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Case Study 症状別事例

2024.03.11

人工股関節

人工股関節後のスポーツ活動は可能なのか

執筆大澤 亮(理学療法士)

有名なスポーツ整形外科で主に手術直後のリハビリを担当。病院で培った臨床技術を活かし、ジュニアアスリートから高齢者の運動愛好家まで幅広い年代のリハビリを得意とする。自身のスポーツ歴は野球、バスケ、カヌー。

  近年一般の方のスポーツ活動への意欲は増加しており、スポーツ庁による世論調査では週1日以上スポーツをされている方は60歳代65.1%、70歳代74.8%と高い割合でスポーツ活動を行っていることがわかります。

このようにスポーツへの意欲が高まる中で、人工股関節をされた方、今から人工股関節を考えている方で運動やスポーツ活動をしたいけど脱臼や人工関節への負担は大丈夫なのか。

また、どのようなスポーツやどの程度の運動なら可能なのか悩まれている方は多いと思います。

このページでは神戸三宮で活動する理学療法士が、すでに人工股関節をされていてスポーツ活動を始めたい方、今から人工股関節を考えているけどスポーツ活動ができるのか悩まれている方に向けてお悩みを解決するための情報を紹介しています。

人工股関節とは

人工股関節とは変形性股関節症や関節リウマチなど関節自体が破壊されてしまった方に対して選択される手術方法です。

人工股関節に関しては、こちらの記事で詳しく説明していますので知りたい方はご覧ください。

人工股関節にするとスポーツ活動は可能なのか

まず、人工股関節でのスポーツ活動は可能なのでしょうか。

以前までは脱臼リスクを避けて運動指導を行っていましたが近年は人工関節の進歩や技術の進歩によって人工関節の疲労強度の向上、脱臼リスクが軽減されています。

脱臼リスクが軽減したことによって可能な運動が増えています。

現在では人工股関節でのスポーツ活動は“可能な競技と難しい競技がある”です。

さらに細かく分類すると経験者には許可するといった内容もあります。

では、どのような競技が可能でどのような競技が難しいのか分類して見てみましょう。

可能な競技

  • ゴルフ
  • 水泳
  • テニス(ダブルス)
  • ウォーキング
  • ハイキング
  • ボーリング
  • 重量マシン
  • サイクリング
  • エアロビクス(低強度)
  • ピラティス
  • ボート
  • ダンス
  • 太極拳
  • ヨガ
  • 乗馬

経験者に許可

  • スキー
  • 重量挙げ
  • アイススケート
  • テニス(シングルス)
  • バドミントン

不許可

  • ジョギング
  • スノーボード
  • 野球
  • 格闘技
  • エアロビクス(高強度)
  • ハンドボール
  • バスケ
  • サッカー

最新の論文ではこのように許可を出す医師が多いと言われています。

しかし、

許可される運動と不許可の運動ではなにが違うのか。

不許可となるスポーツに共通していることは外部からの強い衝撃が加わる激しく転倒するリスクがあるという事です。

不許可のスポーツでは他の人と体のぶつかるコンタクトスポーツやジョギングなどの関節に繰り返し衝撃が加わる運動が挙げられます。

人工股関節は寿命が約20年といわれています。

しかし、個人の生活様式や運動量によって摩耗するスピード、ゆるむ可能性は異なります。

人工関節が破損や脱臼をすると再び人工関節を置換する手術が必要になります。このようなリスクから衝撃が大きく加わるスポーツは推奨されないとされています。

許可されているスポーツも多くあり自分に合った運動を見つけることで継続して運動を行うことができます

人工股関節のスポーツ復帰での注意点

人工股関節後の運動では注意しなければいけない点があります。

  • 可動域
  • 筋力
  • 衝撃度

可動域

人工股関節後は手術前の不動の影響や、手術の影響から股関節の可動域不全が残ってしまう方がいます。

股関節の可動域が不十分なまま運動を行ってしまうと股関節痛やほかの場所に負担が大きくかかり痛みを出してしまう可能性があります。

筋力

手術の際に筋肉を必ず切ってしまいます。切った筋は縫合して回復しても筋力は個人差はありますが低下してしまいます。

股関節周囲の筋力が落ちたまま運動を続けると関節が不安定になり、摩耗を加させてしてしまう可能性があります。

衝撃度

上記したように、人工関節に外部から強い衝撃が加わったり、繰り返し衝撃が加わると脱臼のリスクや摩耗の加速が懸念されます。

これらの注意点は個人差が大きいため自分に合った運動を行うことが大切です。

まとめ

人工股関節後のスポーツ活動は競技を選択すれば可能です。

しかし、すべての人にすべてが適応されるという事ではなく、可動域や筋力など個人差のあるものに影響されます。

安全にスポーツ活動を行うために自分の体に合ったスポーツや運動を見つけること、安全に行えるための体の状態にすることが大切です。

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