自分の腰痛はどのタイプ?症状を知ることで改善へ!

  • 2021年4月9日
  • 2021年6月28日
  • 腰痛

 

母親と娘が一緒に腰を曲げている

 

腰痛の90%は原因不明

 

腰痛は医療機関で精密検査を受けても90%の確率で明確な原因が特定できません。

例えばMRI検査でヘルニアが発見されたとしても、そのヘルニアが痛みを起こしているのか、それともヘルニア自体は痛みに影響しておらず、全く別の原因で痛みが発生しているのかは判断ができないということです。

この場合、ヘルニアを治療したとしてもヘルニア自体は改善されるかもしれませんが、腰痛が改善されるかどうかはわかりません。

それでは腰痛はどのように改善すれば良いのでしょうか?

 

腰痛は「症状」に焦点を当てて改善する

 

腰痛は検査結果に沿った治療をしても症状が改善できないことが多々あります。

理学療法士の共通認識では、ヘルニアにはヘルニアの治療ガイドライン、脊柱管狭窄症には脊柱管狭窄症の治療ガイドラインが存在します。当然ながらこのガイドラインに沿って治療を行うことが最善の方法と考えられています。

しかし腰痛の問題点は、同じ診断名の病気でも症状が一人一人大きく異なる点です。ガイドラインに沿った治療で腰痛が改善できる人は、とても典型的な症状を持っている人に限られます。

例えば、脊柱管狭窄症で間欠性跛行、歩いてしばらくすると痛みが出てしまうけど少し休んだり腰を前に曲げると痛みが減る、といったような教科書に載っている通りの症状が現れている人にはガイドラインに沿った治療はとても効果的です。

ただ、間欠性跛行はあるけど腰を前に曲げても痛みが減らない、歩いていると痛みだけでなく痺れも出る、というような教科書通りでない症状に対してはガイドラインは最善の対処法ではなくなってしまいます。

そして全ての腰痛の90%がこの「教科書通りでない腰痛」と報告されています。

基本的な治療方針や、してはいけないこと(禁忌)を知るためにガイドラインを頭に入れておくことは重要ですが、ガイドラインに縛られず、それぞれの腰痛がどのような原因で痛みを出していて、どうすれば改善できるのか、一人一人の症状に合わせて適切な改善方法を選択することが重要になってきます。

 

腰痛の症状

 

腰痛のタイプ分けで最初に考えられるのが、症状の区別です。

腰痛と一言で言っても痛みの種類も違えば痺れの有無も違います。

自分にどのような症状があるかによって、自分の身体のどの組織が痛みを起こしているのか、を突き止めるための大事な判断材料になります。

1. 痛み

まず腰痛の主症状として挙げられるのが痛みです。

単純に痛みと言っても痛みの種類によってどの組織が痛みを起こしているか、という指標になることがあります。

重だるい痛み

痛みはあるが痛いから何かできないというほどの痛みでもなく、痛みによって生活に制限はかからない。普段の生活で何かに集中していると痛みのことも忘れているが、ふとしたときにまた痛みを感じる。痛みを我慢すれば生活に支障はない。

原因

  • 筋肉の緊張・硬さ
  • 疲労骨折(分離症)
  • すべり症
  • 仙腸関節障害
  • 関連痛(痛みの箇所とは違う箇所が原因の痛み)

鋭い痛み

急にくるズキッという鋭い痛み。普段からある程度の痛みがあるが、特定の動作や刺激で強い痛みを感じる。痛みが強く、その痛みを感じたくないため日常生活でもその動作ができなくなる。

原因

  • 筋肉の損傷
  • 靭帯の損傷
  • 神経障害

2. 痺れ

腰または足にかけて痺れが出る。両側とも痺れることもあれば、片側だけ痺れることもある。姿勢や身体の動きによって痺れの出方が変わる。例えばヘルニアの場合は腰を前に曲げると痺れが出ることが多い。

原因

  • 椎間板ヘルニア
  • 脊柱管狭窄症
  • 坐骨神経痛
  • 神経障害

3. 重さ・硬さ

痛みまではいかないが、腰に重さや違和感、硬さがある状態。揉んでもらったり、ストレッチをすると瞬間的に楽になるが、しばらくすると元の状態に戻る。

原因

  • 筋肉の緊張・硬さ

以上のように、症状は大きく分けると痛い・痺れる・重だるいに分けられます。

腰に限った話ではないですが、痛みの種類によって筋肉の損傷が疑われたり、神経障害が疑われたりします。まずは身体のどの組織が痛みを引き起こしている可能性があるか?を把握しておきましょう。

 

痛みの出る動き

 

腰を後ろに反る男性

 

痛みの種類を確認したら、次はどの動きによって痛みが出るかを確認します。

人間はある方向に身体を動かすと、一点には負担がかかり、その反対側には負担が減る部位があります。

例えば前屈をすると腰椎の前面は骨同士の隙間が狭くなるので圧力が増え、腰椎の後面は骨同士の隙間が広くなるので圧力が減ります。

 

腰椎の前屈と後屈の説明図
前屈すると腰の前面に圧力がかかり後面は広がって隙間ができる。
​後屈は前屈と逆の動きになる

(ANNWEST)



痛みの出る動きを調べることで、痛みの原因となっている可能性のある部位を探すことができます。

腰は4種類の動きがあります。

・前屈

・後屈

・側屈

・回旋

この4種類の動きに加えて、「動かなくても痛い」という症状を加えた5パターンから腰痛の原因を探っていきます。

1. 前屈で痛みが出る

先ほどの例えでも説明しましたが、前屈をすると腰椎の前面同士の距離が近くなり、逆に後面にはスペースが生まれます。これにより腰椎前面の圧力が強くなり、椎間板ヘルニアや椎体の圧迫骨折(疲労骨折)を引き起こします。

痛みに加えて、前屈で腰や足に痺れが出ることがあります。人体で最も大きな神経は脊柱の後ろを通っています。前屈をすることで神経が伸ばされ、痺れという症状となって現れます。痺れを伴うヘルニアや坐骨神経痛の場合は前屈で痺れが出ることが多いです。

前屈で痛みの出る原因

  • 椎間板ヘルニア
  • 椎体の疲労骨折
  • 神経障害
  • 坐骨神経痛

2. 後屈で痛みが出る

後屈は前屈と全く逆の動きになります。腰を後ろに反ると、腰椎の前面にはスペースが生まれ腰椎後方の椎弓という部分の距離が近くなります。

前屈したときのヘルニアのように、後屈をすると椎間板には後方から前面に向けた圧力が加わり、椎間板を前方に突き破るヘルニアを引き起こすことがあります。ただ、前方へのヘルニアは後方へのヘルニアに比べてかなり稀です。

腰の後屈によって最も負担がかかるのは腰椎の後面でぶつかり合う椎弓部分です。椎弓はとても細く折れやすい骨なので、後屈を繰り返し、特に回旋が加わることで骨同士が強くぶつかり合い、疲労骨折を起こし腰椎分離症になることが多いです。特に体操選手のように腰を大きく反る動きを行う人は分離症のリスクが非常に高いと言えます。

後屈をすると腰椎後方のスペースが狭くなるので、脊柱管狭窄症の場合も痛みが出ます。脊柱管狭窄症は脊椎後方に骨の刺が形成されるなどの原因で神経の通り道である脊柱管が狭くなることで、神経にストレスがかかり痛みを出します。脊柱管狭窄症でもともと狭くなっている脊柱管を後屈によってより狭くしてしまうので、痛みが出てしまいます。

後屈で痛みの出る原因

  • 腰椎分離症
  • 脊柱管狭窄症
  • 椎間板ヘルニア(前方)

3. 側屈で痛みが出る

側屈とは直立した状態から身体を横に曲げる動きです。日常生活ではあまり頻繁に行われる動きではありません。

身体を横に曲げると、腰椎の前面と後面には大きなストレスがかかりませんが、腰椎の側部、特に椎弓の側部に圧迫ストレスがかかります。この椎弓の側部には、後面の太い神経から枝分かれした細い神経が通り、お尻や足の筋肉へと繋がっています。

側屈をすることでこの神経を圧迫してしまい、痛みや痺れなどの神経障害が出る可能性があります。

側屈で痛みの出る原因

  • 神経障害

4. 回旋で痛みが出る

回旋とは身体を捻る動きです。腰はそもそも回旋で大きく動くことができる関節構造をしていません。脊柱の中でも頸椎と胸椎が回旋方向への大きな可動域を持った関節になっています。

構造的に回旋をしにくい関節なので、回旋を繰り返すと骨同士がぶつかってしまいますぶつかるのは椎弓という後方の骨で、繰り返されるストレスに耐えられなくなると、疲労骨折してしまい、腰椎分離症となります。

回旋で痛みの出る原因

  • 腰椎分離症

5. 動かなくても痛みが出る

最後に、何もしていなくても痛い場合です。

多くの場合は身体を動かすことで特定の部位にストレスがかかり、痛みが出ます。何もしていなくても痛いという状態は、言い換えると「何もしていない状態ですでにストレスがかかっている状態」と表現することができます。

このパターンに多いのが姿勢の問題です。直立した状態でどちらかの肩が下がっていたり、猫背で頭が前に出ていたり、動いていなくても身体の左右前後のバランスが崩れていると、腰に負担がかかってしまうことがあります。

痛みの種類としては関連痛と呼ばれています。腰自体に何か原因があることは珍しく、他の部位が原因で腰に痛みが出てしまう症状です。慢性腰痛や長期間改善しないような原因の特定できない腰痛は姿勢が影響していることが多いです。

動かなくても痛みが出る原因

関連痛(姿勢や他の部位が原因で腰に痛みが出ている)

まとめ

今回は腰痛のタイプを確認する方法として、

① 痛みの種類による確認

② 痛みの出る動きによる確認

という2種類の腰痛判別法を紹介しました。

どちらか片方に頼るのではなく、①で自分の腰痛には痺れがあるし、②で後屈は痛くないけど前屈だと痛みと痺れがでるから、もしかしたら椎間板ヘルニアの可能性があるかも?

というような使い方をしていただければと思います。

あくまで自分で簡単に調べることができる方法なので、痛みや痺れの症状が強い場合は、無理に自分だけで解決しようとせずに、病院や専門家に診てもらうようにしてください。

何度も繰り返しますが、腰痛は検査で痛みの原因が特定できることは少なく、例えヘルニアだったとしても、痺れのある人もいればない人もいて、前屈で痛む人もいれば後屈で痛む人もいます。個人個人で症状が大きく異なることが腰痛の特徴です。

なので自分の腰痛はどの組織が痛みを出していて、どの動きをすれば痛みが出るかという症状を把握しておくことが非常に大切になります。

腰痛の症状を理解することができれば、その症状を軽減することが腰痛改善への近道となります。

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神戸三宮で身体の痛みを改善

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