2024.08.30
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアの手術後は、いつから運動していい?
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた直後は、腰回りを動かすのが怖く感じてしまいます。
少しでも早く運動を開始したいという意見を良く聞きますが、実際には手術後いつから運動しても良いのでしょうか?
このページでは神戸三宮でフィットネスジムを運営する理学療法士が、椎間板ヘルニアの手術を受けたあといつ頃から、そしてどのような運動をしても良いのかを解説していきます。
結論から言うと、2-4週間ほどは腰に負担がかかる運動を避けた方が良いです。
ただ、運動によっては手術後すぐに始められるトレーニングもあるので、運動によっては手術後すぐに開始したほうが腰の早期回復も期待できます。
腰に負担をかけずに行える、最適な運動を選ぶことが大切です。
腰椎椎間板ヘルニア手術直後に気をつけること
まず初めに、椎間板ヘルニアの手術を受けた直後に気をつけなければいけないことが何点かあります。
腰を丸めない
椎間板ヘルニアの手術を受けた直後は腰が不安定な状態になっています。
腰を丸めるような動作を行うと椎間板に負荷がかかってしまうので、できるだけやらないようにしましょう。
洗面台で前屈みになる動作や、膝を曲げずに床の物を拾う動作は避けるようにしましょう。
腰を捻らない
腰を捻る動作も椎間板への負担となります。
後ろを振り向く動作などは避けるようにしましょう。
激しい運動
手術直後は腰の安定性が低下しているので、運動やスポーツなど激しい運動はやめましょう。
重労働の方は、2ヶ月ほど経過してから仕事復帰をするようにアドバイスされることが多いです。
腰椎椎間板ヘルニア手術直後にできる運動
椎間板ヘルニアの手術直後でも、リハビリとして行える運動はたくさんあります。
適切な種目を選べば、椎間板に対して負荷をかけることなく安全です。
手術後は腰回りの筋力が低下し、手術を行なった周囲の筋肉や軟部組織は硬くなってしまいます。
そのため、できるだけ早期に運動を開始することは腰の回復を早めることにも繋がります。
腰椎椎間板ヘルニアの手術後すぐに行える運動をいくつか紹介しますが、痛みや違和感が出ないよう注意しながら取り組んでみてください。
- 仰向けになる
- 足をまっすぐ伸ばしたまま、股関節から足を上げて下ろす
- 仰向けになって足にバンドをかける
- 膝を伸ばしたままできるだけ高く足を上げる
- 仰向けになって膝を曲げる
- 足で床を押すようにお尻を上げる
腰椎椎間板ヘルニアの手術からスポーツ復帰するには?
椎間板ヘルニアの手術からスポーツや重労働に復帰するためには、少し時間がかかります。
手術直後は腰に負担のかかりにくい運動から始めますが、2-4週間ほど経過したら少しずつ運動強度を上げていきます。
立って腰に体重がかかる状態でのトレーニングや、控えていた腰を丸めたり捻ったりする運動も少しずつ練習していきましょう。
身体の状態や担当医の判断にもよりますが、おおよそ手術後3ヶ月経過してから激しい運動ができるようになると考えられています。
腰に負担がかかり過ぎないように注意しながらも、手術で筋力が低下した腰回りの筋肉を鍛えることも重要です。
腰の筋肉に適度な負荷をかけて筋力を取り戻し、腰椎椎間板ヘルニアの再発も予防するようにしましょう。
腰椎椎間板ヘルニアのリハビリのポイントは、こちらにまとめてあります。
>> 腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた直後でも、適切な運動であればすぐに開始することができます。
ただ、腰に痛みが出る動きや、腰を丸めたり捻るような動きは控えるようにしましょう。
体重をかけるような、より負荷の高い運動が開始できるのは手術後2-4週が目安です。
身体を使う重労働やスポーツへの復帰は、手術後3ヶ月ほど必要になることが多いです。
腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けたあとは、腰の状態に気を配りながらも、安静にし過ぎないことが大切です。
早期回復のためにも、無理のない範囲で運動を開始するようにしましょう。
腰椎椎間板ヘルニアについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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