2024.03.13
グロインペイン症候群
グロインペイン症候群
執筆大澤 亮(理学療法士)
有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。
サッカー選手に特に多い鼠径部痛、足の付け根の痛みに悩まされている方も多いと思います。
グロインペイン症候群は特にサッカー選手に多い疾患です。鼠径部の痛みはサッカー選手のパフォーマンス低下にも大きく関わります。
このページでは神戸三宮で活動する理学療法士が、グロインペイン症候群に関するこのようなお悩みを解決するための情報を紹介しています。
記事の内容
- グロインペイン症候群に関する最新情報を知りたい
- グロインペイン症候群を治す方法を知りたい
鼠径部の痛みがなかなか取れない。一時的に痛みが取れても何度も同じ痛みを繰り返す。
このようなお悩みがある方がよく相談に来られます。
このように繰り返す痛みや、長引く痛みはグロインペイン症候群の痛みの原因の多様性、複雑さが関わっています。
グロインペイン症候群では病名が同じであっても痛みの原因、位置、痛みを引き起こす動きなど、同じ症状がないことが特徴です。
この特徴から症状にあった治療や運動をしないとなかなか症状を改善させることは難しいです。
この記事をご覧いただき、グロインペイン症候群についての理解を深め、少しでもご自身の症状改善にお役立てください。
グロインペイン症候群とは
グロインペイン(鼠径部痛症候群)鼠径部や周囲の様々なところに痛みが出る病態の総称のことです。痛みが出る部位としては鼠径部、下腹部、臀部、内もも、睾丸の後方などに痛みが出ることが多いです。
グロインペイン症候群の原因
- 可動域制限
- 筋力低下
- 安定性の低下
- 運動の協調性不良(正しく動けない)
- オーバーユース
これらの要因が関係して痛みが発生します。
また、痛みと運動が深く関係しているため痛みだけを治療して運動を再開しても何度も再発してしまうためしっかりと治療しないと慢性的な痛みになってしまうことも多いです。
運動様式から修正し、痛みが出ない動きを学習することで痛みを繰り返さないようにすることが大切です。
症状
- 圧痛
- 運動時痛
- 下腹部痛
これらの症状がよく見られますが、上記以外にも鼠径部周囲の疼痛を引き起こすこともあります。
グロインペイン症候群の特徴
グロインペイン症候群は特にサッカーをする20歳前後の男子選手に多く見られます。
他にも陸上競技の中長距離選手、ラグビー、ウエイトリフティングなどのスポーツでも多く見られます。
痛みが出やすい部位
グロインペイン症候群では以下の部位に痛みが出ることが多いです。
- 鼠経部
- 下腹部
- 臀部
- 内もも
- 睾丸の後方
また、痛みの出る場所によって原因もそれぞれ異なることが特徴的です。
グロインペイン症候群の注意点
グロインペイン症候群では組織の微細損傷、柔軟性の低下、安定性の低下など様々な要因が重なって痛みが出ます。
つまり”グロインペイン症候群”と診断されても原因は同じではないという事です。
例えば、鼠径部周囲の痛みでも腹直筋が付く部分での炎症、内転筋が付く部分での炎症、鼠経靭帯が固くなったことによって神経が圧迫されたことによる痛み、このように原因が全く異なっていても診断名はグロインペイン症候群となります。
間違った治療をすると痛みが長引いたり、悪化してしまうことがあります。
そこで重要なのは信頼できる医療機関や専門家にしっかりと原因を確認してもらい適切な治療を受けることです。
グロインペイン症候群の検査方法
MRI診断
一昔前だと、グロインペイン症候群は診断することが困難な疾患でした。
しかし、現在ではMRIを用いて多くのグロインペイン症候群が診断できます。
MRI所見として腹直筋、内転筋、恥骨部周囲の微細損傷が確認されます。
特に難治性グロインペイン症候群(4週以上続く症状)の方ではこれらの所見のほかに恥骨の浮腫などが見られます。
特徴的な症状
- 内転筋の筋力低下・圧痛・柔軟性の低下
- 恥骨部の筋力低下・圧痛・柔軟性の低下
- 腹直筋の筋力低下・圧痛・柔軟性の低下
- 腸腰筋の筋力低下・圧痛・柔軟性の低下
これらの痛みをしっかりと精査することでより詳しい原因を判断することができます。
グロインペイン症候群のリハビリ
記事内で何度も書いているようにグロインペイン症候群のリハビリに決まったものはありません。
重要なのは痛みが出ない動作を覚える、骨盤を安定させる、炎症を抑える、痛みの原因を特定することです。
私が今まで治療してきたグロインペイン症候群の患者に対する治療例を紹介します。
ケース1
サッカーでのシュートモーション時の疼痛を訴える男子高校生で長内転筋由来のグロインペイン症候群に対して行った治療の一部
内転筋ストレッチ
- 膝立ちになり片方の足を外に開く
- 伸ばしている足の内ももが伸びるように腰を落とす
胸椎回旋モビライゼーション
- 四つ這いになり片方の手を頭の上に置く
- 挙げている肘を天井に向けるように体を回す
ケース2
趣味のマラソンで走ると鼠径部に痛みが出ると訴える30代男性で腸腰筋由来のグロインペイン症候群に対して行った治療の一部
腸腰筋ストレッチ
- 膝立ちの状態から片足を前に出し、逆の足を後ろに大きく引く
腹斜筋トレーニング
- 仰向けで寝ころび、膝を立てて頭の後ろで組む
- 体を引き付けて反対の膝に肘を付ける
プランク
- うつ伏せで両肘とつま先を床につける
- 腰を上げて身体を一直線に保つ
※これらの運動はすべてのグロインペイン症候群に適応するとは限りません。
このように原因によって治療プランが異なるためしっかりと専門家に治療してもらうことが重要になります。
まとめ
グロインペイン症候群とは、鼠径部周囲の微細損傷や機能不全によって鼠径部周囲に痛みが出る怪我です。
グロインペイン症候群の症状
- 圧痛
- 運動時の痛み
- ストレッチでの痛み
- 下腹部の痛み
グロインペイン症候群の原因
- 積み重なる負荷
- 骨盤の不安定
- 筋力低下
- 可動域制限
- 協調運動不全
グロインペイン症候群の治療
- 筋や組織の柔軟性の向上、筋力の向上、協調運動指導など、症状に合わせて治療法を選択します。
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根本治療が前提の治療方針
治療で痛みを改善するのは当然ですが、痛みの根本的な原因を治療することが大切です。
身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。
例えばグロインペイン症候群の場合は、筋力を強化し、負担がかからない動き方を習得することで、再発予防まで取り組みます。
怪我を治療しても再発予防まで徹底しないことには、再び股関節を痛めてしまう可能性があります。
Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、怪我の原因を根本から改善することです。
痛みが出るたびに治療を受けるのではなく、痛くなる原因を改善して痛みが再発しない身体を目指しましょう。
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