2021.12.14
トレーニング
妊活トレーニングで妊娠しやすい身体を作ろう!
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
どれだけ子供が好きで欲しいと思っても、誰もがすぐに赤ちゃんを授かれるわけではありません。アメリカの研究によると、現在は15%もの夫婦が不妊に悩んでいるそうです。
この記事では、トレーニングや運動がどれだけ妊活に効果的かということを紹介しています。妊娠後のマタニティトレーニングについてはこちらをご覧ください。
>> 理学療法士が教えるマタニティトレーニング
結論から言うと、トレーニングにはこのような妊活効果があると証明されています。
妊活トレーニングの効果
- 排卵障害の可能性が下がる
- 妊娠率が上がる
- 不妊治療の成功率が上がる
- 早産の可能性が下がる
- 肥満を改善できる
神戸三宮エリアにお住まいの方で妊活トレーニングに興味を持たれた方は、ぜひ当ジムを頼っていただけると嬉しく思います。
目次
妊活トレーニングの効果
妊娠目的に限らず、習慣的な運動が身体に良いことは皆さんご存知だと思います。
トレーニングをすることで、体力や筋力が付きますが、不妊治療という点ではどのような効果が期待できるのでしょうか?
最新の医学論文では以下のような効果が報告されています。
- 排卵障害の可能性を下げる
- 多嚢胞性卵巣の改善
- 早産の可能性を下げる
- 妊娠率を上げる
- 体外受精の成功率が上がる
特に重要なのは、トレーニングを行うことで排卵障害になる可能性が低下する点です。
妊娠適齢年齢女性の12〜18%は多嚢胞性卵巣(PCOS: Polycystic Ovary Syndrome)という排卵障害に悩まされています。
多嚢胞性卵巣になると、無月経や無排卵月経になってしまい、妊娠しにくい身体になってしまいます。
適度に身体を動かすことが、排卵障害予防に効果的です。
また、トレーニングをすることで体外受精の成功率が上がるというレポートもあります。
体外受精が成功した人の中で、トレーニングをしている人の妊娠率は39%だったのに対し、何もしていない人は16%でした。
また、出生率で比較しても、運動した人が24.4%に対して、運動していない人が7.4%という結果でした。
このように、妊活中にトレーニングを行うことで、赤ちゃんを授かる確率が大きく上がることが証明されています。
1つ注意点があるのですが、トレーニングの強度は”中程度”が望ましいとされていて、運動が軽すぎると、妊活への効果は期待できないと言われています。
また、妊活トレーニングは女性だけでなく男性向けの妊活としても効果的です。
医学論文で報告された内容によると、男性が習慣的にトレーニングを行うことで、以下のような効果があるそうです。
1回1時間 × 週3日の運動で精子の質が3倍になる
- 精子の形態が向上
- 精子の量の増加
- 精子濃度の増加
- 精子速度の向上
ネズミを使った研究では、肥満状態のネズミに対して、運動に加えて食事を改善することで精子の運動性、形態が向上し、精子のDNA損傷が減ったという報告もあります。
妊活目的でトレーニングをするときは、女性だけでなく男性も一緒に取り組むことが、妊娠率をより高めるために大切です。
肥満が妊活に与える悪影響
妊活を行う上で、目を背けてはいけないのが肥満の改善です。
肥満とは、体重kg÷(身長m) ²で計算されるBMI(Body Mass Index)を使って定義されます。
BMI
低体重:18.5以下
普通体重:18.5〜25
肥満:25以上
とても心苦しいのですが、太っているというだけで、妊娠する可能性は大きく低下してしまいます。
また、肥満が妊娠率に与える影響は、女性に限定したものではなく、男性の肥満も大きく関係しています。
それでは肥満によってどれだけ妊娠が困難になるかを説明します。
- 流産確率が1.3倍に増加
- 早産が早くなり、繰り返しやすくなる
- BMIが上がるほど着床率低下
- 1周期あたりの妊娠率低下
- 卵胞の質低下
- ホルモンバランスが崩れる
- 多嚢胞性卵巣の可能性増加
- 高インスリン血症のリスク増加
非常に多くのデメリットがあると驚かれるのではないでしょうか?もう少しわかりやすくするために、順を追って解説していきます。
まず初めに、”肥満によって妊娠しにくい身体”になってしまいます。
体内のホルモンバランスが崩れ、先に紹介した排卵障害である多嚢胞性卵巣になりやすくなってしまいます。
多嚢胞性卵巣患者の30%〜50%は肥満であることが報告されています。
肥満の中でも、特にお腹周りに脂肪が多いと、高インスリン血症になりやすいようです。
この影響もあり、肥満女性の卵胞は普通体重の女性に比べて質が低下してしまいます。
BMIの数値が上がるにつれて着床率も低下し、特にBMIが30を超えると妊娠率が低下するという報告があります。
1周期あたりの妊娠率も、普通体重女性が45.5%に対して肥満女性は38.3%と差があります。
さらに、流産確率も10.7%と比較して13.6%と約1.3倍も高くなってしまいます。
肥満だと流産になる時期も早くなり、繰り返しやすくなることも明らかになっています。
もちろん肥満は女性だけの問題ではなく、男性の妊活にも影響を与えます。
女性に比べて男性肥満と妊娠率の関係性を調べた論文は少ないですが、肥満男性の精液の質が普通体重男性に比べて3分の1も低いという研究結果が報告されています。
精液の質が3倍も違うということですが、具体的に説明します。
まず、肥満男性の精液の濃度、運動性が低下し、精子のDNA損傷が多く見られるようです。
さらに、精子自体の生産性も低下するので、妊娠率を低下させてしまいます。
また、男性が肥満になると勃起障害(ED)になりやすく、妊活自体が困難になる場合もあるそうです。
男性肥満の影響
- 精子濃度が低下
- 精子の運動性が低下
- 精子のDNA損傷が増加
- 精子の生産性が減少
- 勃起障害になりやすい
肥満というだけで、妊娠に対してこれだけ多くのデメリットを受けてしまいます。
ただでさえ不妊治療の成功率は高くないのに、太っているとさらに妊娠する可能性は低くなってしまいます。
肥満改善で妊娠率アップ
男女共に肥満になってしまうと妊娠しにくい身体になってしまうことがわかりました。
しかし、肥満だった女性が体重を落としたら妊娠率が大きく向上したことが報告されています。
- 排卵障害で多嚢胞性卵巣になり、無排卵だった女性18人中9人が2〜5%の減量をしたら、排卵を再開させることができた。
- 67人の無排卵だった女性が6ヶ月間の運動で減量した結果、そのうち60人が排卵を再開し、52名が妊娠、うち18人は減量直後に妊娠が判明した。
2つ目の研究では、初めの段階で87人の参加者がいましたが、20人は途中でトレーニングをやめてしまったそうです。この20人の中で排卵再開、妊娠した人は1人もいませんでした。
この結果を見ると、肥満が妊娠率に大きな影響を与え、減量がどれだけ効果的な妊活かということを証明しています。
妊活中は食事制限をしないように!
肥満解消が妊活では非常に大切ですが、最近よく見られる過度な食事制限制限によるダイエットは妊娠を妨げてしまう可能性があります。
妊娠成功率を上げるためには、体内に十分な栄養が蓄えられている必要があります。
しかし、食事制限によってある栄養素が極端に少なかったり、多かったりすると体内の栄養バランスが崩れてしまいます。
例えば、糖質制限ダイエットをしていると、体内の糖質は足りておらず、タンパク質と資質が過剰にある状態です。
このように体内に特定の栄養素が少ない状態は妊娠率を下げてしまうので注意してください。
妊活中に積極的な摂取を勧められている栄養素には、以下のようなものがあります。
- 葉酸
- ビタミンB12
- オメガ3脂肪酸
- 鉄分
- 植物性タンパク質
- 高脂肪乳製品
妊娠するためには、体内に十分な栄養を確保することが重要です。
減量を目指すときは食事制限をするのではなく、トレーニングで消費カロリーを増やすようにしましょう。
妊活トレーニングの注意点
妊活中に運動すること、減量することの大切さを説明しましたが、トレーニングをするときの注意点があります。
強度の高すぎる運動
論文によると、強度の高すぎる運動をしてしまうと、逆に妊娠率を下げてしまうことが報告されています。
例えば、毎日の運動や一度に長時間の運動は身体への負担が強く、強度が強すぎると体内のエネルギーバランスに支障をきたしてしまいます。
妊娠するために身体を整えるための栄養が、疲れた身体を回復するために使われてしまうため、視床下部昨日の低下や月経異常を引き起こしてしまうことがあります。
これは男性にも当てはまることで、強度の高すぎる運動で身体に負担をかけてしまうと、精子の質が低下してしまうと言われています。
妊活トレーニングまとめ
最後に、今回紹介させていただいた妊活トレーニングのポイントをまとめさせていただきます。
- 排卵障害の可能性が下がる
- 妊娠率が上がる
- 不妊治療の成功率が上がる
- 早産の可能性が下がる
- 肥満を改善できる
身体を動かすことで赤ちゃんを授かる可能性が大きく上がることがわかりました。
不妊治療やサプリメントで妊娠を目指す人は多いですが、トレーニングで自分の身体を整えることも効果的です。
トレーニングをする習慣のない人には面倒に感じてしまい、重い腰が上がらないかもしれません。
しかし、妊活の根底にある最も大切なことは、健康的な身体です。ぜひ、今取り組んでいる妊活にトレーニングを追加することで、少しでも妊娠する可能性を高めていただきたいです。
Lifelongの妊活トレーニング
神戸三宮のLifelongで行っている妊活トレーニングは、一人一人の身体に合わせてメニューをオーダーメイドで作成いたします。
それぞれの身体の状態を細かくチェックし、体格や身体の特徴に合わせて無理なく安全に取り組めるエクササイズを選んで運動指導させていただきます。
ヒアリング
- 妊娠周期
- 身体の状態
- 身体の悩み
まずは健康状態と身体の確認を行います。
不妊治療の経過状況によっては、激しい運動が適切ではない場合もありますので、現在の状況を詳しく教えていただきます。
BMIが普通体重を超えていたり、下回っている場合は、適正体重まで何kg変動させる必要があるかを計算し、トレーニングの目標として設定します。
身体のチェック
- 関節の
- 関節の可動域
- 筋肉の張り
- 筋力チェック
- 身体の痛み
次に身体の状態を確認します。関節の可動域や筋肉の強さ、柔らかをチェックし、身体に合わせたトレーニングメニューを作成します。
妊活のためにただ体重を変化させるのではなく、トレーニングによって硬い関節や衰えた筋肉も同時に改善できるメニューを作成します。
妊活トレーニングで特に注意しなければいけないのは、運動強度です。
トレーニングが楽すぎたら効果が期待できず、強度が高すぎると万が一妊娠したときに悪影響が出てしまうかもしれません。
トレーニング期間中に妊娠することを十分考慮して、キツすぎずに楽すぎない”中程度”の運動強度設定が大切です。
トレーニング指導
- 安全で正しい動き方の習得
- 効率的に鍛えられるメソッド
身体の状態に合わせたエクササイズを選び、個別で丁寧に運動指導をします。
特に、いつ妊娠しても大丈夫なように、お腹に負担のかかりすぎないように注意します。
短い時間で効率的にカロリーを消費できるタバタ式トレーニングなどを取り入れ、効果的に体重を減らしましょう。
自宅用トレーニング紹介
- 自宅で行えるトレーニングの指導
トレーニングを毎日する必要はありませんが、ストレッチなど簡単な運動を家でも行うことで、運動効果はさらに上がります。
ご希望の方には、自宅でも安全に行える簡単なエクササイズをお教えします。
妊活トレーニングのポイント
Lifelongの妊活トレーニングで大切なポイントをまとめます。
- 理学療法士による安全なトレーニング指導
- 一人一人の身体に合わせたオーダーメイドメニュー
- 医学論文をもとに作られた妊活専用トレーニング
神戸三宮で妊活トレーニングを受けませんか?
神戸三宮のLifelongでは、実績のある理学療法士による妊活トレーニングを受けることができます。
- 実績ある理学療法士に運動指導してほしい
- 妊活に詳しい人のトレーニングがいい
- 妊娠したときのために負荷の強過ぎない運動がいい
- 食事制限せずに減量したい
- 駅近でアクセスのいい場所で運動したい
このような希望をお持ちの方は、ぜひLifelongへご相談ください。
医療従事者である理学療法士が、最新の医学論文から得た知識を活かして一人一人の悩みに寄り添った妊活トレーニングを指導します。
女性利用者が全体の85%もいる、女性に人気のフィットネスジムなので安心してご利用いただけます。
実績あるトレーナー
Lifelongにはヨーロッパで理学療法を学び、国内外のプロスポーツや東京オリンピックで活躍したトレーナーや、有名スポーツ整形外科でリハビリを学んだ実績のあるトレーナーが所属しています。
海外で学んだ理学療法士や、病院でリハビリを学んだ理学療法士など、ご自身の希望するトレーナーを指名してリハビリ指導を受けることができるのが当店の特徴です。
神戸の数ある治療院を探しても、自分が希望する理学療法士から直接運動指導を受けられるのは当店だけです。
Lifelongのサービス
ぜひLifelongのオーダーメイドトレーニングで、妊活のための身体作りに取り組んでください。
まずはご気軽に、無料体験からご相談ください。
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