2024.04.11
理学療法
正しい姿勢とはどんな姿勢なのか
執筆大澤 亮(理学療法士)
有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。
姿勢とは腰痛や肩の痛みなど、身体の不調の原因の一つであり、身体の痛みに大きく関係するものです。
しかし、姿勢を正すことは大切だと知ってはいるものの本当にいい姿勢を知らない方がとても多いです。
いい姿勢は体への負担が減るだけでなく見た目も美しくなり、印象もよくなります。
このページでは神戸三宮で活動する理学療法士が姿勢をよくしたいけどいい姿勢がわからない、いい姿勢になるために何をしていいかわからないと悩まれている方に向けてお悩みを解決するための情報を紹介しています。
記事の内容
- いい姿勢とはどんな姿勢なのか知りたい
- いい姿勢になるために必要なことを知りたい
姿勢が悪いと言われたり、自分の姿勢が気になるけど正しい姿勢がわからない。
腰や肩が痛くなりやすい、立っている時間が長くなると腰が痛くなる。
このような悩みをもたれて訪ねてくる方が多くいます。
正しい姿勢を身につけることでこのような悩みが解決するかもしれません。
この記事をご覧いただき、いい姿勢を身につけれるように活用ください。
正しい姿勢とは
姿勢を正すことは大切だと多くの方が理解していると思いますが、正しい姿勢について詳しく知っているという人は少ないと思います。
良い姿勢にはいくつかポイントがあります。
- 耳垂(耳の後ろ)
- 肩峰(肩先)
- 大転子(骨盤、太ももの付け根辺り)
- 膝関節前部(膝蓋骨後面、膝)
- 外果の前方(外側のくるぶし)
横から見た時にこの5点が一直線上にあることがポイントです。
悪い姿勢のパターン
悪い姿勢にもよく見られるパターンがあります。
この2つの姿勢が悪いパターンとしてよく見られるものです。
左のイラストでは反り腰になり腰への負担が大きくなってしまいます。
姿勢を正してくださいというとこのように過剰に腰を反る方が多くいます。
この姿勢では腰への負担が大きくなり腰痛の原因になってしまいます。
右のイラストでは肩が丸くなり頭が前に飛び出だしていることから首や肩への負担が大きくなります。
パソコン作業の多い方やスマホをよく見る方に多く見られる姿勢です。
パソコンや携帯を見るときに肩が丸くなり頭が飛び出すような形で作業を長くしているとこのような姿勢になってしまう恐れがあります。
この姿勢では肩や首に負担がかかり猫背がどんどん悪化していく恐れがあります。
この姿勢で長くいると肩こりや背中の痛みにつながる恐れがあります。
姿勢が悪くなる原因
姿勢が悪くなる原因の多くは生活の環境に大きく関係します。
- 長時間のデスクワーク
- 長時間スマホを見る
- 長時間の立ち仕事
- 浅く座り、背もたれのもたれる
- 長時間姿勢を変えずに生活をする
これらが姿勢を悪くする要因として多くの方に見られます。
このような環境で長くいると悪い姿勢に体が慣れてしまい姿勢を保持する筋力が低下したりや関節の可動域が小さくなり姿勢が悪くなっていきます。
また、本来姿勢を維持するためには体幹の筋肉等を使うなどで姿勢を維持しますが悪い姿勢では姿勢を維持する筋肉が働かず骨を支えにして姿勢を維持してしまいます。
これによって関節への負担が大きくなってしまいます。
姿勢が悪いとどうなるのか
姿勢が悪くなることで様々な影響が体に現れます。
- 腰痛
- 肩こり
- 脊柱管狭窄症やヘルニアのリスク
- 姿勢を保持する筋力の低下
- 関節の可動域が狭くなる
このような影響が考えられます。
これらによって日常生活でも痛みが出たり、生活動作が困難になることがあります。
姿勢をよくするためにはどうすればいいのか
姿勢をよくするために大切なことは
「生活の環境を整える」
「いい姿勢を維持できる身体を作る」
この二つが大切になります。
生活の環境を整える
生活の環境を整える際に注意することは
- 長時間同じ姿勢をとらない
- 目線が下がる作業を減らす
- 座るときは深く腰掛ける
- 長時間立ち続けることをしない
このように環境や動作を変えることで姿勢が悪くなるのを抑えることができるかもしれません。
しかし、急に環境を変えることが困難なことも多いため自分の身体や生活に合った対策をすることが大切です。
いい姿勢を維持できる身体を作る
いい姿勢を維持するためにはいい姿勢を維持するための筋力が必要になります。
姿勢を維持するときには多くの筋が働き、姿勢を維持しています。
姿勢を維持するための筋肉が弱くなったり、使いにくくなると姿勢が維持できなくなり崩れた姿勢になってしまいます。
筋力の弱い部分や関節の動きにくい部分はそれぞれ異なるため、鍛えなければならない筋力やストレッチしなければならない動きが異なるので、自分に合った運動をすることが大切です。
姿勢をよくするためのおすすめの運動
姿勢をよくするためにおすすめの運動を紹介します。
チンタック
- 頭の後ろにチューブをかける
- 手を固定して地面と平行に頭を後ろに引く
プランク
- 肘とつま先をついて地面と平行まで腰を浮かせる
ラットプルダウン
- チューブを高い位置にかけて両手で持つ
- 両手を肩甲骨を寄せるように下に引く
まとめ
いい姿勢を知り、姿勢をよくするために必要なことを知ることで、姿勢に対しての悩みを改善することができるかもしれません。
姿勢は見た目が大きく変わることはもちろんですが、健康にも大きく影響するものです。
ぜひこの記事を参考に自身の姿勢を見直してみてください。
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