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Case Study 症状別事例

2022.01.20

肩こり

肩こりの原因は血行不良?血行促進で肩こり改善へ!

執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)

ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。

肩こりにお悩みの方で、「自分の肩こりは血行の悪さが原因かも?」と考える方もいると思います。

結論から言うと、血行不良を治すことで肩こりの改善を期待することができます。

この記事では肩こりと結構の関係性と血行不良の改善方法について説明しているので、是非ご参考ください。

肩こりに関するより幅広い情報をお探しの方は、以下のページをご活用ください。

肩こりと血行の関係

まずは血行不良がどのようにして肩こりの原因になるのか?を解説していきます。

血行不良とは?

そもそも血行不良とはどのような状態でしょうか?

身体中には隅々まで血管が張り巡らされ、血液が血管を通って栄養や酸素を全身に送っています。

血液はトラック、栄養と酸素が荷物、血管は道路とイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。

血行不良とは血液の流れが悪くなり、身体全体に十分な栄養が届かなくなる状態を言います。

理想的な血管の状態が高速道路のように複数車線ある広い道路だとしたら、血行不良の状態は片側1車線の狭い道です。

少しでも多く、そして早く必要な栄養と酸素を身体中に運ぶためにも、血行が良い状態に保つ必要があります。

血行不良が肩こりの原因に?

血行が悪くなると必要な栄養と酸素が届けられないだけでなく、身体に溜まった疲労物質の回収にも影響が出てしまいます。

血液は身体の隅々に栄養と酸素を運び、代わりに疲労物質などの老廃物と二酸化炭素を回収して肺に戻る役割があります。

回収されずに身体や筋肉内に残った疲労物質は、やがて痛みや重だるさという肩こりの症状を引き起こす原因となるので注意が必要です。

また、首周りの血行が悪化すると脳への酸素供給が足りずに頭痛やめまいなどの症状が出ることもあるので気をつけてください。

肩こりが血行不良の原因にも

一方で、肩こりが血行不良を引き起こす原因にもなり得ます。

肩こりになると首と肩の筋肉が緊張し硬くなってしまいます。

硬くなった筋肉は伸張性が低下して筋肉が収縮しにくくなるので、血液の流れを悪化させてしまいます。

血行不良が原因で肩こりになる人もいれば、肩こりが原因で血行不良になってしまう人もいます。

どちらが先に発生したかを見分けるのは困難ですが、血行と肩こりに深い関係性があることは重要です。

血行不良になる原因

血行不良になってしまう原因は筋肉の収縮が起こらないことです。

筋肉は身体全体に血液を送るポンプのような役割を持っています。

筋肉が収縮することで血管内の血液が押し流され、血液が身体中を巡って心臓へと戻ってきます。

そして、筋肉の収縮が低下して血行不良になる原因は主に、”長時間同じ姿勢でいること””運動不足”の2つです。

長時間同じ姿勢

デスクワークや自宅でくつろいでいると、筋肉は動かずに同じ長さのまま固まってしまいます。

筋肉は伸び縮みして初めて収縮が起こり、血液を流すことができます。

長時間同じ姿勢でいると筋肉は一定の長さのまま変わらないので、血液は流れずに血行不良になってしまいます。

デスクワークの人に肩こりが多いのは、ずっと同じ姿勢で肩を動かす機会が少ないことが大きな要因です。

運動不足

定期的な運動習慣がない人も血行不良に陥りやすいです。

例え長時間のパソコン業務を行なっていたとしても、普段から運動する機会があれば肩周りの筋肉が硬直することはありません。

運動を行うことで筋肉の収縮を促し、血行を促進させることができます。

運動と言ってもキツいトレーニングをしなければいけないわけではなく、ストレッチやヨガも血行改善に効果的な運動です。

血行促進で肩こり改善

肩こりに悩んでいる人はすぐにでも首肩の血行を改善するように心がけましょう。

一度硬くなった筋肉は柔くなるまで時間がかかってしまいます。

何も対策をしないと筋肉は徐々に硬くなってしまうので、少しでも早い段階で血行を促進することが大切です。

肩に負担のかからない姿勢

手っ取り早く取り組めるのは姿勢の改善です。

ほとんど全ての肩こりの人は、肩に負担のかかる姿勢をしがちです。

猫背のままパソコン業務をしたり、視線を下げてスマホを見ています。

普段から良い姿勢を心がけることで、肩への日常的な負担を軽減することができます。

ポイントとしては、立位でも座位でも肩と耳の穴が一直線状にある位置で頭を保持することです。

頭が前に出れば出るほど肩への負担は増加するので、できる限り顎を引いて正しい位置で頭を支えましょう。

定期的な運動

先ほども書きましたが、筋肉を収縮させることで血液は流れ、身体中に血液が巡ります。

習慣的な運動に取り組むことで硬くなった筋肉を動かし、血行を促進することができます。

ストレッチ

ストレッチは少しの時間でも取り組むことができるお手軽な運動です。

肩こりの人は特に肩の上部にある僧帽筋と首の前面にある胸鎖乳突筋が硬くなりやすいので、習慣的にストレッチすることが大切です。

僧帽筋上部繊維のストレッチ

  1. ストレッチする側の手で椅子の下部分を掴みます
  2. 逆の手で頭を真横に倒します

胸鎖乳突筋のストレッチ

  1. 椅子に座り背筋を伸ばします。ストレッチしたい側と同じ側の手で椅子の端を掴みます。
  2. 首を伸ばしたい筋肉と逆の方向に倒します。
  3. ​首を倒したまま天井を見るように首を回します。このとき倒した首が上がらないように注意しましょう。

他にも肩こりに効果的なストレッチを紹介しているので、ぜひ試してみてください。
>>【簡単&毎日5分だけ!】これだけはやってほしい肩こり改善ストレッチ5選!

筋トレ

”トレーニングをすると筋肉が硬くなる”と考える人がいますが、これは間違いです。

筋トレを行うことで筋肉は伸び縮みするので、筋の柔軟性が向上することが判明しています。

さらに、筋トレで首肩の筋肉を鍛えると、頭を支える筋力が上がるので肩こりになりにくい身体になることができます。

血行を改善するだけでなく、肩こりの予防にも繋がるので定期的な筋トレをお勧めします。

僧帽筋下部繊維の筋トレ

  1. 両膝を地面に着けたまま身体を前に倒し、手の甲におでこを付けます
  2. 逆の手をまっすぐ伸ばし、肩を中心に手を上げます
  3. おでこが手から離れたり、身体を浮かさないよう注意してください

前鋸筋の筋トレ

  1. ゴムバンドを肩甲骨の高さにかかるように背中を通して両手で持ちます
  2. ゴムバンドを張ったまま前にならえをするように両手を前に突き出します
  3. 肩が上がらないように気をつけ、水平に前方向に動かすよう注意してください

肩こり改善に有効な筋トレもまとめてありますので、ぜひ目を通してみてください。

>> 肩こり解消に効く筋トレエクササイズ5選!自宅で簡単にできる運動

まとめ

この記事では肩こりと血行の関係性を説明しました。

血行不良になると十分な栄養と酸素が供給できず、疲労物質の回収もできなくなってしまいます。

また、肩こり自体も首と肩まわりの筋肉を硬くしてしまい、血行を悪化させる原因になります。

肩こりの人は首と肩の筋肉をストレッチや筋トレで動かすことで、血行が促進されて肩こりの症状を軽減させることができます。

まずは1日5分でもいいので、身体を動かす習慣を作ってみましょう。

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