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Case Study 症状別事例

2023.09.22

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアでも自転車に乗って大丈夫!悪化させないために注意すべきこと

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。専門は"病院で治らなかった身体の痛み"のリハビリ。

腰椎椎間板ヘルニアになったら自転車に乗らない方がいいの?と聞かれることがありますが、痛みを感じなければ自転車に乗っても大丈夫です。

しかし、自転車に乗るときの姿勢に気をつけなければヘルニアを悪化させてしまう危険性もあります。

この記事では、椎間板ヘルニアの人が自転車に乗るときに気をつけることと、ヘルニアを悪化させないための注意点を紹介しています。

椎間板ヘルニアになっても安全に自転車に乗り続けたいという人の役に立つ内容になっています。

椎間板ヘルニアの人は自転車に乗っていい?

腰椎椎間板ヘルニアの人が自転車に乗ってもいいのかという質問ですが、結論から言うと腰や足に痛みが出なければ乗っても大丈夫です。

痛みや痺れなどの症状が出ないかぎりは、ヘルニアが悪化する可能性は低いでしょう。

しかし痛みなどを感じたときは腰に負担がかかっているという証拠なので、自転車の調整や乗っているときの姿勢を改善する必要があります。

自転車での通勤は大丈夫?

普段、自転車で通勤している人がヘルニアになってしまった場合、通勤手段を変えなければいけないのでしょうか?

これも自転車に乗っているときに症状さえ感じなければ、自転車通勤を続けても大丈夫です。

通勤のために30分以上自転車に乗る人や、上り坂が多くて足腰に負担が多いという人は、通勤手段を変えたりアシスト付き自転車を検討してもいいと思います。

自転車に乗るとき気をつけること

ヘルニアの人が自転車に乗るときに気をつけなければいけないことは、腰に負担をかけないことです。

特にヘルニアの人は背中を丸めたり、骨盤が後ろに傾くと痛みが出てしまうことが多いので、乗車時の姿勢には気をつけましょう。

自転車に乗っていて背中が丸まってしまう原因の多くは以下の通りです。

  •  サドルが高すぎる
  •  サドルが低すぎる
  •  ハンドルが前すぎる

サドルが高すぎる

サドルが地面から離れすぎていると、腰が丸まりやすい姿勢になります。

特にロードバイクのようにお尻の位置が高い自転車は、腰への負担が大きくなりやすいです。

サドルが低すぎる

逆にサドルが低すぎると、背中が丸まってしまって猫背になりやすいです。

サドルの低い自転車に乗るときは、背筋を伸ばすように心がけましょう。

ハンドルが前すぎる

ハンドルの位置があまりに遠すぎると、腕を前に伸ばさなければいけなくなります。

腕を伸ばすことで背中は丸くなり、骨盤は後ろに傾いてしますので、ヘルニアの痛みが出やすくなります。

ハンドルは、肘を軽く曲げて持てる位置が最適です。

どのような自転車がいいか?

腰椎椎間板ヘルニアの人が自転車を選ぶ際に気をつけたいのは、腰を曲げずに漕ぐことができるか?ということです。

一般的な自転車とスポーツタイプの自転車について、それぞれ解説します。

一般的なタイプの自転車

ママチャリと呼ばれるタイプの自転車や、最近流行りのタイヤが小さくてスタイリッシュな自転車は、背筋を伸ばしやすいのでヘルニアの人にも向いている自転車です。

サドルを適切な高さに設定することで、背中や腰が丸くなるのを防ぎ、ヘルニアの症状が出にくい姿勢で自転車に乗ることができます。

スポーツタイプ

クロスバイクやロードバイクといったスポーツタイプの自転車はサドルの位置が高いので、腰が曲がりやすくなってしまいます。

腰を曲げたまま自転車に乗り続けると腰への負担がかかりやすいので、ヘルニアの人には注意が必要です。

スポーツタイプの自転車に乗る場合は、腰が丸くりすぎないようにサドルの位置を調整し、胸を張って背筋を伸ばしながら乗ることを意識しましょう。

現在スポーツ系の自転車に乗っていて腰に痛みを感じている人は、一般的な自転車に乗り換えると痛みが出なくなる可能性があります。

手術後いつから自転車に乗っていい?

椎間板ヘルニアの治療では手術を行うこともあります。

ヘルニアの手術をしたからといって、自転車に乗れなくなるということはないので安心してください。

では『いつから自転車に乗っていいか?』という質問を受けますが、これは人それぞれ異なります。

ヘルニアの手術方法はMED(内視鏡下腰椎椎間板摘出手術)やPELD(経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出手術)など非常に多くの手術様式があるので、受けた手術によっても自転車に乗れる時期は変わってきます。

平均的には手術後2週間から1ヶ月経ってから自転車に乗れる人が多いです。

悪化させないための予防法

ヘルニアと診断されても自転車に乗ることは問題ありません。

しかし、自転車に乗っているときの姿勢は、腰に負担をかけやすい姿勢でもあります。

そのため、ヘルニアを悪化させないためにもストレッチや筋トレで予防を行うことが重要です。

ヘルニア予防のストレッチ

ヘルニアの悪化を防ぐには、腰と骨盤についている筋肉の柔軟性を保つことが大切です。

腰に痛みを感じないように、ゆっくりストレッチするようにしましょう。

ハムストリングスのストレッチ

足をまっすぐ伸ばし、股関節から曲げるように上体を倒して、つま先を持ちましょう。

伸ばしてる足の太もも裏側がストレッチされます。

腸腰筋のストレッチ

片膝を立て、逆足はうしろに伸ばします。

胸を張ったまま体重を前に移動させると、うしろ足の股関節前面が伸ばされます。

大胸筋のストレッチ

柱などに肘から手をくっつけて固定し、身体を前に倒します。

手を固定している側の胸筋がストレッチされます。

ヘルニア予防の筋トレ

腹筋やお尻の筋力が低下すると、腰椎への負担が増えてヘルニアを悪化させやすいです。

普段から背骨を安定させる筋肉を鍛える習慣をつけて、ヘルニア予防に取り組んでください。

プランク

肘とつま先を支点に、身体を一直線にキープします。

お腹に力を入れて腰が曲がらないように気をつけましょう。

最初は15秒、慣れてきたら30秒キープを目標に。

デッドバグ

あお向けになり、両手を天井に向けて伸ばした状態で足を交互に伸ばします。

足を伸ばすときに腰が床から離れないようにしましょう。

ブリッジ

肩と足を支点にしてお尻を持ち上げます。

お尻を上げたときに膝から肩までが一直線になっていると、上手にできています。

まとめ

  •  腰椎椎間板ヘルニアでも自転車には乗っていい
  •  自転車に乗るときは腰が丸くならないように注意する
  •  ヘルニアを悪化させないために予防を行う

椎間板ヘルニアになっても、大事なポイントに注意すれば安全に自転車に乗ることができます。

通勤や買い物で自転車が使えないと不便になる人は多いと思うので、ヘルニアと上手く付き合いながら自転車を使いましょう。

特にヘルニアを悪化させないための予防は大切なので、1日10分でも簡単にできるストレッチや筋トレを取り入れるように心がけてください。

腰椎椎間板ヘルニアの治療やリハビリについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考ください。

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