々の身体の状態とかに合わせて組み替えてもらったりとか、考えていただけるっていうのはやっぱり効果とともに長く続けられてるところかなと思います。
中尾 優作
中尾 優作
Rさんは手術から10年以上経過していたので、筋力低下や手術部周りの組織の癒着、拘縮はかなり悪化していました。
最初は軽度の運動から開始していただき、徐々に運動強度を上げていくことで、緩やかでしたが確実に筋力が向上していきました。
マッサージや電気治療と比べて、時間はかかるけど着実に身体が改善していくことは、運動療法の長所です。

身体の変化

かかとはもう日常生活には問題ないくらい回復しました。まだ若干の痛みを感じることはありますけど、もう運動しても大丈夫の状態にはなってます。
股関節についてはこれは結構劇的に変化があって、元々は階段も手すりを使わないと登るのしんどいなあっていうところがあったんですけど、今は手すりを使わなくても駅の階段とかも上れるようになりました。
ゴルフも、1ラウンド結構しんどかったんですけど今は1ラウンドやっても次の日もちゃんと仕事に支障のない程度の疲労感で行けるようになりました。ゴルフも上手くなったし飛ぶようにもなった気もします。
中尾 優作
中尾 優作
歩行時の痛みや日常生活で困っていた動作が改善されたことは何より嬉しいです。
初めの頃は片足立ちをすることができませんでしたが、今では30秒以上片足立ちを維持できるようにもなりました。
以前お話しいただいたことで思い出に残っていることが、「今までより1歩を大きく出せるようになったから、左右の歩幅が同じことが逆に違和感に感じる」ということです。
最初は片足を引きずるような歩き方をされていましたが、格段に歩き方が綺麗になったことに喜んでいただけています。

椎間板ヘルニアのリハビリ方法

Rさんは人工股関節置換術後のリハビリ期間が短かったこともあり、股関節と骨盤を支えるお尻の筋肉が低下していました。

股関節を筋力で支えきれないので、なんとか身体を支えるように身体の重心を内側に移動させ、足の内側にほとんどの体重をかけて立ち、歩いていらっしゃいました。

そのため、足底の内側アーチが潰れてしまい、かかとの内側が地面に押しつぶされる形で足底筋膜炎になっていました。

運動療法ではしっかり体重を支えれられるように足底の筋肉を鍛えながらも、そもそも足に負担がかかる原因となっていたお尻の筋力低下の改善を目指しました。

お尻の筋力が向上するとともに、足底の痛みも少しずつ改善されていき、今では痛みもなく、より綺麗に歩けるようにもなりました。

具体的な解説

手術が外側からのアプローチだったため、特に中臀筋に顕著な筋力低下が見られた。

股関節外側の不安定性をかばうように足部内側荷重位がクセになり、足底内側アーチが潰れて扁平足に。

内側アーチの保持力を向上させるためにタオルギャザーやショートフットエクササイズを行いながら、中臀筋を中心に股関節外転筋群もトレーニング。

臀筋群の筋力強化とともに片足立ちができるほど機能は改善し、同時に足底への負担も軽減され、足底筋膜炎の痛みも軽減していった。

Lifelongでは以下のポイントに焦点を当てた運動療法に取り組んでいただきました。

  • 臀筋群の強化
  • 足部内在筋の強化
  • 体重を乗せる位置の習得
  • 歩行改善

今後の目標

まだまだ歩く歩様とか、切った部分の筋肉だったり、自分がこれまで抱えて来た病気というか、股関節の病気というのは長年の蓄積があるのですぐには解決は難しいところもあると思うんですけど、やっぱり歳を取っても自分の足でしっかり歩けるようにキープしていくこと、ハイヒールが履けたら良いかなという風に思ってます。
中尾 優作
中尾 優作
手術から10年越しのリハビリということもあり、まだまだ課題は多く残っていますが、最近ではピラティスにも通われ始めるなど、股関節の状態が改善することで日常生活をより楽しんでいただけていて嬉しく思います。
今の時点で大きな改善が見られていますが、今以上に状態を改善できるように引き続きサポートさせていただきます。

経験豊富な理学療法士による治療とリハビリを試されたい方は、ぜひ一度ご相談ください

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