2024.10.04
オスグッド病
オスグッド病が大人になっても痛いのはなぜ?
執筆大澤 亮(理学療法士)
有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。
オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)は、成長期の子どもや若者に多く見られる膝の痛みを伴う怪我です。
特に、スポーツや運動をしている10〜15歳の子どもに発症することが一般的です。
成長期の骨は柔らかく、強度が低いため、筋肉に引っ張られる力に耐えられず、炎症が起こることで痛みが現れます。
特徴としては、骨の隆起や剥離を伴うことがあります。
オスグッド病は通常、成長期が終わると自然に治まることが多いですが、まれに大人になっても痛みが残る場合があります。
この記事では大人になってもオスグッド病が痛む方に向けて、原因や理由、対策について説明していきます。
オスグッド病が大人になっても痛む原因
オスグッド病が大人になっても痛む原因はいくつかの可能性が考えられます。
考えられる原因として
- 骨の変形や成長期の後遺症
- 過度の運動や負荷
- その他の膝の問題との関連
これらの原因が考えられます。
骨の変形や成長期の後遺症
オスグッド病の炎症が長期にわたり続くと、膝下の脛骨(すねの骨)にある隆起部分が残ったままになることがあります。
この骨の隆起に筋による牽引ストレスが加わることで、痛みを引き起こす場合があります。
過度の運動や負荷
大人になってからも膝に強い負荷がかかる運動を続けると、過去にオスグッド病を患った箇所が再び痛むことがあります。
これは、筋の柔軟性や動作様式によって過剰に脛骨にストレスが加わることで痛みが出ると考えられます。
その他の膝の問題
オスグッド病による痛みが大人になっても残っている場合、他の問題と関係している可能性があります。
例えば、膝蓋腱炎や外傷による骨挫傷等、他の原因の可能性も考えてみましょう。
オスグッド病による痛みの対策
大人になってもオスグッド病の痛みが続く場合、以下のような対策が考えられます。
- 膝の負担軽減
- ストレッチ・筋力トレーニング
- アイシングや抗炎症薬
これらの対策が考えられます。
膝の負担軽減
オスグッド病や脛骨に痛みを生じやすい人の特徴として動作時に太ももの前面の筋(大腿四頭筋)を過剰に使ってしまう動作をする人が多いです。
お尻の筋や太もも後面(ハムストリングス)をうまく使えずに運動をすると脛骨に大きなストレスが加わり、痛みが現れます。
このような動作を修正し、正しい動きを身につけることで膝への負担を軽減させることができます。
ストレッチ・筋力トレーニング
オスグッド病や脛骨に痛みを生じやすい人の特徴として、大腿四頭筋の柔軟性不足やお尻の筋の筋力不足の方が多いです。
これらを、ストレッチや筋力トレーニングで柔軟性、筋力の向上することで脛骨への負担を減らし、痛みが出現しない状態にすることができます。
オススメのストレッチ・トレーニング
- 横向きに寝転び、上側の足首を持つ
- 股関節を突き出すように脚を後ろに引く
- 上向きに寝て、足にタオルなどを引っ掛ける
- 膝が曲がらないように脚をできるだけ持ち上げる
- 台の上に背中を乗せて脚をつける
- お尻を床に向けて下げる
- 下げたお尻を突き出すように上に上げる
- 仰向けに寝て膝を立てる
- つま先を挙げて踵を地面につける
- 踵で地面を押してお尻を持ち上げる
アイシングや抗炎症薬
急激な運動等によって痛みが強い場合はアイシングや抗炎症薬を用いて痛みを軽減することも可能です。
痛みが長く続いたり、我慢できないほどの痛みがある場合はオスグッド病が原因でない可能性もあるため病院や専門家のアドバイスを聞くことが大切です。
まとめ
オスグッド病による痛みが大人になってからも続くのはまれですが、適切な対策をすることで症状が改善し、今までと同様に、または今まで以上にスポーツ活動をすることができる可能性があります。
この記事をオスグッド病の後遺症に悩まれている方は改善に役立ててください。
オスグッド病について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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