2021.06.24
肩こり
【簡単&毎日5分だけ!】これだけはやってほしい肩こり改善ストレッチ5選!
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
肩こりを自分で改善しようと思ったときに、多くの人が最初に試してみるのはストレッチです。
「肩こり ストレッチ」といったワードでインターネットやYoutubeで検索されると思いますが、実際どのストレッチをすればいいのかわかりませんよね。
この記事では肩こり改善のために、理学療法士が”これだけはやってほしい!”と思うストレッチを5つ紹介しています。
毎日5分のストレッチで効果の出るストレッチを選びましたので、肩こりにお悩みの方はぜひ試していただきたいです。
毎日の簡単なストレッチで肩こりが改善する理由
まず最初に、ストレッチの効果を簡潔に紹介させてもらいます。
ストレッチは筋肉の柔軟性を上げるための運動です。
身体には600を超える筋肉があり、特に腕や足、体幹についている筋肉は伸び縮みすることで関節を動かし、人は身体を動かすことができます。
筋肉は伸び縮みする性質がありますが、毎日頻繁に動かしていないと同じ長さのまま固まってしまいます。
これを防ぐため、もしくは固まってしまった筋肉を柔らかくするためにストレッチは使われています。
- 筋肉は伸び縮みする性質がある
- ストレッチは固くなった筋肉を柔らかくする
肩こりの人が硬くなりやすいのは僧帽筋・大胸筋といった筋肉で、これらの筋肉が硬くなってしまうと、簡単に猫背になってしまいます。
そして、猫背になるとさらに筋肉が硬くなり、という悪循環に陥ってしまいます。
先に姿勢が悪くなったのか?それとも先に筋肉が硬くなったのか?
鶏と卵ではないですが、どちらが先に起こったのか判断することはできません。
しかし、悪い姿勢と硬くなった筋肉が肩こり最大の原因ということは間違いありません。
硬くなった筋肉を毎日ストレッチすることで姿勢が改善され、痛みの出ている部位の負担が軽減します。
結果として肩こりの痛みは改善されるので、ストレッチが肩こりに効果的だと言えます。
肩こりの人が毎日ストレッチすべき筋肉
肩こりだからと言って、首と肩の筋肉を全てストレッチすれば良いというわけではありません。
肩こりを改善するためにストレッチすべき重要な筋肉がいくつか存在します。
まずは上のイラストを見てください。
これは上部交差症候群という症状によく見られる筋肉の特徴を説明しています。
上部交差症候群とは、猫背が原因で首や肩に痛みが出る症状で、肩こりの大きな要因です。
猫背で肩こりの人は、このイラストにある”Tight”と書かれた筋肉が硬く、”Weak”と書かれた筋肉が弱い傾向にあります。
硬い筋肉と弱い筋肉を結んだ線が交差しているので、上部交差症候群と呼ばれています。
ここで重要なことは、Tightと書かれている筋肉を毎日ストレッチすることが、肩こりの改善に繋がることです。
具体的には、胸筋群、僧帽筋上部繊維、そして肩甲挙筋になります。
- 大胸筋
- 小胸筋
- 僧帽筋上部
- 肩甲挙筋
これらの筋肉が硬くなると、背中が丸まり、胸が内に入り、猫背となってしまいます。
猫背になることで、頭の位置が身体の中心から前に移動するため、肩の筋肉が常に緊張した状態となり、結果として痛みが出ます。
これが肩こりの大きな原因なので、硬くなり猫背を助長している筋肉をストレッチで伸ばしてあげることが、肩こりを改善する効果的な方法です。
猫背の原因となる筋肉をストレッチ
➡︎頭が正常な位置に戻る
➡︎肩周りの筋肉が緩む
➡︎肩こりの改善
補足ですが、Weakと書かれた弱くなりやすい筋肉は以下の通りです。
- 頸部深層屈筋群
- 僧帽筋下部
- 前鋸筋
硬くなった筋肉をストレッチするだけではなく、弱くなった筋肉を筋トレで鍛えることも、肩こりの改善にはとても大切です。
肩こりの筋トレに関しては、以下の記事で注意点やメニューを紹介しているので、ぜひストレッチと一緒に簡単な筋トレも取り入れてください。
姿勢改善は肩こりの治療において非常に大切なので、毎日の生活から猫背にならないよう意識することも心がけてください。
肩こり改善に効果的かつ簡単なストレッチ
肩こりの原因とストレッチの必要性についてお伝えしたところで、実際のストレッチを紹介していきます。
上記で名前を挙げた硬くなりやすい筋肉に加えて、肩こりに悪影響を及ぼしやすい筋肉のストレッチも載せていますので、ぜひご活用ください。
胸筋群のストレッチ
- ストレッチする側の肘を90度にし、胸の高さまで上げてから手と肘を固定します
- 手を固定したまま身体を少しずつ前に倒します
僧帽筋上部繊維のストレッチ
- ストレッチする側の手で椅子の下部分を掴みます
- 逆の手で頭を真横に倒します
肩甲挙筋のストレッチ
- ストレッチする側の手を身体の真後ろに持っていきます
- 逆の手で頭を外側に少し捻った状態で前に倒します
胸鎖乳突筋のストレッチ
胸鎖乳突筋は首の筋肉です。
猫背の影響で頭が前に出ると、この筋肉が硬くなりやすいです。
- 椅子に座り背筋を伸ばします。ストレッチしたい側と同じ側の手で椅子の端を掴みます。
- 首を伸ばしたい筋肉と逆の方向に倒します。
- 首を倒したまま天井を見るように首を回します。このとき倒した首が上がらないように注意しましょう。
脊柱起立筋のストレッチ
脊柱起立筋はいわゆる背筋と呼ばれる筋肉です。
この筋肉は腰から首の後ろまで付いているので、硬くなると首の動きが悪くなります
- 仰向きになりストレッチしたい側の足を反対側に投げ出します。
- 首は足と逆側に向けます。
毎日のストレッチへの取り組み方
ストレッチのメニューを紹介したので、最後にご自身で実践されるときの注意点をお伝えします。
ストレッチで筋肉を伸ばすには約30秒ほど、ストレッチした状態を維持する必要があります。
そして呼吸を止めないようにしましょう。
ゆっくりと大きな呼吸を行うことで胸とお腹が膨らみ、それに応じて筋肉はよりストレッチされます。
最後に重要なのが、痛みを感じるまで伸ばさないことです。
普段からストレッチをしていない方は、少し筋肉を伸ばしただけで痛みを感じます。
痛みを我慢して、できる限りストレッチしたほうが効果的と思われる方が多いですが、これは間違いです。
痛みを感じるまでストレッチすると、筋肉はリラックスできずに力んでしまいます。
そうすると、筋肉は柔らかくなるどころか、逆に硬くなってしまいます。
ストレッチをするときは、痛みを感じる直前で止め、筋肉が気持ちよく伸ばされるところで止めてください。
これらの注意点を守りながら、毎日ストレッチできると効果を実感できるはずです。
1回30秒×2セット×5種類なので、1日5分で肩こりが改善できると思えば、例え毎日でも頑張れるのではないでしょうか?
- ストレッチした状態で30秒止める
- ゆっくり大きな呼吸で
- 痛みを感じないように
- 1回30秒×2セット×5種類が毎日の目標
まとめ
肩こりの改善にストレッチはとても有効な手段です。
首や肩のどの筋肉をストレッチしても肩こりを治せるわけではなく、姿勢に悪影響を与えている筋肉を伸ばすことが大切です。
毎日の簡単なストレッチで猫背などの姿勢を改善することが、肩こりの痛みを軽減することに繋がります。
ただストレッチをするのではなく、より効果的な方法を取り入れることで、肩こりの早期改善に役立てていただければ嬉しいです。
ストレッチに限らず、肩こり全般の最新情報を詳しく紹介している記事がありますので、ぜひご参考いただければと思います。
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