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Case Study 症状別事例

2024.08.28

人工股関節

人工股関節置換術の種類

執筆大澤 亮(理学療法士)

有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。

変形性股関節症の手術で人工股関節という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

一括りに人工股関節と言っても、その中に多くの種類の手術法があります。

それらの手術法にはそれぞれメリット・デメリットが存在しています。

変形性股関節症に悩まれていて、手術を考えている方に向けて手術方法について詳しく紹介していきます。

人工股関節置換術とは

人工関節置換術とは、変形性股関節症に対する手術療法です。

変形してしまった関節を人工関節に置き換えることで痛みをなくす治療法になります。

人工股関節術について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

人工関節置換術の種類

人工股関節術は様々な手術方法で行われ、手術方法によって異なる特徴を持っています。

人工股関節の手術の分類は手術方法や切開する位置によって分類されます。

手術方法の分類

人工股関節は手術方法によって分類することができます。

手術方法の違いによって術後のリハビリのスケジュールなどが決定します。

手術方法の分類

  1. 直接固定法(セメントレス固定)
  2. 間接固定法(骨セメント固定)

手術方法は大きく分けて、この2種類に分けられます。

直接固定法(セメントレス固定)

セメントレス固定法は大腿骨内部の空洞にインプラントを直接挿入します。

この種のインプラントの表面は、無数の小さな孔が開いた構造になっており、大腿骨の内部でしっかり骨とかみ合うように設計されています。

表面に開いた無数の小さな孔に向かって、骨の組織がインプラントの内部に浸透するように成長していくことができます。

最終的には、このようなインプラント内部へ骨が成長することによって、固定の強度がさらに高まり、インプラントを適切な位置と向きで維持しやすくなります。

間接固定法(骨セメント固定)

セメント固定法のインプラントは、骨セメントを使って設置するように設計されています。

あらかじめ形状を整えておいた大腿骨内部の空洞に骨セメントを注入します。

この空洞の中でインプラントの位置と向きを調節します。

骨セメントがあることで、インプラントを適切な位置と向きで維持しやすくなります。

アプローチ方法の分類

人工股関節置換術では手術の際にどこから手術の切開を行うのかで術後のリハビリの経過や、注意点が異なってきます

アプローチ方法の分類

  1. 前方アプローチ
  2. 後方アプローチ
  3. 外側アプローチ
  4. 小切開術

これらの4つのアプローチ方法に分けられます。

1. 前方アプローチ

股関節の前側から手術を行います。

この方法は筋肉を切断少なく行うことができ、術後の回復が比較的早いとされています。

メリット
  • 筋肉や腱の切断が少ないため、術後の痛みが少ない
  • 手術の負担が少ないため、リハビリが早く進む
  • 股関節の脱臼リスクが低い
デメリット
  • 手術中の視野が狭く、技術的に難しい
  • 大腿骨の位置がずれるリスクがある

2. 後方アプローチ

股関節の後側から手術を行います。

現在、最も多くの手術に使用されています。

メリット
  • 手術視野が広く、難易度が低い
デメリット
  • 股関節の脱臼リスクがやや高い
  • 適切な手術技術やリハビリで管理可能です。

3. 外側アプローチ

股関節の外側から手術する方法です。

メリット
  • 脱臼リスクが比較的低い
  • 手術中に骨の操作がしやすい
デメリット
  • 大きな筋肉を手術で触れるため筋力低下を起こしやすい
  • 筋力低下による歩行障害が出る可能性がある

4. 小切開術

傷口が小さく、筋肉や腱をあまり切らずに手術する方法です。

メリット
  • 術後の痛みが少ない
  • 回復が早い
  • 傷跡が小さい
デメリット
  • 技術的に難しい

まとめ

手術法、アプローチ法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

関節の状態や外科医の経験、病院の設備などによって最適なアプローチが選ばれます。

担当医と相談し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

変形性股関節症に関してより詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。

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