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Case Study 症状別事例

2024.11.25

変形性膝関節症

変形性膝関節症の方が避けるべき「してはいけない運動」とは?

執筆大澤 亮(理学療法士)

有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り、痛みや腫れ、動きの制限が生じる病気です。

痛みの緩和や病気の進行を防ぐために、適切な運動は重要ですが、一方で膝に負担をかけすぎて悪化させるリスクのある運動もあります

この記事では、変形性膝関節症の方が「してはいけない運動」を紹介し、膝の健康を守りながら行える運動のポイントについても解説します。

変形性膝関節症で避けるべき運動

変形性膝関節症の方はにとって、運動することは重要なのですが、運動の種類・強度・方法を間違えると膝に大きな負担がかかり、変形性膝関節症を悪化させてしまう可能性があります。

  • ランニングやジャンプなどの衝撃の強い運動
  • スクワットやランジなどの深く膝を曲げる運動
  • フットサルやテニスなどの方向転換が多い運動
  • ウェイトトレーニングの一部(高重量のレッグプレスやスクワットなど)

これらの運動は変形性膝関節症を悪化させる可能性があるので注意が必要です。

ランニングやジャンプなどの衝撃の強い運動

ランニングやバスケットボール、バレーボールといった膝に繰り返し衝撃が加わる運動は、変形性膝関節症の方には避けるべきです。

これらの運動は地面からの反発力が膝に伝わり、関節を圧迫して軟骨の摩耗を進める恐れがあります

特に硬い地面でのランニングは衝撃が大きく、膝に余計な負担をかけやすいので要注意です。

スクワットやランジなどの深く膝を曲げる運動

筋トレとして有効なスクワットやランジも、変形性膝関節症の方にはリスクがあります。

これらの動作は膝に強い圧力がかかり、特に深く膝を曲げるほど負担が増します。

日常的な筋力維持には重要な運動ですが、膝の状態に応じた負荷調整が必要です。

膝に強い痛みがある場合は避け、医師や専門家の指導のもとで適切なフォームと負荷で行うようにしましょう

フットサルやテニスなどの方向転換が多い運動

フットサルやテニスのように方向転換を繰り返す運動は、膝関節に大きな負担をかけます。

方向転換時に膝を捻る動作が加わり、膝の軟骨や靭帯にストレスがかかるため、症状を悪化させる原因になります。

さらに、これらの運動は瞬発的な力が必要となるため、膝に一時的に強い負荷がかかり、症状が進行しやすくなります。

高重量のウェイトトレーニング(レッグプレスやデッドリフトなど)

ウェイトトレーニングのうち、特に膝に負荷が集中する高重量のレッグプレスやデッドリフトは避けるべきです。

これらのトレーニングは荷重をかけた状態で膝の曲げ伸ばしを行うことで、膝に大きな力が加わり、軟骨がすり減りやすくなります。

筋力アップを目指す場合には、膝への負荷が少ない方法で行うことが推奨されます

変形性膝関節症におすすめの運動

膝への負担を減らしながら、筋力を維持できる運動も存在します。

以下の運動を日常生活に取り入れることで、膝を保護しつつ健康を維持することが可能です。

  • ウォーキング
  • 水中ウォーキングやアクアエクササイズ
  • エアロバイク
  • ストレッチやヨガ
  • 専門家のもとでの筋力トレーニング

これらの運動は過度に膝にストレスがかからず、筋力増強や可動域の拡大が期待できます。

ウォーキング

ウォーキングは膝に過度な負担をかけずに、筋力と柔軟性を向上させるのに適した運動です。

急なスピードアップはせず、一定のペースでリズムよく歩くようにしましょう。

クッション性の高いシューズを履くことで、膝への衝撃をさらに軽減できます。

水中ウォーキングやアクアエクササイズ

水中運動は水の浮力が膝への負担を和らげてくれるため、変形性膝関節症の方に適しています。

水中ウォーキングやアクアエクササイズは、膝に優しい負荷で筋力を鍛えることができるため、膝に違和感がある方にも取り組みやすいです。

水中での運動は関節をサポートし、痛みを感じにくい環境で体を動かすことができます

エアロバイク

エアロバイクは膝を安定させたまま、筋力を鍛えるのに効果的です。

ランニングのように地面からの衝撃がないため、膝への負担が少なく、長時間の運動も可能です。

負荷を軽めに設定し、リズムを一定に保ちながら行うと膝を痛めにくくなります。

ストレッチやヨガ

膝周りの筋肉や関節の柔軟性を保つために、ストレッチやヨガもおすすめです。

無理のない範囲で関節の可動域を広げることで膝の負担を軽減できます

膝への負荷が少ないポーズや、サポートを活用したストレッチを取り入れると、変形性膝関節症の改善に役立ちます。

専門家のもとでの筋力トレーニング

膝周りの筋力が低下しているので筋力をつけることは重要ですが、運動の方法を間違えると、関節軟骨へのダメージが大きくなってしまうため、正しい運動を正しい負荷と正しい運動フォームで行うことが大切です。

専門家の指導のもとでの筋力トレーニングや動作改善は膝へのダメージを考慮しながら効果的に可動域、筋力の向上が見込めます

まとめ

変形性膝関節症を抱える方は、膝への衝撃や過剰な負荷がかかる運動を避け、無理なく筋力を維持できる運動を選ぶことが大切です

運動は適切に行えば、関節の痛みを軽減し、症状の進行を防ぐサポートにもなります

自分の膝の状態に合った運動を行い、変形性膝関節症とうまく付き合っていきましょう

また、運動を開始する前に専門家に相談し、アドバイスを受けることで安心して、効果的にリハビリを取り組むことができます。

変形性膝関節症についてより詳しく知りたい方は、こちらも参考ください。

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