2025.10.15
四十肩・五十肩
四十肩は治るの?完治までの期間と改善のためにやるべきこと

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
40代以降に肩の痛みや動かしにくさを感じ、「四十肩かもしれない」と思う方は多いでしょう。
四十肩(肩関節周囲炎)は、肩の関節やその周辺組織に炎症が起こることで生じます。
その症状は日常生活に支障をきたし、不安を感じる人も少なくありません。
本記事では、四十肩が治るまでの期間と、症状を改善するためにできることを解説します。
四十肩は治るの?
結論から言うと、四十肩はほとんどの場合、時間と適切なケアによって自然に治癒する事が多いです。
ただし、回復には個人差があり、数ヶ月で治る人もいれば、1〜2年かかる場合もあります。
四十肩の進行は以下の3つのステージに分けられます。
- 急性期
- 拘縮期
- 回復期
急性期(痛みのピーク)
肩の激しい痛みが特徴で、特に夜間に痛みが強くなることがあります。
この期間は数週間から数ヶ月続きます。
拘縮期(肩の可動域が制限される時期)
痛みはやや軽減するものの、肩が硬くなり、腕を上げたり後ろに回したりする動きが制限されます。
この状態は数ヶ月続くことが一般的です。
回復期(動きが戻る時期)
痛みがさらに軽減し、肩の動きが少しずつ戻ってきます。
完全に治るまでにはさらに数ヶ月を要することがあります。
四十肩の完治までの期間
四十肩の回復期間は、軽度の場合であれば6ヶ月程度、重度の場合は1〜2年に及ぶことがあります。
自然治癒を待つだけでも治る可能性はありますが、その間に適切な対応をすることで、痛みを和らげたり回復を早めたりすることが期待できます。
改善のためにやるべきこと
四十肩の症状を和らげ、日常生活の負担を軽減するためには、次のような取り組みが役立ちます。
- 安静を保つ
- 適切な運動とストレッチ
- 温熱療法
これらの方法によって痛みや動きの緩和や改善が見込めます。
安静を保つ
急性期の激しい痛みの際には、肩に負担をかけないよう安静を心がけましょう。
無理に肩を動かすことで炎症が悪化する可能性があります。
適切な運動とストレッチ
拘縮期や回復期に移行したら、肩周りの柔軟性を取り戻すための運動やストレッチを取り入れましょう。
運動やストレッチをすることで患部への血流促進、可動域の改善が見込めます。
温熱療法
お風呂で温まったり、ホットパックを使って肩を温めることで血流を促し、筋肉の緊張を和らげます。
これにより、痛みが軽減し、肩の動きが改善することがあります。
医師や理学療法士の指導を受ける
症状が長引く場合や、日常生活に大きな支障をきたす場合は、整形外科やリハビリ専門の施設で相談しましょう。
専門家の指導のもと、理学療法や薬物療法を併用することで、より効果的な改善が期待できます。
やってはいけないこと
四十肩には改善を妨げる行動もあります。
以下のようなことは避けましょう
痛みを感じるほどの無理な動作
ストレッチや運動をすることで可動域の改善が見込めます。
しかし、痛みを我慢して肩を無理に動かすと、炎症が増悪するなど、症状が悪化する恐れがあります。
冷やしすぎる
炎症が強い時には冷やすことで痛みの緩和や炎症の鎮静が期待できます。
しかし、炎症期が過ぎた後に冷やしすぎると筋肉が硬くなり、可動域の回復が遅れることがあります。
症状の時期や状態に合わせて処置をする事が大切です。
まとめ
四十肩は、ほとんどの場合、時間の経過と適切なケアによって自然に治癒します。
ただし、症状を放置せず、運動や温熱療法を取り入れることで、回復を早めることができます。
また、症状が重い場合や長引く場合は、医療機関を受診して専門家のアドバイスを受けることが大切です。
四十肩の症状に悩んでいる方は、無理をせず、自分に合ったペースで改善を目指しましょう。
時間をかけて取り組むことで、痛みのない快適な生活が取り戻しましょう。
四十肩についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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