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Case Study 症状別事例

2022.03.25

肩こり

ストレートネックが原因で肩こりになってしまう理由を解説

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。専門は"病院で治らなかった身体の痛み"のリハビリ。

ストレートネックはその名のとおり、首のカーブがなくなって真っ直ぐになってしまう姿勢不全です。

特に肩こりの人やデスクワークが多い人によく見られます。

この記事ではヨーロッパで学んだ理学療法士が、このようなお悩みを解決するための最新情報をまとめています。

記事の内容
  1. ストレートネックが肩こりに与える影響を知りたい
  2. ストレートネックを改善したい
  3. ストレートネックが原因の肩こりを改善したい

ストレートネックは現代を代表する姿勢不全です。

姿勢の悪さが原因で起こるので、ストレートネックを改善するためには正しい姿勢を身につけることが必須です。

適切な筋肉をストレッチしたり、トレーニングで鍛えて根本的な解決を目指しましょう。

この記事を読み終えるとストレートネックへの理解が深まり、治すためには何が大切か?ということがわかるようになります。

ぜひストレートネックを改善して、背筋の伸びた美しい姿勢と肩こりのない身体を手に入れてください。

ストレートネックに限らず、肩こりを改善するための情報が必要な人はこちらの記事をご参考ください。

ストレートネックとは?

まず初めにストレートネックについて簡単に説明します。

ストレートネックとは姿勢不全のひとつで、名前のとおり首がまっすぐに伸びてしまった状態を言います。

人間の背骨は横から見た時にS字のカーブを描くように曲がっています。

具体的には、頸椎と胸椎は後ろに曲がり、腰椎は前に曲がっています。

背骨はS字のカーブを描くことで、重力による負荷をうまく分散させています。

ストレートネックになると本来後ろに曲がっているはずの頸椎が一直線状に並び、カーブが失われてしまいます。

そのため、頭の重さが肩や腰に集中してかかってしまい、様々な健康問題を引き起こす原因となります。

最近ではスマホの使いすぎでストレートネックになる人が増加しているので、”スマホ首”と呼ばれることもあります。

英語ではさらに複数の名前で呼ばれています。

  •  Flat neck syndrome
  •  Cervical kyphosis
  •  Military neck

ストレートネックの確認方法

自分もストレートネックかも?と思ったときに確認する方法を2つ紹介します。

頭と肩の位置を比べる

自分ですぐに確認できる方法は、鏡で自分の頭と肩の位置を比べてみることです。

立っているときも座っているときも、横から見たときに耳の穴が肩の真上に来ていると理想的な頭の位置になります。

写真のように頭が肩より前に出ていると、ストレートネックの可能性が非常に高いです。

レントゲン検査

専門的な検査を受けたい人は、病院に相談してみましょう。

ストレートネックの疑いがある場合は、首のレントゲン検査を受けることが多いです。

レントゲンでは首の骨がどのように並んでいるかはっきりとわかります。

ストレートネックの原因

ストレートネックの原因には、現代の生活習慣が大きく関わっています。

スマホを見る姿勢

ストレートネックは”スマホ首”と言われるほどスマホの影響を強く受けています。

スマホを見るときはどうしても首が前に出て、頭が前に倒れる姿勢になりがちです。

長時間スマホを使用する習慣があると、ストレートネックになりやすいです。

パソコンを見る姿勢

パソコンもスマホと同様に、長時間使用しているとストレートネックの原因となります。

スマホを見ているときは頭が下に倒れる姿勢になりますが、パソコンの使用中は猫背になり顎が前に出る人が多いです。

顔の向きは違いますが、首が前に出る姿勢はどれもストレートネックの原因となります。

猫背

猫背で背中が丸まっている人は、普段から頭が前に倒れている可能性が非常に高いので、ストレートネックにもなりやすいです。

ストレートネックは肩こりにどう影響する?

ストレートネックに詳しくなったところで、次はストレートネックがどのようにして肩こりに影響するのか?を解説していきます。

首前面の筋肉が硬くなる

ストレートネックになると首の前に付いている筋肉が硬くなってしまい、これが肩こりの原因となります。

ストレートネックの人は頭が肩よりも前に出ていますが、この姿勢だと首の前についている筋肉が短くなってしまいます。

筋肉は短縮した状態が長く続くと次第に硬くなり、元の長さに戻ることができなくなります。

そうなると、硬くなった筋肉が首の動きを制限してしまい、肩こりになってしまいます。

首後面の筋肉が張る

ストレートネックによって首前面の筋肉が硬くなりますが、後面は逆に筋肉が伸ばされて張ってしまいます。

頭部が前に倒れると、首の後ろについている筋肉、特に僧帽筋が元の長さより伸ばされてしまいます。

伸ばされた状態の筋肉は徐々に張りを感じるようになり、悪化すると張りは痛みに変わってしまいます。

肩こりで感じる痛みの多くは、この僧帽筋の張りが原因と言われています。

ストレートネックが悪化すると?

ストレートネックは頸椎に負担のかかる姿勢不全です。

ストレートネックを改善せずにそのまま過ごしていると、徐々に状態が悪化してしまうことがあります。

頸椎椎間板ヘルニア

腰のヘルニアはよく知られていると思いますが、首にもヘルニアは発症します。

ストレートネックになると頭が前に倒れるので、頚椎の前部が圧迫されます。

この圧迫によって骨の間にある椎間板は後ろ方向に押し出され、椎間板ヘルニアになる原因となってしまいます。

頸椎関節症

本来なら湾曲しているはずの頸椎がストレートネックで真っ直ぐ1列に並ぶことで、骨の並び方がずれてしまいます。

正しい位置に並んでいない骨同士の関節はこすれやすく、徐々に骨の形が変わったり、関節で炎症が起こることがあります。

このような関節の問題が首に起こることを、頸椎関節症と呼びます。

ストレートネックの治療法

それではストレートネックはどのように改善することができるのでしょうか?

自宅で手軽に行える方法を紹介します。

首肩まわりのストレッチ

ストレートネックになると首まわりの筋肉が硬くなってしまいます。

硬くなった筋肉は関節の動きを悪くしてしまい、さらに筋肉が硬くなるという悪循環に陥りやすいです。

ストレッチで首の筋肉を伸ばすことで、筋肉の柔軟性が回復し、関節の可動域を改善することができます。

首と肩にある筋肉の中でも、特にこの2つの筋肉をストレッチするとストレートネック改善に効果的です。

  •  胸鎖乳突筋
  •  大胸筋・小胸筋
胸筋群のストレッチ
  1. ストレッチする側の肘を90度にし、胸の高さまで上げてから手と肘を固定します
  2. 手を固定したまま身体を少しずつ前に倒します

胸鎖乳突筋のストレッチ
  1. 椅子に座り背筋を伸ばします。ストレッチしたい側と同じ側の手で椅子の端を掴みます。
  2. 首を伸ばしたい筋肉と逆の方向に倒します。
  3. ​首を倒したまま天井を見るように首を回します。このとき倒した首が上がらないように注意しましょう。

他にも自宅できる肩まわりのストレッチを知りたい人はこちらをご覧ください。
 >> これだけはやってほしい肩こり改善ストレッチ5選!

首肩まわりの筋トレ

ストレッチで硬くなった筋肉を伸ばすと同時に、筋トレも取り入れましょう。

首と肩の筋肉が弱いと頭を正しい位置で支えることができなくなってしまいます。

ストレートネックの人が特に弱くなりやすい筋肉はこの3つです。

  •  頸部深層屈筋群
  •  僧帽筋下部
  •  菱形筋
頸部深層屈筋群の筋トレ
  1. 椅子に背筋を伸ばした状態で座ります
  2. ゴムバンドやタオルを首にまわし、耳の後ろにかかるように持ちます
  3. 顎を後ろに引きます。このとき頭を水平に動かし、下を向かないようにします

僧帽筋下部繊維の筋トレ
  1. 両膝を地面に着けたまま身体を前に倒し、手の甲におでこを付けます
  2. 逆の手をまっすぐ伸ばし、肩を中心に手を上げます
  3. おでこが手から離れたり、身体を浮かさないよう注意してください

菱形筋の筋トレ
  1. 台に片膝を置き、逆の手で重りを持つ(ダンベルやペットボトル)
  2. 重りを肘が伸び切るまで下ろす
  3. 肩重りを上げるときに、肩甲骨をしっかり寄せる

こちらの記事では肩こり改善に効果的な筋トレを紹介しているので、ぜひ試してください。
>> 肩こり解消に効く筋トレエクササイズ5選!

湿布や痛み止めは効果なし?

ストレートネックや肩こりに対して、湿布や痛み止めは効果的ではありません。

これらは炎症を抑えたり、痛みを感じなくすることが目的ですが、ストレートネックが原因で起こる肩こりは炎症が痛みのもとではないからです。

ストレートネックは姿勢不全が原因となって起こるので、ストレッチや筋トレで身体を根本から改善して治療しましょう。

まとめ

ストレートネックは日常生活の姿勢からくる姿勢不全です。

スマホやパソコンの使いすぎで頭が前に出過ぎることが主な原因となります。

ストレートネックになると首の前面と後面の筋肉は硬くなったり緊張して張ってしまうことで、肩こりの原因にもなります。

ストレッチや筋トレを行うことで頭を正しい位置に戻し、ストレートネックを改善することができます。

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