2021.06.09
肩こり
肩こり解消に効く筋トレエクササイズ5選!自宅で簡単にできる運動
執筆中尾 優作(理学療法士/プロスポーツトレーナー)
ヨーロッパの大学、大学院で理学療法を学ぶ。欧州サッカー、日本のB.LEAGUEでトレーナーとして活動したのち、地元神戸三宮にメディカルフィットネスジム【Lifelong】を設立。トップアスリートを始め、"病院で治らない痛み"に悩む人にワンランク上のリハビリを提供する。
肩こりを解消するために、筋トレは必須と言えるほど重要です。
なぜなら、肩こりになる1番の原因は姿勢ですが、姿勢を改善するためには筋トレが最も効果的だからです。
肩こりの原因である姿勢不全は、長年の生活習慣が蓄積されることで発生します。
例えば、デスクワーク中心の人は猫背になりやすく、スマホを多用する人は首が前に出やすいです。
このような姿勢問題を改善するためには、身体を正しい姿勢で維持するための筋力が必要となります。
普段から少しでも筋トレを習慣的に行い、肩こりの悩みを解消しましょう。
肩こり解消目的の筋トレ
筋トレとは筋力トレーニングのことで、身体の筋肉を鍛えることです。
筋トレと言うと、ボディビルダーのように身体を大きくするものと考えがちですが、目的によって効果は違います。
なので、女性も見た目の変化を気にせず筋トレに取り組んでいただきたいです。
肩こりを解消する上で重要なのは、筋力よりも“筋持久力”です。
筋力とは筋肉が発揮できる最大パワーのことですが、筋持久力はどれくらい筋力を発揮し続けられるかという能力です。
肩こりを治す上で必要なことは、「正しい姿勢を維持する」ことなので、筋持久力をより重視します。
いくら最大筋力を上げたところで、正しい姿勢をキープできなければ肩こりの解消には繋がりません。
肩こり解消のために鍛えるべき筋肉
下のイラストは上部交差症候群という症状の特徴を説明しています。
上部交差症候群は、上半身の筋肉が肩こりや猫背になりやすい状態になることを言います。
上半身を交差するように2本の線を引くと、それぞれの線が弱くなりやすい筋肉と硬くなりやすい筋肉を示しています。
硬くなりやすい筋肉
- 僧帽筋上部
- 肩甲挙筋
- 大胸筋
- 小胸筋
弱くなりやすい筋肉
- 頸部深層屈筋群
- 僧帽筋下部
- 前鋸筋
硬くなりやすい筋肉はストレッチで伸ばし、弱くなりやすい筋肉は筋トレで鍛えることで、肩こりの解消へと繋がります。
肩こり改善に効果的なストレッチは以下の記事に動画でまとめてあります。
肩こり解消に効く筋トレ5種類
それでは実際に肩こりを解消するための筋トレを紹介していきます。
筋トレは難易度の低いものから順に並べているので、上にあるエクササイズから順番に始めていただき、慣れてきたら難易度の高い運動に挑戦してみてください。
自宅で簡単にできて、女性でも無理なく取り組める筋トレメニューを紹介しています。
頸部深層屈筋群の筋トレ
- 椅子に背筋を伸ばした状態で座ります
- ゴムバンドやタオルを首にまわし、耳の後ろにかかるように持ちます
- 顎を後ろに引きます。このとき頭を水平に動かし、下を向かないようにします
僧帽筋下部繊維の筋トレ
- 両膝を地面に着けたまま身体を前に倒し、手の甲におでこを付けます
- 逆の手をまっすぐ伸ばし、肩を中心に手を上げます
- おでこが手から離れたり、身体を浮かさないよう注意してください
前鋸筋の筋トレ
- ゴムバンドを肩甲骨の高さにかかるように背中を通して両手で持ちます
- ゴムバンドを張ったまま前にならえをするように両手を前に突き出します
- 肩が上がらないように気をつけ、水平に前方向に動かすよう注意してください
応用編
- 膝と肘を地面に付け、腕立て伏せのような状態になる
- 胸を地面に向かって下ろし、肩甲骨を寄せる
- 肩甲骨を開きながら、上体を上げる
菱形筋の筋トレ
- 台に片膝を置き、逆の手で重りを持つ(ダンベルやペットボトル)
- 重りを肘が伸び切るまで下ろす
- 肩重りを上げるときに、肩甲骨をしっかり寄せる
肩こり用の筋トレメニュー作成
記事の冒頭にも説明していますが、肩こり改善を目的とした筋トレで重要なのは筋持久力の向上です。
正しい姿勢を保つための最大筋力も最低限必要ですが、筋持久力の改善が肩こり解消にはより効果的です。
例えば、丸まっている背中を真っ直ぐ伸ばすことは簡単だと思います。
ただ、真っ直ぐな姿勢を1時間維持することは難しいのではないでしょうか?
この”正しい姿勢の維持“に必要なのが筋持久力です。
筋持久力を高めるには、以下の要素が大切です。
- 高頻度
- 低負荷
- 回数多め
- 休憩短め
本記事の筋トレを行うとしたら、以下のようなメニューで取り組んでいただければ肩こり解消に効果的です。
- 1日3回
- 2~3種目
- 軽めの負荷で
- 15回×3セット
- セット間休憩30秒
最初からきつい負荷で始めるのではなく、毎日継続できる負荷と量で運動を習慣化させることが大切です。
まとめ
今期の記事では肩こり解消に効く筋トレを紹介しました。
筋トレに取り組むことで、肩こりの原因となる姿勢が改善されます。
メニューを作成する際は、筋力強化ではなく、筋持久力向上を目的としたトレーニングを行うことで、より効果的に肩こりを治すことができます。
筋トレを毎日の生活に取り入れ、習慣化することが肩こり改善の第一歩となります。
筋トレに限らず、肩こり解消に重要な内容をまとめた記事もぜひご覧ください。
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