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Case Study 症状別事例

2024.03.23

インタビュー

『4年続くアキレス腱炎が改善、再び痛みなく走れる身体に』運動療法によるアキレス腱炎改善の感想

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

Yさんは数年前からキレス腱の痛みにお悩みでした。

強い痛みがあるわけではないけれど、少し小走りをしたとき、革靴を履いて歩いているときなどに痛みが出てしまう。

日常生活のふとした瞬間に痛みを感じ、趣味のスポーツも存分に楽しむことができない状態でした。

いくつかの病院や治療院に通うも、痛みが軽減したのは治療を受けた直後だけ。

『痛みを原因から改善して、そのままずっと痛みがない状態にしたい』というのが来店理由でした。

アキレス腱の状態やランニングフォームを確認したところ、アキレス腱に繋がるふくらはぎの筋肉を上手に使えていないことで、アキレス腱に必要以上の負荷がかかっていることが原因のようでした。

足首周りで使いすぎている筋肉をリラックスさせ、上手く機能していないふくらはぎの筋肉を使うためのリハビリを中心に行ったところ、2ヶ月も経たないうちにアキレス腱の痛みが軽減していきました。

今では痛みなくランニングやトレーニングを行うことができ、日常生活でも違和感を感じることはなくなりました。

痛みのない身体で快適に生活を送ることができるようになったYさんに、運動療法の感想を伺いました。

Yさん

  • 4年前からアキレス腱に痛み
  • 治療を受けても痛みが再発してしまう
  • 痛みの軽減でなく、痛みが出ないようにしたい

Lifelongの利用目的

右アキレス腱の痛みがずっと3、4年続いてて、なかなか治りませんでした。
その中で、ここはアキレス腱の痛みの根本から治すという、そこに着目して治していただけるということだったので、1回行ってみようかなと思いました。
中尾 優作
中尾 優作
Yさんは長引くアキレス腱の痛みで相談に来られました。
今まで病院や治療院で治療を受けられましたが、治療後すぐに痛みが再発するようでした。
当店の特徴である、痛みの一時的な軽減ではなく、痛みが出なくなる身体を目指す、という点に期待してご利用いただきました。

Lifelongを選んだ理由

対処療法というか、その時々の痛みが消えたらいいな
というだけじゃなくて、今後ずっと身体を動かす中でこの痛みがなくなればいいな、というふうに思っていました。
そこにしっかり注力していただけるというところで、Lifelongに来て見ようと思いました。
中尾 優作
中尾 優作
痛みを一時的に軽減するのではなく、痛みが出ないように改善するには自分の身体自体を変えることが大切です。
他の治療院のように”誰かに治療してもらう”のではなく、自分で自分の身体を改善したい、と来店される方がほとんどで、Yさんもそのうちのお一人でした。
今まで受けてきた治療ではアキレス腱炎の根本的な改善はできていなかったので、痛みの原因を解明するところから始めました。

運動療法の感想

同じことをずっと繰り返しやるのではなくて、ちょっとずつ運動の方法というのを変えていただきながらやっていただけるので、飽きることなく運動できてます。
アキレス腱の痛みも本当にかなり消えてきてるので、引き続きここでしっかり運動できればなと思ってます
中尾 優作
中尾 優作
同じ運動を続けていても、身体が慣れてしまうとそれ以上の変化は起こりません。
身体の変化に応じてトレーニングを変化させることで、そのときそのときに合わせた最善の運動を行うことができます。
例えばある運動を2週間ほど行ってもらい、痛みが軽減するようであれば継続。痛みの軽減が止まってしまったら別の運動に修正、というように効果が見られない運動は適切な運動へと変えていくことが大切です。
身体に何も変化が見られないのに同じ運動をやり続ける、ということでは、症状の改善は見込めません。

痛みが改善した感想

正直びっくりしました。
なかなか痛みは消えないだろうなって思いながら、正直最初は半信半疑で来てたところもあったんで、本当その時期から比べたら全然痛みの強さがなくなってますし、びっくりしてますっていうのが一番です。
中尾 優作
中尾 優作
Yさんは来店当初、小走りする程度でもアキレス腱に痛みを感じていました。
痛みの出る動きや走り方、足の筋力バランスなどを調べたところ、ふくらはぎの筋力をうまく使うことができずに指を曲げる筋肉を使いすぎていることがわかりました。
足首で地面を蹴る動きなど、本来ふくらはぎの大きな筋肉が働かなければいけない動作を、指を動かす小さな筋肉で行っていたため、アキレス腱に必要以上の負荷がかかっていました。
そこで当店では、足の指を使わずに正しく足首を動かすリハビリと、アキレス腱に負担がかかりすぎないように足首の安定性を向上させるトレーニングに取り組んでいただきました。
この分析と運動処方が正しかったようで、痛みは徐々に改善し、今では痛みなくランニングを楽しめるまで回復しました。
アキレス腱が痛いからといってアキレス腱だけを治療しても改善しないのは、足首や足趾など身体全体の連動や動作に対する理解が必要だからです。

アキレス腱炎の改善方法

Yさんは4年という長い期間、左のアキレス腱に痛みがあったため、Lifelongに来られるまでに病院や治療院で一般的なリハビリやマッサージなどの治療を受けられた経験がありました。

そのため、“基本的なアキレス腱炎に対する治療はすでに受けていて、それでは改善できなかった痛み”という視点で初期評価を行いました。

左右の足首で可動域や筋力に大きな差はありませんでしたが、左のアキレス腱は押すと痛みがありました。

実際に痛みが出やすいのは走るときということで、ランニングフォームを確認したところ左右の動きに違いを見つけることができました。

写真を見たらわかるように、左足だけ地面を蹴ったあとにつま先が大きく曲がっています。

また、カーフレイズというふくらはぎのトレーニングをした際も、疲労感がふくらはぎではなく足の裏に感じていました。

以上の特徴から、“足の指を動かす筋肉を使いすぎていて、ふくらはぎの筋肉を上手く使えていない”ことがアキレス腱に負担がかかっている原因ではないかと考えました。

具体的な解説

足関節の屈曲・背屈という動作をすねやふくらはぎの大きな筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)ではなく、足趾を曲げ伸ばす筋肉で代償。

特に長母趾屈筋、長趾屈筋、足底筋膜などは使いすぎで過緊張状態になり拘縮。

それらの筋肉が硬くなることで踵骨が動かなくなり、結果的にアキレス腱も伸び縮みすることができなくなって負担がかかり、痛みの原因に。

同時に、足趾を動かす筋肉ばかり使っていたので、アキレス腱の一部であるふくらはぎの筋力低下、機能不全も発生。

アキレス腱自体の強度も低下しているというのが、Yさんの状態でした。

そのため、今まで通われた病院や接骨院で、いくらアキレス腱を治療しても症状は改善しませんでした。

Lifelongでは以下のポイントに焦点を当てた運動療法に取り組んでいただきました。

  • 足趾を力まずに足首を動かす
  • ふくらはぎの筋肉の正しい使い方
  • 足首の安定性向上
  • 足の裏全体を使って床を押す

結果、少しずつ足の指をリラックスさせて足首を動かせるようになり、カーフレイズでもちゃんとふくらはぎに疲労感を感じるようになってきました。

足首とふくらはぎの機能が改善すると並行してアキレス腱の痛みの軽減し、数ヶ月で痛みなく走れるまで回復しました。

今後の目標

ちゃんとした目標はないですけど、子供ももう少しで生まれてっていう中なんで、ちょっとした瞬間に全力で走って一緒に子供と遊べる、”全力で”と言うのがさしあたっての目標です。
中尾 優作
中尾 優作
間も無くお子さんが産まれるということで、『将来、子供の運動会で父親が走る種目があったら1番にならないと』という目標を話されています。そのような特別なイベントでなくても、ふと軽く走ったときに痛みを感じないなど、日常生活で違和感を感じなくなっているようで嬉しく思います。
お子さんが元気に走り回れるようになったときにアキレス腱に違和感が出てしまわないよう、引き続きサポートさせていただきます。

プロのスポーツトレーナーによる治療とリハビリを試されたい方は、ぜひ一度ご相談ください

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