2025.12.23
インタビュー
『ここでダメだったらバスケを諦めた』アキレス腱断裂に対するリハビリの感想
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
Yさんはアキレス腱断裂後のリハビリでLifelongをご利用いただきました。
趣味のバスケ中にアキレス腱を断裂してしまい、神戸では有名なスポーツ整形外科で手術。
手術後はその病院でリハビリを受けられていましたが、4ヶ月経っても足を引きずって歩いている状態でした。
「このままだともう二度とバスケができないかもしれない」という不安から、当店にご相談いただきました。
来店当初は片足で踵を床から上げることができない状態で、リハビリとしてはかなり遅れていました。
アキレス腱を確認すると、アキレス腱の周囲が硬くなり拘縮してしまっていることと、十分な負荷をかけたトレーニングができておらず、筋力不足も顕著でした。
同時に、アキレス腱と一緒に働くべき足首や足趾の筋肉も上手く働いておらず、足の機能が全体的に低下していました。
Lifelongではアキレス腱と足首を積極的に動かして正常な可動域を獲得することと、低下した筋機能と筋力を取り戻すことを最初の目標としました。
地道なトレーニングから正しい筋肉の動かし方を習得していただくと、2ヶ月ほどで片足で床から踵を浮かすことができるようになりました。
その後も順調に回復し、リハビリでもジャンプやダッシュなどバスケに必要な動作を加え、半年ほど経った頃にはバスケの練習に少しずつ参加できるまで改善しました。
足を引きずって歩いていた状態から、バスケができるまでに回復したYさんに運動療法の感想をお話しいただきました。
Yさん
- バスケ中にアキレス腱を断裂
- 有名なスポーツ整形でリハビリが上手くいかなかった
- 日常生活だけでなく、バスケ復帰が目標
Lifelongの利用目的

「バスケをもう一回したい」というところを目的としていたんですけど、前のリハビリはどちらかというと、生活ができればいいというレベルのリハビリでした。
そこに不安とギャップがあったので、こちらでお世話になると決めました。
神戸では有名なスポーツ整形外科に通われていましたが、リハビリの経過が一般的な手術後よりも遅れていて、バスケ復帰への不安が強かったためLifelongでのリハビリを開始されました。
Lifelongを選んだ理由

そこで興味があったのでホームページを見ましたら、個人個人でメニューを考えていただいて、個人に対してしっかりされているなという誠実さがホームページで伝わったのでこちらを選びました。
ただし、適切なリハビリを行うことと、競技復帰を目指す場合はより専門的なリハビリが必要になります。
そのため、バスケ選手やサッカー選手など、個人個人に合わせたリハビリメニューを作ることが大切です。
運動療法の感想

SNSではトレーナーの方がリハビリをこういう風にやりますよ、みたいなのがあるんですけど、やっぱりそれだけじゃ分からないことが実際ここに来るとわかる。
例えば自分のクセがあればそれを対応しないとリハビリ自体が効果がない。
そういったところを丁寧にクセを治していただいて、正しいリハビリができるというところはすごく実感として感じています。
アキレス腱を切ったのに、切った前より健康な状態というか、身体の使い方とかが改善されています。
リハビリで回復はしてるんですけど、プラスアルファで姿勢や歩き方の改善とか、そういったところができているのかな
と、すごく期待以上のことを感じています。
そしてただ怪我を治すだけでなく、同じ怪我をしないように再発予防まで徹底的に取り組みます。
そのため、リハビリを進めていくと自分が今までできなかった動きや、無意識に身体に染みついたクセなども改善されていきます。
非常に多くの利用者さんが、Yさんと同じように自分の身体についてより詳しくなって当店を卒業されていきます。
身体の変化

ほんと短期間でしたね、8ヶ月こちらでお世話になりましたけど、どんどん進化していってダッシュもできるくらいになりました。
まずはその遅れを取り戻すために足首の可動域改善とふくらはぎと足首周りの筋力強化から取り組みました。
少しずつアキレス腱の機能が回復していきましたが、あまりに長い期間足を引きずって歩いていたので、普通の歩き方すら忘れているほどでした。
片足立ちやジョギングができるようになってから、バスケに必要なジャンプや切り返し動作も練習し、通っていただいて6ヶ月経過した頃から実際のバスケ動作も開始しました。
簡単なドリブルやスプリント動作を練習し、安全を確認した上でクラブの練習にも部分的に参加していただきました。
最終的にはバスケの試合に出られるほど回復されたので、私としても安心しました。
アキレス腱断裂のリハビリ方法
Yさんはアキレス腱再建手術後4ヶ月で通常歩行ができておらず、片足カーフレイズも全く踵が床から離れないという状態でした。
この原因としては、手術後のアキレス腱周りの拘縮と足首周囲の筋肉が機能していないことが考えられました。
手術直後に安静にし過ぎたのか、運動量が足りなかったのか、手術したアキレス腱の周囲は硬く滑走性が低下していました。
健側と比べても背屈、底屈どちらの可動域も低下し、瘢痕組織が固く癒着しているように感じました。
筋肉の機能も底屈と背屈だけでなく、内反外反もほとんど力を入れることができていませんでした。
最初のリハビリでは、まず足関節の正常な可動域を獲得するために、アキレス腱周囲の硬さを取り除くことを目的としました。
同時に、機能していない筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、足趾屈筋群、足底内在筋など)を個別にトレーニングし、足関節が本来持つ動きを一つ一つ再習得しました。
アキレス腱の硬さと足首周りの動作が改善し、筋力も徐々に増え始めると、少しずつ歩行やカーフレイズも改善していきました。
基本的な足首の動作が問題なくできるようになってから、少しずつバスケ復帰に向けたジョギングなどの動作を練習し、アキレス腱に負荷をかけ過ぎないよう注意しながら、バスケの動きが全て不安なく出来るようになるまでリハビリを継続していきました。
バスケへの想い

お任せするっていうか、ここでダメだったらもうダメかなみたいな覚悟で実を言うとここに来ました。
始めはすごく後ろ向きで「大丈夫かな、不安だな」とか思っていましたが、8ヶ月経って今はすごく前向きな気持ちです。
皆さんもすごく誠実にご指導していただいて、プロの選手でもないんですけど、一人間が普通にスポーツできるっていう、バスケができるっていう喜びは今でも変え難いですし、やはりそこでは8ヶ月過ごしたというのは大切な時間だったのかなと感じます。
「怪我してよかった」みたいな、そう思える瞬間をこの8ヶ月過ごさせてもらったのかなといったところは本当にありがたいと思っています。
最初はまともに歩くこともできていない状態だったので、何とかしてあげられないかと頭をフル回転させてリハビリメニューを考えました。
Yさんのようにスポーツを人生の生きがいにしている方も非常に多いので、プロやアマチュアという区別をせずに、全ての人が自分の好きなスポーツに復帰できるようにこれからも寄り添ったリハビリを提供していきたいです。
今後の目標

アキレス腱断裂のリハビリは終わるんですが、今後もいろんなところで身体の問題点が出てくると思うので、たまにお邪魔させていただいてグレードアップできるようにしたいなと思っております。
どうしても年を取ると老化して、どんどん体力とか筋力とか落ちてはくるんですけど、そこには負けないぐらいの知恵とアイデアを皆様からいただいて、1日1日楽しんでいきたいなと思っています。
もう一度同じ怪我をしないよう気をつけるのはもちろんですが、それ以上にバスケを思う存分に楽しんでいただきたいと思います。
これからも長くバスケが続けられるように、定期的に状態チェックをさせていただきますので、これから引き続きサポートさせていただきます。
スポーツ復帰を目的とした専門的なリハビリを試されたい方は、ぜひ一度ご相談ください
他の改善事例はこちらからご覧になれます。
関連する記事
-
2025.12.23
『ここでダメだったらバスケを諦めた』アキレス腱断裂に対するリハビリの感想








