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Case Study 症状別事例

2024.03.08

人工股関節

人工股関節置換術

執筆大澤 亮(理学療法士)

有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。

人工股関節置換術(THA)は痛んでしまった股関節を人工的に作られた股関節に入れ替える手術のことです。

お医者さんから人工股関節置換術を提案された方は、「自分の体の中に金属を入れて大丈夫?」と不安になる方がほとんどです。

また、手術を受ければ本当に良くなるのか?何か危険性はないのか?と思うこともあるかと思います。

このページでは神戸三宮で活動する理学療法士が、人工股関節に関するこのようなお悩みを解決するための情報を紹介しています。

記事の内容
  1. 人工股関節置換術に関する最新情報を知りたい
  2. 人工関節にするメリットやデメリットを知りたい

人工関節置換術を受けるかどうかの判断は、人生における一大決心だと思います。

“手術”自体に抵抗感を覚える方もいらっしゃると思いますが、一度受けてしまえば大きな痛みの改善が見込めます。

一方で、”手術を受ける前に少しでもリハビリやトレーニングを頑張ってみて、どうしても改善できなければ手術を受ける”という選択をされる方も多いです。

このページをご覧になって、少しでも人工股関節置換術への理解が深まり、ご自身にとって最善の選択をしていただければ何よりです。

人工股関節置換術後のリハビリ体験談

50代女性Rさん
Rさんは人工股関節置換術後の歩きにくさと、足底筋膜炎にお悩みでした。手術からすでに10年以上経過していましたが、筋力が戻らずに股関節が安定せず、それが原因で足裏にも痛みが出ている状態でした。足裏へのリハビリを行いながら、根本的な問題だった股関節の筋力強化を同時進行で取り組みました。10年ぶりのリハビリでしたが、筋力が上がると同時に足底筋膜炎の痛みは軽減し、歩き方にも大きな改善が見られました。
体験談を詳しく読む

人工股関節とは

人工関節置換術とは形性関節症やリウマチなどの疾患によって関節の中の軟骨がすり減ってしまい痛みを伴う方に対する。最終的な治療手段です。

人工関節置換術を受けると痛みを感じていた骨自体が金属に代わるため確実に関節の痛みをとることができます

人工股関節置換術では変形性股関節症によって痛みが出ている関節を人工関節に置き換えます。

歩行や動作での痛みが取れることで困難だった運動や動作が容易になります。

股関節の痛みは確実にとることができるため関節軟骨がなくなり関節に痛みが出ている方には有効な治療法です。

変形性股関節症について

人工股関節をする最も多い要因は変形股関節症です。

変形性股関節症とは加齢などによる関節軟骨の変化をきっかけに股関節の関節破壊・変形をきたす疾患です。

変形性股関節症は原因がはっきりとしない一次性と何らかの疾患・病態に続発する二次性に分けられます。

二次性では臼蓋形成不全、発育性股関節形成不全、ペルテス病などが挙げられます。

日本で変形性股関節症の有病率は約1.0~4.3%で、男性は0~2.0%、女性は2.0~7.5%と女性の方が多いです。

また、発症年齢の平均は40~50歳です。

特徴として「痛み」「可動域低下」「筋力低下」「歩行障害」な

どがあります。

「痛み」以外の症状は人工股関節置換術を行ってもすぐに改善はしない可能性が高いです。

人工股関節の注意事項

人工股関節置換術後に1番注意しなければならないことは脱臼しないことです。

人工股関節置換術すると手術前の状態と異なり、股関節が脱臼してしまうというリスクがあります。

例えば、深く股関節を曲げすぎない膝が内側に入らないようにする足を大きく後ろに引かない等脱臼するリスクを減らすような運動を入院中にしっかり身につけておくことが大切です。

しかし、脱臼に注意しすぎて運動量が低下したり何をしていいかわからない状態が続くと筋肉の硬さがより硬くなってしまったり、筋力が低下してしまったりするため、股関節の痛みが取れても別の痛みが出てしまう可能性もあります。

人工股関節の脱臼について

何故人工股関節は脱臼してしまうのでしょう。

股関節は臼蓋という受け皿と骨頭という大腿骨の球状の部分によって構成される関節です。人工股関節ではこの臼蓋と骨頭の根元がぶつかることで脱臼してしまうのです。

さらに、手術の際に関節周囲の筋肉や靭帯を切ってしまうため脱臼を抑え込む組織も弱くなってしまっていることでより脱臼しやすくなります。

では、人工股関節置換術後どれくらいの確率で脱臼するのか見てみましょう。

  • 1回目の人工股関節置換術後の脱臼率は 0.6%
  • 人工関節再置換術後の脱臼率は 20.0%

再置換術の方が圧倒的に脱臼率が高いのが分かります。

また、術後の経過年月でも脱臼率は異なります。

脱臼例の中で経過年月の割合を見ましょう。

  • 術後1ヶ月以内の割合は70%
  • 術後1〜4ヶ月以内の割合は 89%

術後半年以降での脱臼は極めて稀

これらのデータから見られるように転倒などを除けば、正しく運動をすれば、それほど怖がらなくてもいいという事です特に手術後半年以上たてば手術で切った筋なども回復し、脱臼するリスクもかなり下がります。

人工股関節のメリットデメリット

人工股関節にはもちろん良い点と悪い点があります。

それぞれを比較して紹介していきます。

メリット

痛みがなくなる

人工股関節の1番のメリットは関節の痛みがなくなるという点です。

軟骨がなくなり、関節自体が痛みを出している場合、骨が当たって痛みを出しているためリハビリや運動のみで痛みをとりきることは困難です。

人工関節をすれば関節の痛みを感じるものがなくなるため関節の痛みはなくすことが可能です。

活動量が増加する

痛みが取れたことによって活動量が増加することが考えられます。

股関節が痛くて今までできていなかったスポーツに復帰できたという例も多数あります。

例えばゴルフ、水泳、ウォーキングなど手術前からしていた方、手術の後から始めてみたなど運動量の増加が見込めます。

バレーやバスケットボールも激しく何度も飛ばない、休憩をしっかり挟む、激しく人とぶつからない等を守れば趣味として継続されている方もいます。

注意するのはマラソン等強い外力が繰り返し加わるスポーツは人工関節の摩耗や消耗が激しくなるため避けた方がいいと言われています。

しっかりリハビリをして不安を取り除けばスポーツや運動を楽しむことは可能です。

運動量が増加することで筋肉量が増え全身の健康状態が向上します。

デメリット

手術をすることによる身体的負担

手術をすることによる身体的負担が生じます。手術後間もない時期は手術による痛みが強く出ます。

手術後もすぐによくなるわけではなく、問題なく運動するまでに約6か月間のリハビリが必要となります。

脱臼のリスク

上記したように人工股関節にすることで股関節の脱臼というリスクが生じます。

しかし、時間が過ぎるにつれて徐々にリスクは軽減していきます。

足の長さの変化

脚長差ができてしまうことも人工股関節の特徴です。

足の長さは平均2~3㎝程度左右で異なることが多いです。

脚長差に関しては気にならない方とどうしても気になる方がます。

運動療法によって徐々に気にならなくなることも多いです。

人工股関節後の運動

人工股関節置換術後の運動で何をしてはいけないのか、どんな運動をしたらいいのかわからず困っている方もいると思います。

手術後重要なのは必要な可動域を獲得すること、術後早期に生活動作を獲得することです。

術後早期では足を外に開くための可動域を特に優先して獲得する必要があります。

人工股関節の特性上、足を外に開いて運動すると脱臼することがないためにあらゆる生活動作で足を開いて動作を行います。

術後間もない期間は特に脱臼に気を付けて生活しなければいけないのでできるだけ早く可動域の獲得が必要です。

例)

  • 靴を履く
  • 足の爪を切る
  • 物を拾う

これらの運動を問題なく安全に行えれば基本的に生活動作での可動域は問題ありません。

手術してから時間がたてば徐々に運動負荷を上げて活動量を増やす必要があります。

特に脱臼のリスクが低下してからは歩行距離を伸ばしたり弱くなっている筋肉を強くする必要があります

人工股関節後の方は手術方法や手術前の活動量なども関係しますが臀部の筋力低下がよく見られます。

筋力低下が原因で歩行障害が残ってしまうことがあり、歩きにくさを感じることがあります。

弱くなった筋肉をしっかり鍛えることで歩行の改善や活動レベルの向上が見込めます。

人工関節後のスポーツ活動についてはこちらの記事に詳しく紹介していますので知りたい方はご覧ください。

人工股関節のリハビリ

人工股関節置換術後のリハビリでは、以下のようなリハビリが一般的で、特に可動域と筋力の改善が重要です。

  • ストレッチ
  • 筋力トレーニング
  • 動作指導

関節の可動域を広げるためのストレッチ、筋力増強のためのトレーニング、どちらも大切なので、日常的に取り組めるよう習慣化しましょう。

このページでは、ご自宅でもお試しいただけるエクササイズをいくつか紹介します。

ストレッチ

手術前からの硬さ、手術によって固くなった部分に対して的確なストレッチを選択することが大切です。

バランスボール開排

  1. 上向きに寝ころびバランスボールに両足を乗せる
  2. 足を外向きに開きながらできるだけボールを体に近づける

お辞儀エクササイズ

  1. イスに座り足を大きく開く
  2. 足の内側をなぞるようにかかとに向けて手を伸ばす

筋力トレーニング

痛くて使えなかった筋肉や、手術によって弱くなった筋肉を選択してトレーニングをしましょう。

プランク

  1. うつ伏せで両肘とつま先を床につける
  2. 腰を上げて身体を一直線に保つ

股関節外転トレーニング

  1. 膝を伸ばして横向きに寝ころびます。
  2. 膝を伸ばしたまま足を上に挙げます。

※チューブがなければ何もなくても可能です。

動作指導

動作指導では歩き方の修正、生活で痛みが出る動作などに対して痛みが出ないような動作を学習し痛みなくほかの部位に負担がかからないように修正が必要です。

人工股関節に対するインソールについて

人工股関節にすると左右の足で足の長さが異なる場合があります

通常2~3㎝程度の差になることが多いです。2~3㎝程度であれば運動療法、動作訓練等で違和感がなくなる人もいます。

しかし、足の長さが異なることの違和感は本人の主観となるため個人差が大きいものです。大きな差があっても気にならない方もいれば、小さな差でも気になる方もいます。

そのような場合足の長さを合わせるためにインソールを靴の中に入れるのも一つの手段です。インソールを入れることで足の長さの違和感はなくすことはできます。

しかし、自分の能力で戻ったわけではないためインソールを入れている間のみ効果があるという点もあります。なので一度運動療法を試してみてだめなら考えてみるというのもありかもしれません。

人工股関節置換術まとめ

人工股関節置換術とは、痛んだ股関節を人工関節に取り替えることで痛みを改善する手術です。

人工股関節のメリット
  • 痛みの改善
  • 活動量の増加
  • スポーツ復帰
人工股関節のデメリット
  • 身体的な負担
  • 脱臼のリスク
  • 足の長さの変化
人工股関節のリハビリ
  • 可動域の改善
  • 筋力の強化
  • 動きの改善

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Lifelongにはこのような理由で多くの方にご利用いただいています。

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Lifelongでは自分が信頼できるトレーナーを自分で選ぶことができる点が喜ばれています。

トレーナー紹介

根本治療が前提の治療方針

治療で痛みを改善するのは当然ですが、みの根本的な原因を治療することが大切です。

身体の痛みは、痛みのある部位だけが原因とは限りません。

例えば人工股関節の場合は、股関節周りの可動域改善、筋力強化はもちろんですが、人工関節に負担がかかり過ぎないように周囲の関節を鍛えることも大切です。

股関節の上下にある腰や膝関節も鍛えることで、人工関節の過度な摩耗を防ぐことができます。

また、手術を受けた箇所の局所的なリハビリだけでなく、歩行や動作の改善にも取り組み、手術前の状態にできるだけ近づくことを目指します。

Lifelongの治療方針は痛みの改善だけでなく、痛みの原因を根本から改善することです。

手術した股関節の改善だけでなく、股関節に負担のかからない身体づくりが大切です。

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Lifelongでは欧米で使用されている最先端治療を行なっています。海外の医学論文によって効果が実証された治療を行うことで、正しく効果的に怪我を治すことができます。

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Lifelongでは”この怪我にはこのリハビリ”というように決まったメニューはありません。一人一人の身体をしっかり確認し、身体と症状に合わせたリハビリをオーダーメイドで作成します。

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